バトゥミはジョージアの港町ですが、首都・トビリシからかなり離れていることもあり、あまり見かけないメニューが存在します。
それはアジャルリ地方の郷土料理です。
その中から「これは!」というものを紹介しますのでご覧ください。
本文に記載されている値段は2021年12月時点のものです。
ジョージアの物価は変動しやすいため、当記事に記載されている値段はあくまで参考値としてお考えください。
目次
バトゥミで食べたいオススメ郷土料理
バトゥミはアジャルリ地方の中心都市です。
ジョージアに長期滞在している人であれば、「アジャルリ」と言われて即座に舟型のハチャプリを思い浮かべるでしょう。
もちろんあの「アジャルリ・ハチャプリ」はアジャルリ地方の名物です。
他にもバトゥミでよく見かける料理がたくさんありますので紹介します。
アジャルリ・ハチャプリ
何はともあれ、とりあえずまずはこれからでしょう。
多くの日本人の「ハチャプリ」のイメージはこのアジャルリ・ハチャプリのはずです。
他のハチャプリとの違いは、中心にチーズと卵の池があるという点。
他のハチャプリは「チーズピザ」と形容されますが、アジャルリ・ハチャプリはほぼ別物です。
ちなみにトビリシなどではアジャルリ・ハチャプリは他のハチャプリより高めの設定ですが、バトゥミではむしろアジャルリ・ハチャプリが一番安いです。
相場としては8GELから10GEL前後です。
ぜひ本場のアジャルリ・ハチャプリを試してみてください。
ボヴァリー夫人
フランスの小説「ボヴァリー夫人」の名前を冠した料理です。
ざっくり言えばポテトグラタンです。
ポテト、キノコ、鶏肉に大量のチーズを乗せた料理で、特に冬にバトゥミに来たのなら絶対に食べて欲しい料理の一つ。
現地人からは「小説を読んでから食べるといいよ」とオススメされます。
クブダリ
正確にはアジャルリ地方ではなくその北のスヴァネティ地方(メスティアやウシュグリ村のある地域)の郷土料理です。
丸くて薄いパンの中に肉と玉ねぎが入っており、焼きたてのものは肉汁があふれ出ます。
丸いハチャプリの肉バージョンと表現すれば伝わるでしょうか。
絶品です。
もしメスティア・ウシュグリ村に行く予定があるのならそこで食べて欲しいですが、トビリシではレアな料理ということは覚えておきましょう。
ハッシ
何かに似た字面ですが、健全なスープです。
「二日酔いの朝に飲むスープ」などと呼ばれており、味が濃く油やチーズでこってりしたジョージア料理とはやや趣が違います。
冬の寒い日はこれか上記のボヴァリー夫人の二択になるでしょう。
キングハチャプリ/ロイヤルハチャプリ
キングは王。
ハチャプリの王様らしく、えげつないほどのチーズで彩られたハチャプリです。
インパクトがすごいのでぜひ一度挑戦してみてください。
ただ、美味しいですが一人で食べるにはクドいかもしれません。
複数人でシェアするか、持ち帰るようにしましょう。
ちなみに、レストランによって名前が違うことがあります。
キングハチャプリ
ロイヤルハチャプリ
ツァーリハチャプリ
などが多いようです。
ちなみにツァーリはロシア語で皇帝の意味です。
優先度が低いかもしれないアジャルリ料理
美味しいか美味しくないかは個人の好みによるので「マズい料理」を紹介はしません。
ここからは「私の好みにはあわなかったのでオススメしにくいアジャルリ料理」を紹介します。
試すのであれば、複数人でシェアすることを強くオススメします。
シノリ
日本語で調べても情報がほとんどないシノリ。
ヒンカリや餃子の皮のようなものを薄くロールしたものにチーズを混ぜた料理です。
この説明ではイマイチ想像がつかないと思いますが、実物を食べるとこの説明通りであることがわかります。
個人的には、「味が薄い割にはチーズでクドい」というイメージを持ちました。
比較的リーズナブル(相場は8GELから12GEL)なのでとりあえず試してみてもいいかもしれませんが、もしバトゥミに滞在する日数が少ないのなら他の物を先に試すべきだと思います。
焼きヒンカリ
※焼きヒンカリはアジャルリ料理ではなくトビリシを含む全土で食べることができます(が、提供するレストランそのものは限られています)
ジョージアの名物・ヒンカリは茹でるのが基本です。
ですが極まれに焼いたヒンカリを提供してくれるお店があります。
ちなみに焼きヒンカリはロシア語では「жаренные хинкали」です。
前半のжаренные(ジャレニエ)が焼いた/揚げたという形容詞で、後半のхинкалиはヒンカリと読みます。
画像の焼きヒンカリの中央にあるソースは醤油です。
外見は焼き小籠包のようで見るからに美味しそうです。
が、おそらくあなたの想像は裏切られます。
問題は3つあります。
一つ目の問題点はヒンカリは小籠包や餃子と違って皮が厚いという点です。
焼きヒンカリ用に薄い皮で作っているレストランならアリかもしれませんが、私が試したお店では茹でるヒンカリと厚みが変わりませんでした。
その結果、皮そのものが「外はカリカリ、中はモチモチ」になっています。
この表現は「美味しい物」を表すことが多いですが、皮だけがそれというのは正直イマイチでした。
二つ目は「肉汁が飛んでしまう」点です。
ヒンカリの魅力の一つにあふれ出る肉汁を上げる人は多いですが、焼きヒンカリにはその肉汁がありません。
もちろん餡(肉)そのものはちゃんと美味しいですが、通常のヒンカリの肉汁を好む人には物足りないでしょう。
そして最後、三つ目の問題点が値段です。
焼きヒンカリは一般的なヒンカリの倍近い値段設定のレストランが多いです。
通常のヒンカリは1個1GEL(35円)程度なので倍になってもたかが知れてるとも言えますが、「じゃあ倍の値段の美味しさか?」となると首をひねらざるを得ません。
私が順位を付けるのなら以下のようになります。
通常ヒンカリ・キノコ
通常ヒンカリ・ビーフ
通常ヒンカリ・マトン
通常ヒンカリ・ポーク
通常ヒンカリ・チーズ
焼きヒンカリ
もちろんこれは私の好みが反映されているので人によって違うでしょうし、お店によっては至高の焼きヒンカリを提供してくれるかもしれません。
あくまで私個人の意見であることに注意してください。
最後に
ということで、バトゥミを中心としたアジャルリ地方の郷土料理のオススメを紹介しました。
とりあえず「アジャルリ・ハチャプリ」を食べずにジョージアを去ることはできません。
キングハチャプリのインパクトも一度は経験して欲しいと思います。
そして寒い時期ならばボヴァリー夫人やハッシもぜひ試してほしいです。
ジョージアのレストラン(特に大衆食堂)は、お店によって味付けがちょっとずつ違います。
そのほとんどが美味しいので「どれが一番か」は本人の好みの問題になるでしょう。
バトゥミに滞在する際はぜひ自分の足で、自分の舌で、お気に入りの料理・レストランを見つけてください。