私は会社に所属するのが嫌で、フリーランスになりました。
さらに生活の日のために起きている時間の大半を働き続けたくなくて、物価の安い国に移動しました。
今、私は胸を張って「自由な生き方をしている」と言えます。
しかしそれをよく思わない(自称)友人がよくヘラヘラとした笑みをたたえつつ「失ったものは?」と聞いてきます。
私は確かに失ったものはたくさんあります。
ですが得たものの方が大きいです。
少なくとも私は、今の生き方に満足しています。
自由な生き方と引き換えに失うものは大きいのか?
人によります。
そもそも、今の時代は自分が何に価値を感じるかが昭和の頃と比べてかなり自由になりました。
もちろん親は昭和を生きた人なので昔の価値観を押し付けてきやすいですし、インターネット・SNSの発達により「総監視社会」となったことで見ず知らずの人から「それは間違っている」というお叱りのお言葉を頂戴することもあります。
ですがそれを跳ね返せるほど「自分がいいと思うこと」に対する基準がはっきりしているのなら、相対的に見て失うものは大きくはないと感じます。
ここで注意していただきたいのが、私は「失うものはない」と言っているわけではなくあくまで「相対的に」と表現している点です。
的外れであっても否定の言葉を投げつけられれば不快で悲しい思いになりますし、自分で選んだ道であっても問題が発生すれば隣の芝が青く見えたりもします。
私が言いたいのは、私にとって、「会社員を続けていた場合のメリット・デメリットの総量」と「今の自由な生活のメリット・デメリットの総量」を総合的に比較したら今の生活がいいと言うだけの話です。
私はそう思っていますが、当然そうでない人もいるでしょう。
だから私は「人による」と表現しています。
私は自由な生活に後悔はないです。
ただ、会社員をしている人に「お前は自由がなくて哀れだ、いつまで東京で消耗していんだ」などと煽る気は毛頭ありません。
会社員は(私の生き方と比べて)圧倒的に安定しているというメリットがあります。
どちらが優れているかという問いの答えは人それぞれです。
私が失ったもの・諦めたもの
私が失ったもの・諦めたもののうち、世間的に「それを捨てるなんてとんでもない」と言われそうなものは以下の通りです。
・正社員の座
・会社での出世
・経済的安定
・結婚
・将来の安心感
それぞれ説明するまでもないかとは思いますが、言い訳的な話をさせてください。
正社員の座・会社での出世
私も一応、正社員として会社員をしていた時期があります。
超一流とは言えないものの誰もが聞いたことのある企業の下請け会社で、ありがたいことに上司や親会社の方に気に入られて(半分お世辞だったとは思いますが)親会社に転籍しないかと何度か誘っていただきました。
本当に親会社に行けたかどうか今となってはわかりませんが、もし転籍が叶っていれば同窓会で「うぉ!」と言われる程度の名刺を持てた事でしょう。
ただ、私には毎日朝早く起きて満員電車に乗って出社することがどうしても耐えられませんでした。
毎日朝から夜暗くなるまで働く日々を定年まで続けることに耐えられませんでした。
私の価値観では、たとえどんなにお金を積まれても他者に時間を拘束されることが嫌だったのです。
経済的安定
私の生活は、決して経済的安定が約束されているわけではありません。
ただ、私は億り人になりたいわけでもお金を配り歩くおじさんになりたいわけでもありません。
自分のやりたいこと・興味のあることを楽しむ生活ができるだけの収入があればそれでいいと考えています。
その程度の収入を得るのであれば、「本気で考えて正しい道順で行動すれば」なんとでもなります。
結婚
人によって大きく判断が別れるのが「結婚を諦めるかどうか」でしょう。
私の生活は「私個人が好きなことをできる」というのが最上位の目的になっています。
そのため、他人を養うほど働きませんし、自分が興味のないことについて他人の希望で何かすることもありません。
ですのでお付き合い程度はしたとしても、将来を約束することはできません。
「価値観が合う人がいたら?」という問いにもNOと答えています。
それは、「私の好きなこと・やりたいこと」が今後変わるからです。
現時点で自分でもわからない「将来の興味」まで一致している人などいません。
オトモダチであれば価値観が違っても付き合いを続けていくことができるでしょう。
ですが結婚となると自分勝手にはできません。
だから私のような生き方をするのなら、結婚を諦めなくてはなりません。
将来の安心感
結婚と同様、将来への安心感も「自由な生活で失ったもの」と言えます。
終身雇用制度がなくなったとはいっても、会社に所属していたら身の振り方を考える局面はほぼありません。
さらに給料天引きで年金を支払っているので、老後も多少は安心です。
私は海外在住なので合法的に年金の支払いを免れていますが、当然ながら払っていないので年金を貰う権利もありません。
※こちらからお断りするという意味ではなく、制度として受け取れないルールになっています
もちろん私には「年金に代わる貯蓄」と「自分が働かなくても収入が発生するモノ」があります。
この2つで老後はなんとかなると思いたいですが、年金と異なり何かあったときに政府などが保護してくれません。
年金も先行き不安なところはありますが、高齢者のほとんどが年金に頼って生活する以上、多少は考えてくれるはずです。
一方の私はその可能性はゼロです。
そういう意味では将来は安心できません。
ただ、私は老後を安心して過ごすより老化してまともに動けなくなるまでを楽しく充実して生きたいと考えています。
※適当に生きて困ったら泣きつくという意味ではありません
最後に
「自由な生き方」にも代償は存在します。
当記事はあくまで私のケースなので、全ての自由な生き方をしている人が同じものを失っているわけではありませんが、全ての人は何かを捨てて何かを得ています。
私は会社員という立場や結婚などは不要なので捨てました。
その代わりに得た自由な生活は、私にとってとても快適なものです。
全てを得たわけではありませんが、得たものと失ったものを足し引きしたら他の生き方を選択するより満足できる現状だと思っています。
少なくとも、楽しく生きている私に向かって「本当は不幸なんでしょ?」とヘラヘラ笑いながら聞いてくる(自称)私のお友達よりは自分の人生に満足しています。