トルコの隣の国、ジョージア。
「グルジアと呼ばれていた国です」と説明しても、「ぐる・・・じあ・・・?」と返ってくるような知名度の低い国です。
2019年までは外こもり・世界一周バックパッカーなどの間で有名で、さらにSNSのいんふるえんさぁが目を付けて盛り上がりかけました。
直後に発生した例のアレにより海外旅行が事実上不可能となったため一気に鎮静化しましたが、水面下では「収束したら物価の安い国でゆっくりしたい」と考えている人も多いようです。
ジョージアは東南アジア並みに物価が安く長期滞在が可能な外こもりに最適な国です。
ただ、いんふるえんさぁが語るような「超親日の最高の国」ではありません。
親日の人もそうでない人もいます。
勘違いしないでいただきたいですが、私はジョージアが大好きです。
大好きですが、嫌な事・不愉快な事はあります。
ジョージアは理想郷でも桃源郷でもガンダーラでもありません。
いんふるえんさぁの過剰な宣伝を信じてやってきた人たちが「思ったのと違う!」となってジョージアを嫌いになるのではなく、最初からデメリットを伝えた上で「それでもジョージアはいいところだ」と思っていただきたいと考えています。
不愉快でウザい人たち
ジョージアは日本とは違います。
「そんなこと当たり前じゃん」と言いたくなるかもしれませんが、自分のことになると忘れてしまう人が多いです。
ジョージア人と日本人は考え方が違いますし、行動も習慣も違います。
そのため、日本人の感覚では迷惑行為に該当するようなありえないことにもよく遭遇します。
たとえば、以下のような出来事は日常茶飯事です
※もちろん「一部の人」の話です。全ジョージア人がこういう人ではありません
・徒歩で信号待ちしていると自分の前に割り込んでくる
・自分が歩道のギリギリに立って待っていると車道にはみ出してまで前に割り込んでくる
・歩道を歩いていると、反対側から歩いてくる人があきらかに一度目が合ったにもかかわらずよけずにぶつかってくる
・店員に探し物を訊ねると「アァン?」と不機嫌そうな顔で言ってくる
・列に並ぶと言う概念が希薄
・奇跡的に列が形成されていても、前の人との間に10cmでも隙間があればそこに入ろうとする(ジョージアでもスーパーなどでは2mの間隔を開けるように要請がされています)
・ノックが乱打(初回から5~6回。2回はトイレノックだから失礼とかのレベルではない)
あー、差別多いんだねー
上記の例を見て、「ああ、外国は差別が多いんだね」と判断するのはちょっと待ってください。
これらの行動はアジア人差別・日本人差別ではありません。
なぜなら、現地の人同士でもやりあっているからです。
私たち日本人の感覚では不愉快に思うような行動ですが、彼らは「アジア人だから」「日本人だから」という理由で相手に不快感を与えるためにやっているわけではないんです。
「嫌がらせ」ですらありません。
現地ではそれが当たり前になっているので「それがなぜ不快なのか」という想像すらできていません。
日本人(の一部)が「接客業をするならお客様の言うことは絶対!」と考えていることを外国人が奇妙に思うことと同じです。
嫌なら出てけ
これは「この国の常識」であり、仕方がないことです。
これをどうしても許せないのなら、我々外国人側がジョージアを去るべきです。
勝手にやってきて、勝手に他国の常識を押し付けて、現地の人の行動を変えようとするのはおかしいです。
現地の人からしたら「お金持ち日本人様がやってきて蹂躙している」と映ります。
これって日本でも散々嫌がられている「上級国民様と政治家先生による自分に都合のいいルール作り」や「あの国から集団でやってきて自分たちのルールで好き勝手している」のようなものじゃないですか。
※私はどの国か明言していません。あなたの頭の中に浮かんでいる国と私が思い浮かべている国は異なる可能性があります
不愉快な思いを可能な限り少なくする方法
歩道関連は「目を合わせてこちらから挨拶する」という方法で大半の不快感は払拭できます。
トビリシなど大都市(?)の街中では難しいですが、観光地であれば目を合わせて「ハァイ」とでも言っておけばぶつかってくることはないですし、ど真ん中に突っ立っている人もさすがにちょっと空けてくれます。
横断歩道やスーパーの列に関しては、諦めましょう。
一回の列で割り込んでくるのは一人か二人程度です。
正直、言い争うほうがストレスが増えます。
一人割り込まれた程度ではたいした時間をロスするわけではありません。
スマホでも弄ってのんびりいきましょう。
ジョージア滞在を快適にする秘策
上記のような細かいテクニック(?)とは別に、ほとんどのジョージア人が友好的に変化する秘策を紹介します。
それは「ジョージア語・ロシア語で話す」です。
カタコトでいいです。
ジョージアは観光大国ですが、観光に来る人たちのほとんどが英語で何とかしようとしています。
ジョージア人も英語を喋れる人が増えてはいるものの、彼らにとって英語はネイティブではない外国語です。
そんな英語でなんとかしようとする外国人ばかりの中で下手くそながらも現地の言葉を使っていれば、「お、こいつは俺たちの国に溶け込もうとしているぞ」と思ってもらえます。
日本でも下手くそな日本語で「アリガト」「コンチニワ」とか言っている外国人に好感を持つ人が多いですよね。
ジョージアでも同じです。
ちなみに、ジョージア語・ロシア語ともに日常会話をできるようになるには年単位の時間がかかります。
会話ができるレベルでない「単語の羅列」程度でも現地の人たちの反応は好意的になります。
もちろん「これしか単語を知らない」ではなく「勉強してるんだけど難しいよ」という「自分なりにがんばってんすよ」感は出していきましょう。
最後に
ジョージアは旧ソ連圏だからなのか、自分のことを最優先にする行動指針を持つ人が多いです。
日本ではありえない行動も多く、日本に慣れ親しんだ私たちは不愉快な思いをすることもあるでしょう。
ですが、「差別された」と騒がないでください。
彼ら彼女らは私たちが日本人だから嫌がらせをしたわけではありません。
ただそういう人たちなだけです。
とはいえ、不愉快であることには変わりがありません。
できるだけそういう状況に近づかないか、そのいう事態が起こる前にこちらから相手にアクションをするといった行動が有効です。
ちなみに、酔っ払いや不良集団相手でもこちらが先にアクションをすると嫌がらせを受ける可能性が極端に減ります。
日本からの旅行者はどこか「お客様感覚」を持っている人が多いように見えます。
「国民総出でゲストをおもてなしするのは当然」というような態度では現地の人も不愉快に思ってしまいます。
他国に来たのなら、可能な範囲でいいのでその国に敬意と好意を示しましょう。
不愉快な思いをしたらその国自体を嫌いになってしまうかもしれませんが、それを隠さず不機嫌に歩いていれば現地の人たちもあなたのことをよく思いません。
その結果、さらに余計に不快な思いをするという負のスパイラルに陥ってしまいます。
海外では「異分子」である私たち側が先に歩み寄る必要があると私は感じます。
※強制ではありません。私の個人的な意見です