日本では「新型コロナウイルス発生により海外で日本人差別・アジア人差別が急増した」というニュースが盛んに報道されていますね。
実際、海外の一部のクレイジーな人たちは新型コロナという大義名分を得て、大喜びでアジア人・日本人をバカにしています。
ただ、「一部」であることを忘れないでください。
日本のマスコミはまるで世界中でアジア人差別・日本人差別が大量発生しているかのように報道しています。
いつもなら「過剰報道www」とマスゴミをバカにする人も、「海外で差別がある」ということを信じたいがために一部分だけを切り取ったいつものマスゴミ報道を真に受けています。
信じたいものを信じるのではなく、正しい情報を受け取って自分で判断してください。
なお、当記事では数値に関して以下の公的情報を引用しています。
https://www.mofa.go.jp/
https://statistics.jnto.go.jp/
「日本政府は信じられない!日本政府の統計は操作されている!!」と考えている方はそもそも当サイトのような専門家ですらない一個人のホームページに何の意味も見いだせないでしょう。
私は公的機関の発表すら信じられない方と議論するためのデータを持っていませんのでコメント欄やメールでお怒りの主張はしていただかなくて結構です。
目次
実際の海外での日本人の犯罪被害数
日本人が海外でなんらかの事件に巻き込まれた数は、4992人です。
すごい数ですね。
「ほら見ろ、海外で日本人が差別されているじゃないか!!」と思う方、ちょっと待ってください。
この件数は、平成30年のものです。
つまり新型コロナウイルス発生前のものです。
世界中に蔓延した2020年の統計では、日本人が被害に遭ったのは1446人です。
1/3以下です。
当項目の数字は「外務省HPhttps://www.mofa.go.jp/」から引用しています。
「あ、減ってるんだ?」と結論付けるのもまだ早い
「1/3以下」と言われて「あ、減ってるんだ、日本人差別は少なくなってるんだ」と納得しかけた方もちょっと待ってください。
上記の統計は「何人が海外にいたか」が含まれていません。
件数はいわゆる「絶対数(絶対値)」、そして何人中何人が被害にあったかは「相対数(相対値)」です。
当然ながら2020年は観光目的で海外に行った人は大幅に減りました。
2020年に海外に出国した日本人の数は3,174,219人で、2019年の20,080,669人と比較すると84%減となっています。
ちなみに外務省によると、旅行者ではない「永住者」および「長期滞在者」の数は135.7万人で前年比3.73%減だそうです。
当項目の数字は「日本の観光統計データhttps://statistics.jnto.go.jp/)」から引用しています。
差別に起因する事件数の公的データは存在しない
上記のデータは「日本人が海外で巻き込まれた事件・事故の数」と「日本人が海外に出国した数」です。
当然ながら、海外で事件に巻き込まれたからといってその全ての原因が差別によるものとはなりません。
「海外で差別された日本人の数」について、公的機関による統計情報は存在しません。
なぜなら、「何をもって差別とするか」の定義が人によって違うからです。
もちろん「あいつは日本人だから殴った」と加害者が語っているのなら差別でしょう。
ですが世の中には「突然ニーハオと言われただけ」で差別だと騒ぐ人もいます。
※海外にいるアジア人で最も多いのは中国人なので、最も通じる可能性が高いのも中国語です。
また「カフェでテラスに案内してくれなかった」「自分より後に頼んだ白人風の客に先に料理が運ばれてきた」などを差別だと主張する人までいます。
※テラスは最優先で案内すべき場所ではなく、要求していないのならどこに案内されるかはお店の都合によります。また、料理の種類によって調理時間が違うので注文の順番と配膳の順番は前後することがあります。
私は「脳内お花畑」かつ「何か問題が起きたら自分が悪いと思ってしまう自分に自信がない自虐的な人」なので、「ヘイ、ジャpp!ゴーホームチャイネ!!」と言いながら中指でも立ててくれないと差別だと気付けません。
※センシティブな用語と取られる可能性があるので意図的に誤字をしています
私は今例に挙げた内容を「差別かどうか」決めたいわけではありません。
「人によってそれを差別だと思ったり思わなかったりするため、正確な統計は出せない」と主張したいだけです。
ニュース(笑)に煽る内容が多い理由
そもそもニュース(ワイドショー??)ではセンセーショナルな内容が求められるため、「海外で差別があった!!」というネタは特に2020年からの状況では「入れ食い状態の記事」です。
その一方、「こんな状況だけど海外で平和に何事もなく暮らしています」という記事は需要が少ないです。
※「すごく親切にしてくれました!」なら記事になるかもしれませんが、いい意味でも悪い意味でも特別扱いされない平穏な日々はほとんど需要がありません
これは新聞社などのマスコミだけが悪い事ではありません。
ニュースもワイドショーもネットの記事も、需要があるからネタになるんです。
常に収益を上げ続けなければならない企業が望んでいる記事を書くのは当たり前の話です。
真実のみを一切煽らず淡々と書き連ねる記事だけが読まれるような世界になったら自然と偏向報道・過剰報道はなくなります。
が、残念ながらそれは(日本に限らずどの世界でも)無理です。
差別をしない外国人たち
私はお金だけが目的で当ブログを運営しているわけではないので、需要がないことも書きます。
ということで「差別をしない外国人もいるよ」という話をします。
私は新型コロナウイルス発生前からジョージアという国に住んでいますが、発生後の約2年間で差別らしい差別はほとんど受けませんでした。
※ゼロとは言っていません
アパートのオーナーは時々ロシア語の先生として会話に付き合ってくれたりしますし、行きつけのスーパーではスタッフたちが「これも美味しいよ」と色々オススメしてくれます(ただの営業です)。
緊急事態宣言が発令された際には店舗への入場制限がありました。
それを知らないで勝手に入ろうとしたら閉め出されましたが、外で並んでいるお客さんがルールを教えてくれました。
感染が収まりかけていた頃に地方に旅行したこともありますが、こちらから挨拶をすればほとんどの人が返事をしてくれました。
※こちらが(下手くそな)ジョージア語で挨拶をするとほとんどの人が笑顔になります
レストランなどではカタコトのロシア語で注文をすると、驚いた表情や笑顔を浮かべてフレンドリーな対応をしてくれます。
私が住んでいるジョージアという国は、差別をしない人もたくさんいます。
もちろん、ゼロではありません。
私はほとんど遭遇していませんが、ネット上では「ジョージアで差別を受けた」という被害報告がありますし、当サイトにもコメントやメール等で教えてくれる方がいます。
※私が言いたいのは「ゼロでも百でもない」ということです。
最後に
昨今の「海外は差別が横行している」という過剰報道やそれを信じる方々と違う考えを紹介しました。
私は「自分の考えこそが正しい。お前らは間違っている」とは言いません。
偶然私の周囲の人たちが特別な人の可能性もありますし、私自身が差別を理解できていないだけなのかもしれません。
ただ、「行ったこともないくせに一部分だけ切り取られた過激な報道を見て、それがすべてだと思い込む」のが本当に正しいのか、ちょっとだけ考えてみて欲しいとは思います。
確かに海外の一部の人はあの感染症をアジア人のせいだと思っているクレイジーな感情を隠さないことがありますし、それを大義名分だと勘違いして意味もなく蔑視する人もいます。
ですが全ての外国人がそうだというわけではありません。
もちろん全ての外国人にアジア人を見下すDNAが組み込まれているなんてこともありません。
そもそも一番差別が過激だったとされている2020年であっても海外にいる日本人のうち何らかの事件に巻き込まれた数は0.4%程度です。
ほとんどの海外にいる日本人は事件に巻き込まれていません。
「99%以上の日本人は海外に行ってもなんの事件にも巻き込まれずに帰ってくる」という事実は「海外は差別が横行している!!」と主張するには少し無理がある確率ではないでしょうか。
※事件扱いにならない差別に関しては、上述の通り公的統計がないので語ることができませんが、実際に海外にいる私の体感として、道端で次々と差別的な態度を取られるなど「ひっきりなしに差別を受ける」ということはあり得ないと感じます