コーカサス地方のジョージア。
その首都であるトビリシで月1万円の語学学校に通いました。
1か月のプライベートレッスンでどう変化したのかを紹介しますので、ロシア語を学ぼうと思っている方は参考にしてください。
これまでの各回の体験談はコチラからどうぞ。
通っていたのは2020年1月から2月です。
その後も継続して通う予定でしたが、世界的に流行した感染症のせいで休校となってしまいました。
目次
ロシア語は喋れるようになった?
残念ながら喋れる状況までは辿り着けませんでした。
ご存知の通り、ロシア語は日本人にとってはトップクラスの難易度を誇る外国語です。
語尾変化が多く、名詞に性別が存在し、動詞や形容詞はその性別によって変化します。
これを1か月8コマでペラペラに喋れるようになるというのはさすがに無理がありました。
じゃあ何ができたの?無意味だった?
もちろん無意味ではありません。
あきらかに成長しました。
キリル文字を発音することに苦労しなくなった
私は元々キリル文字(ロシア語アルファベット)をある程度発音はできていました。
ですが似た音や似た文字の区別が正確ではありませんでした。
1か月間(のうち8回各1時間)ネイティブスピーカーにロシア語に発音を矯正してもらったことでかなり自由に発音できるようになりました。
※発音に重点を置いていないため、ある程度「外国人訛り」はあります
動詞を予想できるようになった
初見のロシア語文章を見て、どれが動詞か判別できるようになりました。
文章内の動詞がわかれば、その前にあるのが主語である可能性が高いです。
主語と動詞がわかればほとんどの文章は意味が予想できます。
ロシア語で訊ねられるようになった
単純なYES/NOの疑問文のほかに、いわゆる5W1Hの疑問詞を覚えたことで質問の幅が広がりました。
私はふだんロシア語圏の国にいるため、自分から質問できるようになったことで日常生活でのロシア語話者との会話の幅が広がりました。
それにより、知らない名詞を教わる機会が増えています。
ロシア語は勉強しやすい?それとも難しい?
まだ初心者が初級者になった程度なのでなんとも言えませんが、「ロシア語は世界一難しい」という先入観は間違いだったと言えます。
私は大学時代に「中国語(北京語)」「韓国語」「フランス語」「ドイツ語」をそれぞれ1年ずつ勉強していますが、それらと比べて特別難しいとは感じませんでした。
これらの言語で最も難しいのは中国語だと思います。
漢字だらけな上、声調も厄介です。
そして、この世で最も難しい言語はやはり日本語です。
ひらがな・かたかな・漢字という3種類の文字に加え、漢字は同じ文字でも読み方が違います。
「発音はそのまま」と言われる日本語ですが、「案内」と「案外」の「ん」は違う発音です。
これは我々日本人は当然のように区別して発音していますが、文法的ルールで説明するのは難しいです。
さらに日本語は単語間にスペースがないので「ひらがなのれんぞくではいみがわかりにくくなります」。
日本語は動詞だけでなく形容動詞・助動詞が変化します。
超頻出動詞である「来る」という単語は「か行変格活用」というこの語にしかない特別な語尾変化をします。
さらに口語では主語を省いて話すことがあり、自分のことを「お父さん」と呼んだり、見ず知らずの中年男性を「パパ」と呼ぶこともあるようです。
ロシア語などよりも日本語のほうが圧倒的に難しいです。
だからロシア語が簡単に覚えられるかと言うと、それはそれで別の話ですが(笑)
トビリシでのプライベートレッスンはいい?悪い?
時間がある方にはおすすめできます。
月8コマしかないのでどうしても習熟スピードは遅くなります。
※もちろん倍のお金を払えば倍の時間授業を受けることができます。
ロシア語圏でビジネスをするために習得したいのであれば、ジョージアまで来る費用や時間を考えたら効率的とは言えません。
私のような外こもり/海外ノマドがロシア語圏に行く前にゆっくり習得するというケースならば強くおすすめできます。
欠点
ジョージアでの格安語学学校の最大の欠点は「英語を使ってレッスンをする」という点です。
ジョージアに限らず、海外での語学学校のほとんどは講師が日本語を使えません。
そのため、英語が日常会話以下だと序盤にかなり苦労します。
ある程度喋れる人でも、語学学習特有の英単語を覚えておかないと苦しいでしょう。
私は辛うじて英検3級に受かるレベルなので、初回の講義では絶望と後悔が押し寄せました。
※英検3級=中学校卒業レベル
ただし、慣れます。
私は計8回のプライベートレッスンを受けましたが、3回目あたりで英語での授業に対する心の障壁はなくなりました。
これは「英語が完璧に理解できるようになった」という意味ではありません。
慣れると重要な単語を拾って聞けるようになり、わからないことを質問する気力が湧いてきます。
英語のテキストではなく英語を喋る生身の人間が相手なので、わからない点があったらわかるまで何度も繰り返し質問することができます。
特にプライベートレッスンの場合、講義がストップしても困る人は誰もいません。
最後に
ということで1か月に渡りロシア語の語学学校に通った感想をまとめました。
日本でロシア語のテキストを広げて独学したり、ネイティブではないロシア語の先生のもとで学ぶよりもずっと効率よく学ぶことができました。
残念ながら1か月で喋れるレベルまではいきませんが、疑問文を覚えたことで現地でロシア語で質問することはできるようになりました。
ジョージアの母国語はジョージア語ですが、旧ソ連圏ということもありロシア語話者も多いです。
そしてジョージアは日本人に好意的な人が多いので、ロシア語で喋ろうとすると喜んで教えてくれる人がたくさんいます。
まずは語学学校で基礎を学び、ある程度上達したらあとは一般の人と仲良くなってロシア語を話すのが上達の近道だとおもいます。
なお、私はプライベートレッスンを1か月延長しました。
2020年2月現在、まだコロナウイルスは収束する様子がありません。
ジョージア国内に感染者はいないものの、飛行機に乗って移動するのはリスクがあると感じます。
そのため、少なくとも感染者が減少に転じるまではジョージアに滞在します。
プライベートレッスンもさらに何度か延長するかもしれません。
【追記】
2020年5月現在、ジョージアでも感染者が500人を越え緊急事態宣言が行われました。
【追記】7月には100人を切るほど減りましたが、その後1か月で増え始め8月1日時点で200人程の感染確認者がいます
また、語学学校は2月中旬に休校になって以来再開の目途は立っていません。
ちなみにジョージアではスーパー・コンビニ・薬局・病院以外のほぼすべての経済活動が停止しました。
一時期はタクシーどころか自家用車の利用すら禁止となるなどかなり徹底していました。
非常事態宣言は解除され、町には活気が、道には車が溢れています。
それでも公共交通機関と屋内店舗でのマスクは義務付けられており、入店時に体温を計るショップも多いです。
出入国は制限されており、海外からの旅行者はほとんどいません。
【追記】
2020年9月から10月にかけて、ジョージア国内でも新規感染発覚者が爆発的に増えています。
10月中旬には1日あたり1000人近くまで増え始め、それに伴って死者も100人を超えました。
レストランなどは夜間の営業が禁止され始めました。
ジョージアは今から「第一波」のようです。