私は新型コロナウイルス発生よりずっと前から海外を拠点に生活をしています。
そんな私に対し「海外ではアジア人・日本人差別がすごいんでしょ?」という人たちがいます。
その根拠として「旅行中に差別にあった」というネットの情報を紹介してくれたりします。
私はそのたびに「そんな差別だらけではないし、ニーハオと言われただけで差別だと騒いでいる方がおかしい」と繰り返してきました。
ですが、最近気づきました。
日本の方々は、日本基準で考えているから些細な事を差別だと認定しているようです。
私が差別ではないと思っていることを、彼ら彼女らは差別だと思っているようです。
喜びを全身で表現しがちな外国人
全ての国がそうだとは言いませんし、全ての外国人がそうだとも言いませんが、一般的に海外のほうが日本人より感情を堂々と表現する人が多いです。
日本では喜びを口に出したり体で表現することを控えることが謙虚であり美徳であるとされている風潮がありますよね。
経済的に成功している人はお金持ちであることを隠すことが求められますし、外見が恵まれている人はドヤ顔をしただけで「いけ好かない奴」扱いされることがありますし、褒められたら必ず「そんなことないですよ」と言わなければなりません。
一方、海外では勝負に勝てば当然のようにはしゃぎますし、金があれば金があるなりの態度を取り、イケメンや美女は褒められたら謙遜せずにありがとうと言います。
※「全ての国の全国民が」という意味ではなくあくまで一部の国ではその比率が日本より高いという意味です
褒められても「そんなことないですよ」と強制する文化は海外ではあまり感じません。
この文化の差による謙遜しない姿が、日本人(の一部の人)には煽られていると感じるようです。
おもてなしが当たり前ではない海外の文化
店員がまるで奴隷かのようにかしずいて給料以上の過剰なサービスをするのも日本特有のものです。
過去に、ある芸能人がウクライナという国のイミグレで「笑顔も見せずブスっとした態度の職員がパスポートへのスタンプを強打しパスポートを投げて渡してきた」と怒っていたことがあります。
ウクライナでは割と日常的な風景です。
その芸能人は差別認定はしていませんでしたが、当時ヤフコメやTwitterなどでは「日本人差別だ」「アジア人差別だ」と盛り上がっていました。
もう一度言います。
ウクライナではそれが当たり前です。
パスポートだけでなくスーパーの釣銭も強打する人がいますし、そもそもウクライナを含めた旧ソ連圏の人たちは怒っていない時でさえ怒鳴るのがデフォルトの人がいます。
もちろん慣れていない初めてのイミグレでそんなことをされれば腹が立つのはわかります。
ただ、それはアジア人・日本人を差別したわけではないということは知って欲しいです。
知らない国で周囲を見渡す余裕がなかったり、腹を立てて視野が狭くなってしまっているのかもしれません。
でも深呼吸して他の人への接客を見てみてください。
強打したり仏頂面だったりすることがとても多いです。
そしてこれは店員が客に不満を持っているわけでもなく、当然ながら差別的意図のある行動でもありません。
要求を口に出さず汲み取ってもらおうとする日本人
上記は海外の人たちの言動です。
一方、海外旅行をする日本人にも全く問題がないかというとそうではありません。
私が特に気になっているのは、「レストランでテラスを案内してくれなかった。差別だ」とか「私より後に来た客の注文を先に取った。差別だ」というものです。
この2つはTwitterでよく見かけますし、実際に海外で知り合った日本人も口にします。
でも、よくよく話を聞いてみるとほとんどの人が自分から要求をしていないのです。
「テラス席に座ってもいい?」と聞いていないのにテラスに案内してもらえないというのはそれほど不思議ではないですよね。
メニューを見ながらわからない言葉で何やら話をしている外国人(海外では日本語を理解できる人はほとんどいません)と、「注文いいかい?」と声をかけてきた現地人がいた場合どちらに先に注文を聞くかなど考えたらわかるのではないでしょうか。
日本では客の大半が日本人なので日本人好みのサービスを(過剰に)してくれます。
ですが海外では日本人が何を好むのかなんて知りません。
「テラス席の方がいいに決まっている」と思っているなんてわかりません。
雑談しているのかメニューを話し合っているのかを判別できるほど日本語が堪能なウェイターはほとんどいません。
自分の要望を口にして「お前アジア人だろ?じゃ、ダメだ」と断られてから差別を言いだして欲しいです。
だからといって「つり目」や「中指」は容認してはいけない
海外と日本では文化が違うとはいえ、明確に「差別として世界的な共通認識がある行為」は話が別ですよね。
アジア人に対してのつり目や猿真似、黒人よりも黒くする黒塗りメイクなどは差別として世界中で知られている行為なので文化の違いを根拠にして擁護することはできません。
私は世界共通の差別行為にまで「それは差別じゃない」なんて言うつもりはありません。
なお、「日本人に向かってニーハオと言う」が差別だとするのは世界の共通認識でない上に「ただアジア人で最も話者が多い言語で挨拶しただけ」なのでそもそも差別ではないと私は感じます。
最後に
ということで、日本と海外の文化の違いによって日本人旅行者が差別だと感じるケースが多いのではないかと推測してみました。
もちろん、これは文化や差別を専門的に研究したわけではないただの一般人による感想なので「絶対に私が正しい」とは言いませんし、明確に悪意を持って差別をする人が全くいないとは言いません。
ですが、文化の違いや考え方の違いで差別に見えたり煽っているように見えたりすることは実際にあります。
特に短期旅行者のようなその国に数日しかいないような方は、その国の文化もその国の人の考え方も振る舞いも理解できていないでしょう。
そしてそれは相手からも同じです。
現地の人は日本人特有の思考も嗜好も知りません。
だから黙っていては日本人好みの行動は取ってもらえません。
黙っていて思っていたサービスを受けられなかったから差別だと相手を罵るのではなく、こちらの希望をきちんと伝えましょう。
上から目線で命令するのではなく、相手に敬意を払いながらこちらの望みを伝えてください。
相手の言動が嫌なら我慢せずに「それは私は好きではないからやめて」と伝えてください。
それで大半は解決します。
もちろん相手が悪意を持っていたらお願いしても解決しませんが、そもそも悪意を持っている人なんて本当に少ないです。
そもそも、現地の人たちはそこまで日本人旅行者に興味を持っていません。