グルジアは日本ではジョージアと呼ばれている国です。
アメリカ合衆国のジョージア州とは無関係で、当然ながらコカ・コーラ社の缶コーヒーのジョージアとも無関係です。
グルジア(ジョージア)はトルコの東にある小国です。
日本国内では「シュクメルリ」というにんにくとチーズが大量に入ったクリームスープが話題になりましたが、あれがジョージアの料理です。
そんなジョージアは2019年まで外こもりや海外移住の候補地として注目を浴びていました。
※2020年からの例のアレはこの国にも大きな被害をもたらし続けています
そんなジョージアですが、ネットでいんふるえんさぁが語る「素敵な国」という側面だけではありません。
前回は「車文化が日本人の感覚と違う」という話をしました。
今回はお店の店員の話をしたいと思います。
日本ではありえない態度なので、人によっては耐えられないほどの苦痛を感じるかもしれません。
ジョージアに外こもりや海外移住をしようと考えている方は、心の片隅に留めておいてください。
目次
ジョージアのお店の接客態度を話す前に
具体的な話の前に、勘違いされないように前提の話をさせてください。
第一に、私はジョージアが大好きで、ネガティブキャンペーンを展開したいわけではありません。
ですが、それは「ジョージアは何も嫌なところがない桃源郷のような国だ」ということではありません。
いいところも悪いところもあって、その差引のバランスがいい方向に突出しているのがジョージアという国です。
私は自分の好きな国であっても、カルト〇教のように妄信的にオススメしたくはありません。
悪いところも紹介した上で「それでもこの国はいいよ」と伝えていこうと考えています。
また、当記事で話す内容は「そういう店員が多い」というだけであり、全員がそうだと言っているわけではありません。
後述しますが、我々ジョージア語を喋れない外国人に不便がないようにいろいろしてくれる人もいます。
そして、当記事は「ジョージアの接客は質が悪い!改めるべきだ!日本人様を見習うがよい!!」などという上から目線で他国の文化や習慣などを変えさせようという意図もありません。
ただ「日本で育った人にはここが合わなくて嫌な思いをするかもね。もしそれが我慢できないほど嫌ならジョージアに来るのは諦めた方がいいかもよ」と言いたいだけです。
当然ですが、当記事の内容は「ジョージア人が日本人(アジア人)を差別した」という意味でもありません。
私が外国人(アジア人・日本人)だからおかしな接客をしたのではなく、現地人の客に対しても同じ接客をしています。
なんでもかんでも差別認定して被害者ぶるつもりはありません。
※「ジョージアには差別がない」という意味ではありません。当記事に書かれている接客内容においては店員に差別意図がないことが多いと言っているだけです
※※当然ながら差別意図を持っている人もいます。どちらか一方しかいないとは言っていません
前置きが長くなりました。
ここから本題です。
笑顔を見せない
ジョージアに限らず、旧ソ連圏の多くの国では接客時に笑顔を見せない店員が多いです。
現地の言葉がわからないと「突然怒られた」と感じてしまうかもしれません。
「旧ソ連圏は笑顔をあまり見せない」というルールを知っていても、日本の接客に慣れていると地味に辛いです。
作業が雑(ざつ)
商品を丁寧に扱わない店員がいます。
スーパーで(梱包された)食品を地べたに転がしたまま並べ直している店員もいますし、精密機器を放り投げる店員もいます。
上記の「笑顔を見せない」と合わせると、不機嫌そうに見えます。
レジや総菜コーナーに人がいないときなどは、声をかけても不貞腐れたように向かうことがあるので慣れるまではこちらもイライラします。
※不貞腐れたように見えるだけで、本当に不愉快なわけではないようです
手が空いたら休憩する
※ここからは日本に慣れた人でも「あれ、こっちのほうがいいかも?」と思うかもしれない内容です
日本では「労働時間中はたとえバイトでも自分でやるべきことを見つけて常に動き続ける」というのが当たり前ですよね。
しかしジョージアではやることがなくなったら当然のように休憩します。
レストランなどは客がいなかったらウェイター・ウェイトレスは外でタバコを吸ったり、スマホを弄ったりします。
日本でもこっそりサボる人はいますが、ジョージアでは休憩している姿を客に見られても気にしていません。
むしろ客であるこちら側が「営業中なの?」と聞かないと気付いてくれないことまであります。
経営者目線で考えるなら「賃金を払っているのだからサボるな」と感じますね。
自分が店員だったとしたら「やることがないなら休んでもいいじゃないか」とも思います。
客としてその場に遭遇した場合は「休んでもいいけど気付いたらメニューくらいは持ってきてほしい」と思います。
レジの店員が座っている
レジといえば、ずっと立ちっぱなしの仕事のイメージがありますよね。
しかし、ジョージアでは普通に座ります。
椅子を持ち込んで座ったままレジ打ちをする人もいますし、立ったり座ったりを気分で変えている人もいます。
日本では客が「店員が座るとは何事か!」と怒ることもありますよね。
※私も学生のころコンビニバイトで客に言われたことがあります
ジョージアでは立っていなければならないというルールがありません。
よく考えれば当たり前ですよね。
立っていることでレジ打ちが早くなったり値段が安くなるのなら立っていて欲しいですが、むしろ立ちっぱなしなら疲れてレジ打ちが遅くなったり釣銭を間違えたりしそうです。
個人的には店員が座っていいというルールは理にかなっていると感じています。
おもてなしの心を持つ店員もいる
上記のような「日本では考えられない行動」を取る店員は多いですが、逆に客に対して不便がないように気を配る店員もいます。
特に私たちのようなアジア人は一目見て外国人であることがわかるため、「言葉(文字)がわからなくて困っていないか?」と声をかけてくれたり、「何か探しているの?」と一緒に探してくれることもあります。
※声をかけるだけかけて探しもせず「うちにはないわ」と切り捨てる店員もいます
一番驚くのは、コンビニエンスストアで「大丈夫?何か探し物?カゴ使う?」と店員が近寄ってくることがあることです。
百貨店のようなちょっとお高めなお店ならまだしも、コンビニでそこまでしてくれるのは日本でも滅多にありませんよね。
「おもてなし」は強制したら奴隷制度になるのでは
おもてなしの心を持っている店員とそうでない店員がいる(さらにその日の気分で持っていたり持っていなかったりする)ジョージアという国に長期で滞在したことで、「おもてなし」は全ての店員が強制されるべきではないと思うようになりました。
「おもてなし」は過剰接客になりがちです。
客はうれしいですが、店員の立場になれば給料以上の働きになりがちです。
「客は神様で会社は生殺与奪の権利を持ち雇われている社員は両方の要求を飲まなくてはならない」というような働き方はよくないですよね。
「おもてなし」はオマケであり、本来のサービスではないはずです。
客側としても、やってくれたら感謝の気持ちを伝え、やってくれなくても不快になることなく「それが当たり前」だと感じられるようになりたいですね。
最後に
ジョージア(グルジア)の接客態度について紹介しました。
旧ソ連圏の雰囲気に慣れていないと、店員に不愉快な思いをさせられるかもしれません。
これについては慣れるしかありません。
日本レベルの過剰になりがちなサービスを要求するにはジョージアの店員たちの給料は低すぎます。
なお、繰り返しますが店員の態度が悪く見える接客のほとんどはアジア人・日本人への差別ではありません。
怒鳴っているように見えるのは、ジョージア語やロシア語の発音方法に起因している場合が多いです。
もちろん、「全員が微塵も差別意識がない」とは言っていません。
店員も人です。
ジョージアは小国ですが、それでも400万人の人が住んでいます。
それだけたくさんの人がいれば、クレイジーな人もいます。
※ジョージア=クレイジーという意味ではありません。日本にだってクレイジーな人はいますが、それをもって日本=クレイジーだと言えないのと同じことです