2020年に開催予定だった東京オリンピック。
未曾有の感染症により、2021年に延期になりました。
そしてさらに2021年も感染症は終息する気配がなく、日本国民の大半は「中止すべき」と考えているように見えます。
ところで、海外はどうなのでしょうか。
ロシア語圏の友人に聞いて回りました。
なお、当然のことですが当記事の情報は「統計的に有意な情報」ではありません。
私自身を日本人だと知っている(医療・経済の専門知識を持たない)外国人が答えてくれたため、偏りのある情報であることに注意してください。
当記事はオリンピックの開催・中止に対する根拠としては一切使えないものです。
ただの現地の人たちとの雑談を日本語にしただけです。
見たい派・開催してほしい派
日本人には意外かもしれませんが、東京オリンピックを見たい(つまり開催して欲しい)という人はとても多いです。
私が聞いて回ったのは20人ほどですが、7割が東京オリンピックの開催についてポジティブな意見を持っていました。
ただし、「開催すべき」ではなく「開催して欲しい」という主張であることに注意が必要です。
大前提として
「開催して欲しい」派は、100%全員が「感染症対策をすること」という条件をあげています。
「人と人の距離を取り、マスクをして、頻繁に手洗いをする」というルールを徹底し、感染が発覚したら隔離するというのが全てできるのなら「テレビでオリンピックが見たい」ということです。
ルールを守らない人への対策や、外国語しか喋れない人への対応などについては、「日本なら大丈夫っしょ」といった様子でした。
日本なら封じ込められるでしょ?
聞いて回ったのはロシア・ウクライナ・ジョージアの3国に住むロシア語話者です。
実はこれらの国は親日な人が多いのですが、日本についてやや過大評価しているところがあります。
極端に言えば「日本は超最先端の技術を持ち医療も世界トップクラスで、人々も優秀かつ優しく他人のことを優先することに何の疑問も持っていないのだ」と思っている人が一定数います。
そういう人たちは「日本なら簡単に感染症を封じ込めたり、感染者を隔離・治療できる」と考えているようでした。
なお、事実として日本国内の死者率及びアクティブな感染発覚者総数、そして単位人口あたりの日々の感染発覚者数はかなり低い水準です。
※水準が他国と比べて低いから無警戒でいいという意味ではありません
無理だと思う派
医療に目を向けている人は、「(気持ちとしては開催して欲しいけど)まあ無理だよね」という発言をしています。
世界的に見ても新規感染発覚者が多少減っているとはいえ依然高い水準にあり、得体のしれない変異株が発生している今の状況ではリスクを排除しきれないだろうとのことです。
みんな気持ちは同じ方向だった
「日本ならそれができる」と過大評価している人たちと、「いくら日本でもさすがに無理だ」と考えている人で結論が違うだけで、どちらにせよ「感染症対策ができるなら見たい」と考えているようです。
なお、外国の人たちは(ある意味当然ですが)経済的な面には興味がないようでした。
そもそも今まで日本がどのくらいオリンピックに向けてお金を注ぎ込んだか、そして開催すると対策も含めてどのくらい費用がかかるか。
さらに言えば開催した場合の「経済効果および損失」と中止となった場合の損失の差などなど。
これらは海外ではあまり報道されておらず、興味を持って調べなければ知ることができません。
なので「超大金持ちの日本ならたいした痛手じゃないでしょ?」と思い込んでいる人は多いです。
専門家の意見は違うかも
最初にも言いましたが、今回紹介した意見はすべて私の知人、つまり医療的・経済的な専門家ではなくオリンピックに一切携わっていない人たちのものです。
正確にリスクとリターンを天秤にかけた意見ではありません。
当然ながら、外国人であっても医師や経済学者などの専門的知識を持っている人は意見が違うことでしょう。
最後に
ということで、ロシア語圏の人々の東京オリンピック開催への意見を聞いてみました。
何度も繰り返しますが、あくまで専門知識を持たない私の知人たちの意見です。
今回紹介した意見が「全ロシア語話者の統一見解」ではありません。
また、私が日本人であることを理解した上で忖度したコメントをしてくれた人もたくさんいたでしょう。
その上で、今回私が感じたのは「オリンピックに携わっていない外国の人にとっては、東京オリンピックはそれほど重要ではない」ということでした。
我々日本人は「当事者」なので損失に敏感ですが、外国人にとってはその損失はそれほど大きくないわけです。
なので基本的に外国の一般人は「やるべきではない」という強い意見を持つことは少ないようです。