多くの人が予想していなかったロシアの愚行。
これによりウクライナが大打撃を受けています。
ウクライナは侵略を受けている最中に突如EUへの加盟申請書を送ったことを公表したり、この惨状の原因は西側諸国のせいだと言い出したりと、(日本人の感覚では)ややおかしなことになっていますね。
そんな中、ジョージアとモルドバがこの混乱に乗じてEUへの加盟申請をすると言い出しました。
そもそもウクライナ自体も「EUへの加盟は少なくとも今の状況が収まってから」と言われて棚上げされており、ジョージアやモルドバに関しては「なぜ今?」という驚きが隠せません。
ロシアからすれば挑発行為にも見えるそんな行為をしているジョージアは今どうなっているのでしょうか。
2022年3月上旬時点での様子をレポートします。
なお、私が住んでいるのはジョージアの西の港町・バトゥミです。
黒海に面する街で、黒海の先にはウクライナのクリミア半島やオデッサがあります。
※距離としては700km近くあります
状況は変化します。
当記事の内容は未来永劫これを保証するものではありません。
目次
バトゥミの街中の様子
ロシアの愚行がニュースとして報道された直後から、街にはウクライナの国旗が掲揚されたり、ウクライナカラーである青と黄色を使った展示が増えています。
たとえば衣類を扱うお店では青いジャケットと黄色いシャツを組み合わせてマネキンに着せていますし、飲食店などではドアを青に塗って黄色いリボンを結んだりもしています。
壁のラクガキにもウクライナの国旗やシンボルが描かれています。
生活は変わったか?
大きな変化はありません。
労働者はいつも通り働いていますし、バスも通常通り走っています。
タクシーの運転手はいつも通り暇そうに客引きをしていますし、レストラン・薬局・食料品店など(少なくとも私が利用する)店舗は通常通り営業しています。
クレカ・銀行口座
私自身は直接確認できていませんが、ロシア系のクレカやキャッシュカード・デビットカードは使えなくなっているそうです。
「ジョージアはロシアへの悪感情がある」と報道されることが多いですが、実際にはジョージアにはかなりのロシア人が住んでいます。
しかもその中には国籍がロシアのままで、いわゆる「ビザラン」を繰り返してジョージアに滞在している人もいます。
そういった人たちは手持ちの現金だけでなんとかしなくてはならずネット上などで助けを求めていたり、集団でロシアへ帰国しようとしているようでした。
日本のクレカ・銀行口座
私はジョージアの銀行口座のほかに日本のUFJ銀行のデビットカードを利用しています。
現金引き出し・デビットカードでの店舗支払いともに問題なく機能しています。
ジョージアは日本と「非非友好国」とのことなので日本のカードが不能になることはなさそうです。
リスクを考えると、数か月分の生活費くらいはジョージア国内の銀行に置いておいたほうがいいかもしれませんね。
食料品など
まず、レストランやスーパーの食料品には大きな変動は見られません。
お米やパスタ、小麦粉などを含め、買い占めなども発生しておらず質も大きな悪化は見られません。
※もちろん時期による変動はあります
小麦(パンの材料)
ジョージアはパンが主食です。
毎年80万トン近い小麦を消費しており、ジョージア国内では10%程度しか賄えておらず大半を輸入に頼っています。
さらにはその7割がロシアで、ウクライナからも輸入をしています。
とはいえ、十分な輸入量が確保できているとされており、「少なくとも2か月間は値上がりしない」と宣言されています。
アパートが値上がり傾向に
AirBnBを含めたアパート・マンションの賃貸料は値上がり傾向にあります。
もともと新型コロナウイルスによる観光客の減少で需要が減っていたために値下げ合戦が起きていた中で、ウクライナからの難民受け入れなどによる需要増から強気な値段設定をしているオーナーがいます。
※ウクライナ難民のために無料で宿を提供しているオーナーもいます
特にバトゥミに関しては、暖かくなってきたことで従来の観光としてもローシーズンを抜けたために値上がり幅が他の都市より大きく感じます。
私の住んでいた「3万円台のタワマン」は現在6万円に迫る金額になっています。
ウクライナ難民は?
国としても、AirBnBなどの民間企業としても、そして現地のジョージア人一人ひとりを見ても、難民を受け入れる構えを見せています。
ただ、私の行動エリア内では「見てわかるような」ウクライナ難民はいません。
空港で待っていれば見ることができるかもしれませんが、ジョージアはウクライナと陸路で繋がっているわけではなく、他国を経由せずに来るには空路か海路しかないため他の近隣国より来れる人が限られているのかもしれません。
最後に
ジョージア・バトゥミの様子でした。
現時点では特に混乱はありません。
もちろん多くの人はウクライナの無事を祈っており、難民の受け入れ予定もあるようです。
ただ、ポーランドやモルドバなど国境が陸路で接している国と異なり、移動方法が限られているためジョージアにはあまりウクライナ人は来ていないようです。
ちなみに、ジョージアはロシアから来る人に対しても門戸を開いており、直近では2.5万人近くがやってきたとのことです。