ウクライナが未曾有の危機に陥っており、日本でも多くの人が関心を寄せています。
旧ソ連圏コーカサス地方の国・ジョージアはウクライナと直接国境が接しているわけではありませんが、境遇が近く親近感を持っている国民が多いです。
ウクライナの南部、クリミア半島は黒海に面しています。
そしてジョージアの西部、バトゥミも黒海に面しています。
※当然ながらとても遠いので海の向こうに半島が見えるわけではありません
そんなバトゥミの様子を紹介します。
なお、当記事には写真はありません。
私は公的な(?)報道機関ではないので、本気でウクライナの無事を祈っている人にカメラを向けることができません。
物理的に可能かどうかで言えば可能ですが、私には無神経な行為に感じられます。
なお、ジョージアは(というか世界中で)まだ新型コロナウイルスが終わったわけではないため、私自身不要不急の外出は可能な限り避けています。
そのため行動エリアは極端に狭いです。
当記事は私の行動範囲での様子です。
ですので他のエリアは当記事とは異なる様相かもしれませんのでご注意ください。
ジョージア・バトゥミは危険か?
日本からすれば「同じ旧ソ連国」「ロシアと国境を接し、国民はロシアへの悪感情を持つ」「過去にロシアと揉めたことがある」など、ウクライナと似たような国に見えることでしょう。
また、日本人のほとんどは現時点でもまだウクライナの地理を理解している人は少数で、「あー、東欧ね。ジョージアも東欧でしょ?」くらいのノリのようです。
そんなこともあり「ジョージアはウクライナのすぐ近く」「だからとてつもなく危険」と思っている人もいるようです。
少なくとも、2022年2月28日時点では街は通常通りです。
仕事をしている人はいつも通りに仕事をし、物乞いもいつものように地べたに座っています。
スーパーの買い占めが起きる気配もなく、ウクライナ料理屋さんを含むレストランは普通に営業しています。
もちろん、ウクライナで起きていることを知らないという意味ではありません。
バトゥミでの対ロシアの抗議活動
バトゥミでは旧市街と呼ばれる中心地のヨーロッパスクエアという広場で抗議活動が行われています。
ウクライナ国旗を掲げたり、あの青と黄色のウクライナカラーの風船などを持っている人が集まっていました。
物々しいデモ活動ではなく、静かに祈りを捧げている人が多いです。
ただし、ジョージアでのデモ活動は時に警察が大勢かり出されるほどの騒動になります。
そのため、今後私は極力近づかないようにします。
もちろん私自身も親ウクライナ派であり、ウクライナの友人たちの無事を祈っています。
街中にはジョージアとウクライナの国旗が
ほとんどの日本人はご存知ないかと思いますが、実はバトゥミはジョージアの中でも異質な街です。
バトゥミは「アジャリア自治共和国」の首都でもあるんです。
「完全な独立」こそしていないものの、ジョージア政府とは別の政府・議会が存在します。
ただし、ジョージアの他の都市からの移動に(国境・イミグレのような)制限はなく、危険なエリアという認識もありません。
バトゥミの市民の多くは自身を「ジョージア人」だと認識しているようで、今回のウクライナへの思いを「ウクライナとジョージアの国旗の掲揚」という形で表しています。
※アジャリア自治共和国の旗は左上1/4にジョージアの国旗で残りの3/4が青と白のボーダー柄ですが、その旗ではなくジョージアの国旗を掲げています
最後に
ジョージアのバトゥミは2022年2月末時点ではとても平和です。
新しい旅行者がスーツケースを転がしながら歩いていたり、観光スポットで写真を撮っていたり、ビーチ付近の遊歩道を散歩していたりします。
一方で対ロシアの抗議活動が行われていたり、ウクライナとジョージアの国旗を(個人的に)掲揚していたりもします。
日常生活を送りながら、ウクライナの無事を祈っているという人が多いです。
少なくとも、ジョージア国民は「次はこの国が攻め込まれる」という危機感は持っていないようでした。