世界的な大流行を見せた新型コロナウイルス。
私の住むジョージアでも緊急事態宣言が行われ、「物価が上昇している」というニュースまでありました。
ジョージアは旅人や外こもりの間では広く知られた「物価が安い国」の一つです。
外こもりの聖地と言えばタイが有名ですが、ビザランが厳しくなったこともありジョージアが優勢とされていました。
コロナ禍でどう変わったのか、発生前から住み続けている私が調べました。
なお、当記事はまだ終息していない5月時点での内容です。
※7月1日に追記しました
今後悪化する可能性もありますのでご注意ください。
私は終息するまでジョージアで静かにしておくつもりなので変化があったら追記していこうと思っています。
※2021年1月時点でも私はまだジョージアにいますが、特に物価が上がっている気はしません
なお当記事はあくまで現地にいる私個人の感想です。
正確な情報は在ジョージア日本大使館などをご覧ください。
目次
結論
まず最初に結論をお伝えします。
2021年1月時点では物価は上がっていません。
ホテル、airB&B、レストラン(テイクアウト/デリバリー)、スーパーなどの生活に関わる費用は目立った値上がりはなく、宿に関してはむしろ値下げ交渉に応じてくれるところが多いです。
ただし緊急事態宣言によって多くの業種が影響を停止しており、今後レストランや観光地が値上がりする可能性はありそうです。
2020年7月時点では緊急事態宣言が終了し、街中にはマスクをつけていない現地の人たちが大量にいます。
ですが東京と異なり第二波は発生していません。
2020年9月あたりからジョージア国内の感染者が爆発的に増え、マスクをしている人が増えました。
レストランなどはソーシャルディスタンスを取る座席配置になっていますが営業を再開しており、値段は据え置きのところが多いです。
レストランも観光客向けのエリアはかなりのお店が閉めています。
特に中東料理店や中華料理・タイ料理などのアジア料理店は店主が外国人だったこともあってか、軒並み閉店して空き店舗になっています。
外国人の長期滞在の場合
ジョージアにとっての外国人、つまり私のような日本から来ている人にとって最も重要なのは宿代と食事代ですよね。
ホテル代
現在のところ、ドミトリー(タコ部屋)は税金コミで232円など以前同様の「崩壊料金」のままです。
ただしこの状況で知らない人と同じ部屋で泊まるのは怖いですよね。
私が気に入っているエアコン付きの個室、Tamara Guest Houseはダブルルームに1人で泊まると1162円(2人なら1660円)です。
新型コロナウイルス発生前とほとんど変わらない金額です。
※国内の感染状況からこのホテルは一時的に影響を停止しています
ホテルの個室という選択肢もありますが、私のように長期滞在する場合、直接アパートの契約をするかairB&Bを利用するのがお得です。
私が借りている部屋は、エアコンなし、シャワー・トイレあり、冷蔵庫・レンジ・キッチンありのツインベッドで月3万円です。
こちらも値段は新型コロナウイルス発生前から変化がありません。
新型コロナ発生前に語学学校に通うために別のアパートを借りていたことがあり、そちらはエアコンとバスタブがついて4万円でした。
新型コロナで語学学校が長期休校となったため今の3万円の宿に戻ってきたのですが、4万円の宿のオーナーからは「トビリシにいるなら安くするからウチに泊まり続けてくれ」とお願いされました。
※すでに3万円のアパートを契約した後だったので泣く泣く断りました
ジョージア国内は7月1日まで海外からの旅行者の受け入れを停止しており、つい最近までトビリシ市とその他の都市の移動もできない状況でした。
※海外からの旅行者の受け入れ停止は当分延長になりました
そのため宿代は(交渉すれば)下がる傾向があります。
7月1日に海外からの旅行者の受け入れをスタートするとしていますが、例年通りの観光客で賑わうのはまだ先のことになりそうです。
そのため、ホテルやアパートは値段が下がる可能性が高いです。
レストラン
2020年5月現在、全てのレストランは営業停止中です。
自粛ではなく営業禁止のようです。
ただし一部の店舗ではテイクアウトは可能で、マクドナルドやウェンディーズがテイクアウト用の窓口をオープンさせています。
そのほか、日本でも話題のUber eatsに相当するGlovoなどの配達サービスが営業中です。
マクドナルドやウェンディーズの他、アジア料理店からお寿司を取り寄せることも可能となっています。
宅配の場合、配送料として2.5ラリから3.5ラリ程かかります。
現在1ラリ33円程なので配送料は100円程度ということになります。
これらの値段はコロナ禍前から変化がありません。
【追記】
6月8日をもってレストラン経営は全面解禁となりました。
ただし、お店によってはリスク回避のため休み続けていることがあります。
行ってみた
お気に入りのレストランが6月15日に営業開始になったので混雑を避けて2日後の17日に行ってみました。
お店はこちらの記事でも紹介しています。
まず、ジョージアでは店舗に必ず備え付けのアルコール消毒があるため、入り口で手を消毒します。
その後、店員さんに体温を計ってもらい、問題なければ着席です。
新型コロナウイルス前との変化として「座席の減少」が上げられます。
テーブルが半分になりました。
おそらく「2メートル間隔」を守るために減らしたのでしょう。
このお店は地元の方々に大人気で、いつ行ってもほぼ満席という状況だったのですが、席が半分になったというのにこの日は私のほかに2組しか客がいませんでした。
訪れたのはピーク時を避けた14時頃だったとはいえ、以前なら8割から10割が埋まっている状況でした。
注文したのはジョージア料理で最も美味しい「オーストリ」です。
いつも通りパンを注文しましたが、よく考えたら手掴みなので怖いですね。
うっかりスマホを触らないようにポケットに入れ、トイレを借りて手をしっかり洗ってから食事をスタートさせました。
この日のオーストリはいつもと比べ味が落ちた気がします。
この日だけたまたま何かあったのか、これまでのオーストリより濃厚さが薄れ、辛いだけのスープになっていました。
煮込んだ時間等が原因なのか、経済的問題で材料に変化があったのかはわかりません。
ちなみにフレッシュジュースもこれまでピッチャーで来ていたのがグラスに変化しています。
経済的問題の可能性が高そうですね。
スーパーの値段
ある程度外こもり歴が長くなるとスーパーで食材を買って自炊するようになります。
私も自炊派です。
普段よく購入するものの値段を紹介します。
※1GEL=33円程度です
お米800g...2.4GEL
ケチャップ250g...2.3GEL
油850g...3.7GEL
トマト1kg...3.8GEL
たまねぎ1kg...1.35GEL
りんご1kg...3GEL
オレンジ1kg...4.5GEL
牛肉1kg...22GEL
豚肉1kg...16GEL
「物価が上がっている」というアナウンスがありますが、これらの食材は値上がりしてはいないようです。
また、日本やヨーロッパで起きたような「買い占め騒動」は発生しておらず、お米だけでなくパスタや乾麺、巨大なパンなどが普通に購入可能です。
※果物(特にオレンジ)は3GELから4.5GELに上がりました
2021年1月、ちょっとだけ気になることがあります。
それは「エナジードリンクが減っている」ということです。
レッドブルなど「高価な」エナドリはいつも通り埃を被ったまま並んでいますが、40円程度の激安エナドリの陳列数が減っています。
買い占めが発生しているわけではなさそうですが、出荷量が減っているのでしょうか。
私は3日エナドリを断つとかなり動きが鈍くなるのでなくならないで欲しいです。
質が劣化・・・は杞憂だった
値段はほとんど気になりませんが、驚くのは野菜・果物の劣化です。
日本と比べたら元々あまり質はよくありませんが、5月に入ってから目に見えて質が悪くなりました。
たとえばトマトはどこかに傷があるのが当たり前になり、油断するとカビが生えていたりします。
ニンニクは芽が大きく成長し、本体(?)が柔らかくなっています。
リンゴも傷んでいるものが多く、厳選しても切ってみたら一部が茶色く変色していることがあります。
たまねぎは一回り小さくなりました。
※値段は個数ではなく重さで決まるので家計へのダメージはありません
【5月16日追記】
トマト・りんごの質が回復しました。
トマトは大きく張りのあるものが並び、リンゴは実の締まったジューシーなものが増えました。
たまねぎはむしろコロナ禍前よりも形が整ったものが増えています。
まだレストラン等は自粛中ですが食材の質が回復したのは助かります。
【6月9日追記】
トマトが極端に安くなりました。
1kgで1.9GEL(約60円)です。
その他、暖かくなり果物の種類が増えました。
桃(6.5GEL)ネクタリン(6.2GEL)スモモ(6.5GEL)プラム(5.9GEL)アメリカンチェリー(5.8GEL)日本っぽいチェリー(6.2GEL)黄色いチェリー(5.8GEL)などなど。
もうすぐスイカも並びます。
ちなみにジョージアやウクライナなどではスイカは1kg20円以下です。
節約しながらフルーツダイエットをしたい方はジョージアに来たらいいと思います。
首都ロックダウン 買い占めは起きたのか
ジョージアでは2020年5月11日まで首都トビリシへの出入りが制限されていました。
ですが私のよく行くスーパーで買い占めは一切発生しませんでした。
4月中旬に一時的にパスタ・小麦粉が極端に減った時期がありましたが、それでも最安のものがなくなっただけで1kgあたり40円程度足せば中級・高級なものが手に入る状況でした。
チーズやワイン、トマトなどのジョージア料理に欠かせない食材は(トマトが劣化した時期があることを除けば)常に入荷されています。
ただし、ワインサーバーやチーズの切り売りなどの対面販売は一時的に営業を停止していました。
その他、トイレットペーパーや固形石鹸・液体石鹸は購入している人は見かけましたが潤沢な在庫がありました。
唯一手に入らなくなったのはマスクです。
もともとジョージアやウクライナを含めた欧州ではマスクをする習慣がなく、日本のようにどこでもマスクが売っているわけではありません。
昨年、風邪を引いてマスクを購入しようとした際には薬局でさえ置いていないところが多く、数軒はしごして手に入れた記憶があります。
※今回はその教訓を生かし、日本からお徳用の箱入りマスクを持ち込んでいたため新型コロナウイルスの対策ができました
3月・4月に薬局でマスクを買おうとした際、10件回って全滅でした。
アパートのオーナーに相談しましたが手に入りませんでした。
なお、日本で転売が問題になりましたがジョージアでも大量に買い占めた少年が道端で包装なしで販売していました。
使い捨てのマスクをそのまま手に持って販売していたので怖すぎて近寄れませんでした。
2020年9月頃からジョージア国内でも十分に供給され、薬局はもちろん一部のスーパーやコンビニでも手に入るようになりました。
なお、ジョージアもこの状況でまだマスクをしない人が一定数います。
今後完全に終息したらまたマスクは手に入りにくくなるかもしれません。
もし新型コロナウイルスが終息してからジョージアに外こもりしようと考えている方は、マスクだけは持ってきたほうがいいと思います。
警戒心がなくなった現地人たち
実はジョージアは近隣諸国と比べ、極端に感染確認者や死亡者を少なく抑え込みました。
4月中はほとんどの現地人がマスクをしており、スーパーや薬局なども入場制限が設けられた上で外で待つ人たちも2m以上の間隔を空けて並んでいました。
しかし、非常事態宣言が解除されてからは完全に気が緩み、警戒心はほぼゼロです。
マスクの使い方を知らない人が多く、車のルームミラーに使用済みのマスクをぶら下げていたり、無造作にポケットに突っ込んでおいてスーパーなどに入る時だけつけるという人もいます。
最近ではシュシュのように手首にマスクを巻くのが流行っているようです。
2021年1月現在、外でもマスクが義務付けられたことでマスクシュシュをしている人はいなくなりました。
外で付けている人はほぼいません。
※連日30度を越えているので外で長時間つけるのも危険です
7月に入ってから仲良くなった現地人に「まだ新型コロナウイルスが怖くて地方に旅行に行けない」と言ったところ「ジョージアはもう終息したよ」という返事がありました。
そういう認識のようです。
ちなみに、その話をした時点でのジョージア国内のアクティブな感染者は109人です。
最後に
ジョージアの首都・トビリシの2020年5月以降の様子を紹介しています。
2021年1月現在、物価の上昇は感じません。
私はほとんど外出していないので行動範囲がとても狭いですが、今のところスーパーの野菜の劣化が気になるくらいです。
野菜の劣化は回復しました。
今のところ治安の悪化もないですし、住みやすい国のままです。