ジョージア

ジョージア外こもり体験談 2022年の家賃高騰で月5万円生活ができなくなったが...

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ジョージアはトルコの東、ウクライナからは黒海に沿って南東側に位置する国です。

 

ちなみにジョージアとウクライナは国・国民ともに仲が良く、例のアレがなかった頃はジョージアに観光に来るウクライナ人が多かったです。

 

そんなジョージアは、ビザなしで1年滞在できたり、野菜・果物がドン引きするほど安かったりするので外こもりや海外ノマドに人気の国です。

 

2019年からの世界的な感染症で一時外国人が激減しましたが、2022年現在ヨーロッパ系の人々を中心に観光客が激増しています。

 

外こもり的には、3月から4月にかけて宿やアパートの値段が高騰して少し厄介なことになっています。

 

【追記】2023年4月現在、首都のトビリシやオフシーズンのはずのバトゥミでの家賃の高止まりが続いています。

 

 

 

ジョージア外こもり体験談の前提の話

 

私はジョージアに住んでいます。

 

2019年より前にやってきて、そのままジョージアにいます。

※一時帰国で1か月くらい日本に戻ったり、近所の国に旅行したことはあります

 

ジョージアで働いているのではなく、ネット経由で稼いでいます。

 

日本に向けて日本の物価で働くため、ジョージアのような物価の安い国では相対的に裕福になれます。

 

2022年から未曾有の円安が続いていますが、それでもなおジョージアの物価ではまだ裕福です。

 

 

私は日本にいる時もかなりの引きこもり体質でした。

 

サラリーマン時代はさすがに会社に行くために外に出ましたが、必要がなければ自室にいます。

 

それはジョージアに来ても変わらず、ネット経由で働いているため外出するのは食材を調達するためにスーパーに行くときくらいです。

※最近は外を歩くアプリで遊び始めたので毎日2時間くらいは外にいます

 

食事は基本自炊ですが、週1回程度ケンタッキーのチキンバーレル?を食べます。

 

趣味はイラストを描くことと動画を見る事、動画に関してはU-NEXTを契約しています。

 

お酒もたばこもしませんが、エナジードリンクは1日2本から3本飲みます。

 

※ジョージアのエナジードリンクは330ml缶が1本1GELから2GEL50円~100円前後です

 

 

というのが私のジョージアでの基本的な情報です。

 

 

家賃高騰

 

ジョージアは物価が安く、家賃に関しても(以前は)例外ではありませんでした。

 

完全な個室(ユニットバス・キッチンがついた1Rまたは1Kなど)アパートは3万円前後で借りることができました。

 

この金額は新型コロナウイルスで旅行者が激減した際にさらに下がっていましたが、国境が開放されはじめてから徐々に値上がり傾向にありました。

 

そして2022年3月、さらに値段が高騰しました。

 

私がバトゥミで借りていた3万円のタワマンはなんと8万円に、トビリシで数年住んでいたジョージア式アパートも以前は4万円だったのが6万円になっていました。

 

さらに、booking.comなどを見てもそもそも安宿がほとんどなくなっており、設備に問題がある個室の宿でも1500円代となっていました。

 

※この手の宿は以前(新型コロナウイルス発生前)なら1000円前後でした

 

なお、ドミトリー(たこ部屋)ならば今でも1000円以内の宿がいっぱいあります

 

 

トマトが高くなった

 

食材はあまり値上がりしていませんでしたが、4月に入ってからトマトが1kg200円になりました。

 

以前は1kg100円だったので2倍近い値上がりです。

 

ただし、その他の野菜・果物は値上がりしていないので時期的なものの可能性があります。

 

※思い返してみれば去年も4月前後にニンニクの質が悪くなったりキャベツが小さくなったりしていました

 

 

やっぱり季節的なものだったかも

 

2022年10月時点では、トマトは(種類によるようですが)安いものが1kg100円前後に戻っています。

 

その他の野菜もお肉も、スーパーで売られている(そして私が日常的に購入している)ものの値段はほとんど変動していません。

 

もしかしたら数%くらいは上がっているかもしれませんが、少なくとも私が気づくほどの値上がりはしていません。

 

なお、冷蔵庫に10本以上ストックしているのが当たり前のエナドリの値段は2022年10月現在も1本(330ml)あたり1.45GEL(約100円)です。

 

私の大好きな銘柄のエナドリが1.65GEL(約100円)に値上がりしました。

 

 

小麦粉がピンチ?

 

4月時点では小麦粉の値段は変わっておらず、街中のパン屋さんも菓子パン・総菜パンともにそれほど値段は変わっていません。

 

※巨大なパンは40円から60円に値上げしているお店が多いです

 

小麦粉に関しては、今後が心配です。

 

というのも、ジョージアは小麦粉の消費(つまりパンの消費)が多いですがそれを自国で賄えていません。

 

輸入に頼っています。

 

しかもあろうことか、輸入元の最大手はロシア、その次がウクライナです。

 

ロシアは経済制裁で、ウクライナは人手と畑が足りず、輸入小麦の量が減る可能性がとても高いです。

 

需要が変わらず供給が減れば値段が上がるのは必然です。

 

2020年5月あたりまではジョージア政府的な機関が「なんとかできる」としていましたが、その期限が迫っています。

 

備蓄小麦粉がなくなったとき、パン屋さんが大幅値上げをするのか、それともやっていけなくなりお店がなくなるのか、心配です。

 

 

【2022年10月追記】まだ大丈夫

 

上がるやばい大変だという報道もありましたが、結局それほど気にすることはないようです。

 

2022年10月時点で、あの国の事情が想定外に長引いているものの、町中のパン屋さんが品切れや爆上げになることはなく、スーパーにもコンビニにも小麦粉は大量に陳列されています。

 

【2023年4月追記】まだ大丈夫...のはず

 

なんだか結局いまでもスーパーやコンビニには小麦粉が大量に並んでいます。

 

値段もほぼ変わりません。

 

小麦粉そのものは問題ないのですが、パンの値段は地味に上がりました。

 

特にジョージア人の国民食「ハチャプリ」はレストランで食べると10GEL前後になることが多いです。

 

2019年頃は7GEL程度、さらに日本円換算で1GEL30円前後が50円弱になったことで倍近い出費になります。

 

※安いところを探せばまだ7GELで美味しいハチャプリを食べられるお店はありますが、同じお店で比べると値上がりしています

 

 

衣類は安いまま

 

ジョージアでは地下鉄駅前や広場などでいつもフリーマーケットのように中古の衣類を売っている人がいます。

 

また、首都トビリシならセントラルステーション駅の前の地下道は簡易店舗が並んでおり、そのほとんどが衣類です。

 

中古モノばかりですが、値段はやたらと安いです。

 

シャツは400円、パーカーやズボンも800円などを提示するお店が多いです。

 

もう少し安心したモノが買いたい場合はLCワイキキというお店がオススメです。

 

こちらはすべて新品で、フィッティングルームもあります。

 

シャツが800円前後、パーカーは1200円前後など、フリーマーケットよりはやや高いですが経済的にダメージが少ない金額です。

 

 

月5万円生活はできる?

 

私は絶対にしませんが「可能か?」という問いであれば2023年4月時点でもYESです。

 

ざっくりと見積もりを紹介しましょう。

 

宿:500円/日(1部屋8人のドミトリー)

食事:500円/日(朝は果物のみ50円、昼は自炊で150円、夜も自炊で300円)

SIM:40円/月250円/月(3GBのデータ通信。音声通話なし。宿のwi-fiを使う前提)※1GB1GELのプランはなくなってしまったようです

衣類:5000円(シャツ・パンツ・靴下を数枚、ズボンは大切に履き続ける)

保険:2000円(ジョージア国内の健康保険。歯科治療含む。海外(ジョージア外)旅行含まず)

 

このあたりが「絶対に必要な額」でしょう。

 

ひと月30日で計算すると、ここまでで37,250円となります。

 

12,750円も余りますね。

 

たまには外食など食事関連の贅沢ができます。

 

 

オススメはしない

 

最初に言っているように、私は絶対にこの方法は取りません。

 

問題は「宿がドミトリー」と食事に「お菓子・エナドリ代」が含まれていない点です。

 

2022年時点でもまだ新型コロナウイルスは終息したとは言えません。

 

見知らぬ人と同じ部屋で寝るドミトリーは感染リスクが高いでしょうし、そもそも感染症が根絶された世界であってもプライベートが確保できない状況を何か月・何年も続けるのは苦痛です。

 

安い個室は「冷暖房がない」「キッチンが使いづらい」「ユニットバスが水漏れしている」などの問題があることが多いですが、それでもドミトリーよりマシです。

 

※ドミトリーにもこの手の問題が発生していることが多いです

 

食事に関して、私も自炊ができますがお菓子は食べたいですし、なによりも毎日エナドリを飲みたいです。

 

 

健康で文化的な最低限度の生活はいくらかかるか

 

私の「健康で文化的な最低限度の生活」は以下の通りです。

 

家賃:5万円/月(ユニットバス・キッチンありのアパートの個室)

食事:700円/日(エナドリ・お菓子込み)

SIM:250円/月(3GBのデータ通信。音声通話なし。ほとんど外出しないので余る。自宅はwifiが家賃に含まれており使い放題)

衣類:5000円(シャツ・パンツ・靴下を数枚、ズボンは大切に履き続ける)

保険:8000円(海外旅行保険。新型コロナウイルスでの入院や歯科治療もカバー。日本も一時帰国ならカバー)

動画視聴:3080円(U-NEXTと有料VPN)

本:980円(Amazon Unlimited)

 

合計で88,330円です。

 

その他(遊興費)

ケンタッキーのチキンバーレル:約1000円(18本)(1回)

地下鉄/バス:50円(1回)

電子書籍:約5000円

 

 

プライベート空間の確保と食を我慢しないことで精神面の健康が保たれます。

 

肉体面の健康は、2日に1回程度近所をジョギングして公園にある野ざらしのフィットネスマシーンで腹筋運動をしたりします。

 

自室のWiFiは家賃に含まれているため、SIMが3GBしかなくても動画をいくらでも視聴できます。

 

ちなみに先月の私のパソコンでのデータ使用量は150GBでした。

 

保険はジョージア国内だけでなく、日本を含む全世界(紛争エリアを除く)をカバーした旅行保険に加入しています。

 

これは、突然アクシデントが発生した際に国を移動する(日本への帰国を含む)可能性があるためです。

 

U-NEXTでは映画、ドラマ、お笑いライブなどが視聴できます。

 

U-NEXTは他のサブスクより高いですが、「アレ」も見れるので重宝しています。

 

違法視聴せずにほぼ見放題で常時動画を流し続けられるのは快適です。

 

本はAmazonUnlimitedを契約していますが、読みたい本が読み放題になっていないことが多く、実際には別途毎月5000円前後を電子書籍代に使っています。

※U-NEXTで毎月無料ポイントが貰えるのでそのポイントで電子書籍を購入できますが、U-NEXTの電子書籍はkindleよりやや読みにくいです

 

節約しているところは節約していますが、趣味や食などの「削ったら辛い」部分は満足できるだけのお金をかけています。

 

これで毎月10万円以下です。

 

 

ジョージア夢の5万円生活という都市伝説

 

はっきり言って、2019年以前でもジョージアで月5万円以下の生活で快適に過ごすのは厳しかったです。

 

いんふるえんさぁたちがこぞって「ほぼ全員が同じメリットを」繰り返していましたが、そもそも当時も1泊500円以下の宿はドミトリーでした。

 

しかもその金額のドミトリーはエアコンがなかったり暖房器具が貧弱だったりして快適な空間ではありませんでした。

 

食事だって「日本食」は当然ながら日本より高い(そのうえ日本よりマズい)ですし、そもそも言葉の壁だってあります。

 

そして何より「文化の壁」を言及していたいふるえんさぁがいなかったことに大きな疑問を覚えます。

 

私はジョージアが好きです。

 

ですが、ジョージア人の中には旧ソ連的な「自分が最優先」という人もかなり多いです。

 

具体的な例を挙げるなら

 

・2人がギリギリ並べる通路ですれ違う際、相手側が2人でも横に並んだまま

・信号や駅で待っていると自分の前に入ってくる

・行列という概念を知らず、スキマがなくても割り込んでくる(というか行列ができていてもおかまいなしに自分の用件をスタッフに要求する)

 

これらは平均的な日本人の感覚では耐えられないレベルです。

 

ちなみに、これらは日本人・アジア人差別ではありません。

 

理由は明確です。

 

「現地人同士でもやりあっているから」です。

 

つまり、上記の内容は現地の文化です。

 

そういうお国柄であり、それに慣れる・許容できる人でなければ快適には過ごせません。

 

以上の理由により、当時から「月5万円で夢のような海外移住」は経済的にも文化的にもかなり限定された人の話でした。

 

もしかしたら本当にジョージアに住んでいたインフルエンサーは注釈をつけていたのかもしれませんが、ただただ「月5万円で生活できる」という言葉が独り歩きした結果「日本と同等クラスの快適さを維持したまま5万円生活」または「月5万円で豪遊できる」と勘違いしている方が多いです。

 

耳障りのいい話だけでなく、デメリットにもちゃんと目を向けましょう。

 

 

最後に

 

ジョージアは2023年4月現在、家賃が高騰しています。

 

ドミトリーの最安値圏は今でも500円という驚く安さのベッドがありますが、日本よりも楽天的な人が多いこの国では健康面が心配です。

 

個室の家賃は以前と比べるとかなり高いですが、それでもまだまだ月10万円以下での生活が可能です。

※月10万円以下で「豪遊できる」とは言っていません。健康で文化的な最低限度の生活ができると言っています

 

ちなみに、税金に関しては専門家ではないので詳述していません。

 

住民票を抜くことで住民税(正確には渡航した年は払う必要があります。専門家に確認をしてください)と年金(当然ながら将来貰える額が減ります)とNHKの受信料(引き落としなら解約しましょう。なおNHKは税金ではありませんが似たようなものなので同列で語っています)は払う必要がなくなります。

 

ただし、一方で所得税に関しては必ず(どこかの国に)納める必要があります。

※ジョージアに納めることも可能です

 

これを勘違いしているネットブログが非常に多いです。

 

当記事も私自身が専門家というわけではありません。

 

税金に関しては、専門家に必ず相談してください。

 

当記事はあなたが納税漏れをしても責任は取れません。

 

もう一度繰り返します。

 

税金に関しては、絶対に専門家に相談してください。

 

(当記事を含む)ネットの怪しげな記事だけを鵜呑みにしないでください。

 

 

 

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