物価の安いジョージア。
そのジョージアの西端、黒海に面する都市・バトゥミではすさまじいペースでタワマンが建設されています。
1ルームタイプ(スタジオタイプ)が300万円ほどで売りに出されていたこともありました。
※昨今の円安と例のアレやコレやソレの影響でさすがにもう300万円台のお得な物件はなくなりました
オフシーズンである秋冬は50F前後の超高層タワマンの中層階が月額5万円台で借りれるケースもあり、外こもりに人気です。
しかし、その安いタワマンの中でも特に人気のORBI CITYで「差別された」と声を上げている日本人がチラホラといます。
差別の内容は「テラス(ベランダ)にタバコを投げつけられる」です。
実際、私もORBI CITYに累計で1年以上滞在していますが、タバコを発見したのは1回や2回ではありません。
でもこれ、差別なのでしょうか。
最初にお伝えしておきますが、当記事はあくまで私が個人で調べた事実をもとにした「私個人の感想」であり、あなたに当記事の主張を強制するものではありません。
また、「こういうケースが多い」というだけであり「すべての行為が当記事で書かれている意図によって行われたもの」という意味でもありません。
私は今から「差別的意図はないことが多い」と主張しますが、この世に差別がないなどとは思っていませんし、「旅の恥は搔き捨て」を叫びながら傍若無人に振る舞う人にまで「あなたに非はない。だからそのままでいいんだよ」などと言う気もありません。
「差別」とされる事象の詳細など
ORBI CITYというタワマンは、全部屋にテラス(ベランダ)があります。
そのテラスに、自分の吸ったものではないタバコが転がっていることがあります。
テラスそのものはタバコの吸い殻で燃えることはないとしても、洗濯物を干している時にもタバコを投げ込まれることがあるので服が焦げたりタバコのにおいがついたりすることがあるかもしれません。
そして何より単純に「他人が咥えたモノ」が自分のテリトリーにあるのは不愉快です。
特に2020年あたりからは不快感を持つ人が増えていることでしょう。
もし「日本人だから」「アジア人だから」という理由でタバコを投げ込まれているのなら差別であり、許されないことですよね。
ORBI CITYはAirBnBで簡単に借りられるため、ジョージアに来ている日本人同士の情報交換の場でもよくオススメされますが、その一方で実際に泊まった人が「あそこはテラスにタバコを投げつけられる差別がある」と主張する人もいます。
タバコを投げつけられる意図
しかし、大半のタバコはそういう意図で投げつけられたものではありません。
単純に「テラスでタバコを吸って何も考えず外に放り投げただけ」の場合が多いです。
自分の部屋より上の階の住人がテラスでタバコを吸い、吸い殻を外に放り投げた結果、空に舞って他人の部屋のテラスに落ちてきただけです。
だから自分の部屋の左右に人が住んでいなくてもタバコが飛んでくることがあります。
つまり、その部屋の住人に対して何らかの意図があってタバコを投げ入れたわけではないということです。
ちなみに私はチェックインしたらすでにテラスに吸い殻が転がっていたことがありますし、共用エリアの鍵がかかっていて入れないテラス部分にも大量のタバコの吸い殻が転がっているのをよく見ます。
私はAirBnBを使ったためオーナー以外は基本的に入居者の人種を知りませんし、オーナー自身は私にとても好意的で「来月も住んでくれないか」と打診をしてくるほどです。
2021年の世界的なアレで旅行者が激減していた時期、私の部屋の両隣および真上には人の気配が全くありませんでしたが、ときどきテラスにタバコが出現していました。
日本人の感覚では想像できないかもしれませんが、この国(およびこの国に旅行に来ている人たち)は日本人の持つ常識とは少し違う常識を持っています。
歩きたばこをする人はとても多いですし、歩きたばこをする人の多くは火を消さずに捨てます。
さらにタワマンで年越しをすればわかりますが、彼ら彼女らはタワマンの部屋から打ち上げ花火を外に向かって撃ちます。
(極まれですが)爆竹などを相手に投げつけておいて「乗ってくかい?」と客引きをするタクシー運転手すらいます。
そういう人からすれば打ち上げ花火ですら問題が(あまり)起こらないのだからもっと火種の小さなタバコが問題であるとは想像もできないことでしょう。
タバコを投げ込まれているのは日本人だけじゃない
日本語しか理解できない方や日本人同士でしかコミュニケーションしない方の場合「タバコをテラスに投げつけられたと証言する被害者の国籍」も日本人が多くなるため、「日本人が標的にされている」または「私/俺が標的にされている」と感じてしまうことでしょう。
ですが、実際にはORBI CITYに泊まっているロシア語話者の外国人や英語話者の外国人といった欧米の人たちも被害を受けています。
ホテルスタッフに相談しても「どこから飛んでくるのか断定できないので対処しようがない」という状態です。
ちなみにORBI CITYに限らずほとんどのホテル・タワマンではベランダから物を投げ捨てることに対して罰金を科していますが、何十・何百とある部屋のどこから誰が投げ捨てたかを調べることができないため野放しになっています。
最後に
せっかくおしゃれなタワマンで楽しく過ごしているのに、テラスに見知らぬタバコが転がっているとテンションが下がりますよね。
周囲に迷惑をかけないように音や臭いに気を付けているのにタバコが投げつけられていたら「なんで何もしていないのに差別されるんだろう。日本人/アジア人だからかな」と悲しくなったり不愉快になったりすることでしょう。
実際にはほとんどのケースで差別的意図はなく、ただたまたま空を舞ったタバコがあなたのテラスに飛んできただけです。
気にしないようにするしかありません。
なお、繰り返しますが私は「100%差別的意図がない」とは言っていません。
欧米人旅行者の部屋でもタバコが転がってくる、なんなら無人の部屋や入居した初日にすでに転がっているというケースがあることから「上層階から飛んできているケースが最も多い」と主張しています。
当然ながら、意図的にタバコを投げつけられるケースもゼロではありません。
残念ながら日本を含めてこの世のありとあらゆる国で差別はゼロにはなりません。
そして国によって文化も常識も違うため、私たち日本人が気を使って生活をしていても隣人に知らず知らずのうちに迷惑をかけてしまうこともあります。
そういった状況で意図的にタバコを投げつけられることもあるかもしれません。
ただ、隣人と偶然廊下ですれ違った際に挨拶をしたり、エレベーターで一緒になった時にちょっとした雑談をするような「日本でも当たり前の行動」ができていればそうそう差別は起きないでしょう。
※繰り返します。「そうそう差別は起きないでしょう」は「こうすれば絶対に差別は起きない」という意味ではありません
隣人との関係が友好的なのにタバコが飛んできたのなら、隣人の裏の顔を想像して悲しむよりは偶然飛んできた可能性を受け入れたほうが精神的に安定しますよね。