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日本人旅行者様の差別意識 海外でニーハオと言われて大激怒の理由が的外れ?

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日本人が海外旅行から帰ってよく愚痴をこぼすのが「差別を受けた」です。

 

その中でも多いのが「ニーハオと言われた」です。

 

SNSなどでは「ニーハオと言われてショック」などの呟きが当然のように受け入れられ、「大変でしたね」のような労いのリプライまであったりもします。

 

さすが日本人旅行者様は違いますなぁ。

 

 

 

ニーハオの何が差別なのか

 

中国人扱いされることの何が差別なのでしょうか。

 

まだ「黄色い猿(直訳)」を差別と取るほうが理解できます。

 

中国のほうが単純な人口も多く、ヨーロッパなどには企業としても進出してきています。

 

「中国人がマトモかどうか」や「日本と中国の政治的な問題」は別として、単純に現地のアジア人比率として中国人が多くなっています。

 

であれば、確率で考えて最も通じる可能性が高い言葉で挨拶するのは普通ですよね。

 

日本で生まれ日本で育った人には理解しにくいかもしれませんが、日本がどの国と仲が悪いかというのは海外ではあまり強く意識されていません。

 

日本と中国と韓国の位置関係があいまいな方も多いです。

 

そんなばかなって思いますか?

 

じゃああなたはドイツがどの国と仲が悪いかわかりますか?

 

オランダがどこにあるか、隣接する国はどこか、わかりますか?

 

そんなもんなんですよ。

 

 

じゃあハローも差別用語じゃないの?

 

ニーハオが差別なら、外国人に対してハローと言うのだって差別ですよね?

 

ご存知かどうかわかりませんが、外国は英語圏だけではありません。

 

スペイン語が母国語の国もありますし、ロシア語が母国語の国もあります。

 

日本人の大半がそうであるように、英語に苦手意識を持っていて英語で喋ることを苦手とする人は世界中にたくさんいます。

 

「外国人だから英語は喋れるだろう」というのは「エンジニアならFAXも直せるでしょ」と言っているようなものです。

 

 

日本と中国は敵対しているからグローバルな英語とは違うという人もいます。

 

なるほど。

 

ではロシア人に英語でハローと言うのはどうですか?

 

ロシアとアメリカの仲が悪いのは日本人のほとんどが知っているはずです。

 

ロシア人とアメリカ人を区別し、きちんとЗдравствуйтеと言えていますか?

 

自分は仲の悪い国の言葉で挨拶されたら差別だと思うのに、他人には平気で同じことをする。

 

おかしくないですか?

 

 

「悪意あるニーハオ」

 

海外で「ニーハオと言われた」と怒っている人の大半は、上記のように指摘すると「いや、あれは悪意のあるニーハオだった」と言います。

 

英語も満足に話せない人が、なぜ英語ではない現地語を理解せずに悪意があったと判断できるのでしょうか。

 

「ニヤニヤしていた」というのは偏見です。

 

それはただの「友好的な笑顔」だった可能性があります。

 

現地の文化も知らないただの旅行者が「ヘラヘラ」「ニヤニヤ」「ニコニコ」の区別をできるのでしょうか。

 

言語だけでなく表情も国によって意味が違います。

 

たとえば日本人の「頼み事をする際に申し訳なさそうな顔をする」は、一部の国で「突然怒り出した」と認識されていたりします。

 

 

「仲間と一緒にヘラヘラしていたから悪意あるニーハオだ!」

 

客引きではないただの現地人が見知らぬ外国人旅行者に声をかけるのは、「お調子者がノリで声をかける」というケースが多いです。

 

これは差別意識があってのことではありません。

 

日本でも高校生くらいの集団の中のお調子者が「ヘローヘローへっへっへ」と道行く外国人に声をかけている姿を目撃することはありますよね。

 

あれと同じです。

 

お調子者の子だって差別する意図はないはずです。

 

珍しいからとりあえず声かけてみたという程度です。

 

イチイチそれで差別だなんだと騒ぐほうがどうかしています。

 

 

「それでもあれは不快だった!」

 

私は海外旅行者がニーハオと言われて不快になったという感情そのものは否定しません。

 

私が否定しているのは「ニーハオと言われた差別だ!」「中国語で喋りかけられた差別だ!」という、中国人に間違われただけで差別認定してしまっている点です。

 

私の言っていることは伝わるでしょうか。

 

 

ニーハオに返事をしたの?

 

この「ニーハオと言われた差別だ」と言っている人に話を聞くと、ほぼ返事をしていません。

 

相手に悪意を感じたので関わりたくないから避けたということのようです。

 

もし次にそういう場面に出くわしたら、恥ずかしがらずに返事をしてみてください。

 

私はニーハオと言われた際に現地語で挨拶を返します。

 

この時点でほとんどの相手は好意的な反応になります。

 

現地語で色々喋りかけられることになりますが、「ごめんよ、まだ勉強中でほとんど喋れないんだ」と言えばほぼ解決します。

 

もちろん、悪意のある人が一人もいないとまでは言いません。

 

日本が全ての国の全ての人にとってあこがれの国というわけではなく、中には「お金持ちの国から来た旅行者」に好意的でない人もいます。

 

だからニーハオに現地語で話しかけても時には不快な対応をされることも時にはあるかもしれません。

 

ですがニーハオと言った人を片っ端から差別認定するよりはずっと快適です。

 

 

最後に

 

私は「ニーハオ」と声を掛けられただけで差別だと騒ぎ立てる人に強い違和感を持っています。

 

日本人は全世界で手放しでもてはやされて当たり前という特権階級意識が透けて見えるようではないですか。

 

そうでなくとも「私は中国人風情とは違うのよ」という気持ちが心のどこかにあるはずです。

 

そうでなければニーハオだけで差別認定にはなりません。

 

私にはそれが「中国人差別」に見えます。

 

「ニーハオ」と言われた程度で差別だと騒がないでください。

 

自分は英語圏以外の相手に「ハロー」と言うくせに、自分のことを棚に上げて「ニーハオは差別」などと意味不明なことを言わないでください。

 

 

ニーハオと声をかけてくる現地人に現地語で挨拶を返したり「日本から来たんだよ」と言うと友好的な反応が返ってくることのほうが圧倒的に多いです。

 

ニーハオだけで反射的に差別だなんだと嫌悪感をむき出しにすることは、現地で友人を作るチャンスをフイにしていることに他なりません。

 

もったいなくないですか?

 

 

最後に言っておきますが、私は「海外で日本人を差別する人は一人もいない」と言いたいわけではありません。

 

悪意を持っている人は少数ながら存在はします。

 

中指を立てたりつり目のポーズをしてくるのは悪意のある差別です。

 

ただ、ただ笑顔で中国語の挨拶をしただけで反射的に差別だと騒ぎだすのはおかしいと思うんです。

 

その挨拶に何か返事をしましたか?

 

していないのであれば「アジア人に挨拶してみたら仏頂面で無視された。アジア人の現地人への差別はすごい。金持ちは俺たちを見下している」と思われているかもしれませんよ。

 

差別だと判断するのは挨拶を返して一言二言喋ってからでも遅くありません。

 

もちろん「喋ったら暴言を吐かれた」が何度も続くのなら「触らぬ神に祟りなし」で最初からスルーしていいでしょう。

 

まあそんなことにはならないですが。

 

 

 

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