物価が安く2019年まで外こもりや世界一周者が長期滞在していた国、ジョージア。
2020年にはあの感染症が世界中に蔓延しました。
ジョージアも例外ではなく、一時は「感染発覚者率」で言えばアメリカ合衆国よりも酷い状況にまでなりました。
2021年下半期に入った7月、そんなジョージアは早くも外国人の受け入れを再開しています。
私は新型コロナウイルス発生前からジョージアに住んでいますが、すでに7月以降2人の移住希望者の日本人と出会いました。
今後増えていくかもしれません。
日本人がジョージアに移住した場合、仕事はどうするのか。
実際にジョージアで暮らす私の思うことを書きました。
※当記事は個人の感想であり、「ジョージアでは絶対にこうしなくてはならない」という強制的なものではありません
移住後の仕事
ジョージアに移住をするなら、現地で起業をするかネットで稼ぐかの2択だと思います。
正直、現地の企業に雇われて働くことはオススメできません。
なぜなら賃金が安いうえに言語の壁があるからです。
ジョージア国民の平均賃金は日本円で4万円から5万円とされています。
日系企業の現地駐在員や大使館職員などは別格扱いなので考えないものとするなら、現地で雇われることそのものに疑問を感じます。
なお、「アルバイト」という概念はなくスーパーやコンビニで働く場合であっても時給ではなく月給で給料を貰っているそうです。
そんなジョージアで最も効率の良い仕事は「旅行ガイド」です。
タクシーや普通の車に観光地の写真が描かれた紙を乗せて客引きをしている姿をよく見かけますし、ホテルやアパートのオーナーに話をすれば暇を持て余している友人をガイドとして紹介してくれます。
個人ガイドの場合は半日で100GEL(3500円)、丸1日かかる場合は150GELから200GELにもなります。
なお「今後日本人観光客が増えるのなら日本語ガイドはどうだろうか」と考える人もいるかもしれませんが、新型コロナウイルス発生前のジョージアへの邦人旅行者は年間200から300人だったとされています。
その全員が日本語ガイドを望むわけではないので、安定した収入には程遠いでしょう。
言語は何が必要?
ジョージアの母国語はジョージア語です。
タイ語やウルトラマンの文字に似た文字と独自の文法を持つ言語です。
現地の看板などはすべてジョージア語ですが、日常会話はロシア語もかなり通じます。
そして義務教育で英語を学ぶこともあり、若い人は英語での意思の疎通も可能です。
※実際、銀行の窓口などは当然としてただのレストランや家電量販店ですらスタッフはジョージア語とロシア語・英語のトリリンガルが多いです
なお、10代以下の子どもたちの中にはロシア語が使えない子も増えつつあるようです。
「現地で働く」となるとジョージア語が使えないのはかなり問題です。
せめてロシア語が話せるならチャンスはあるだろうというレベルです。
ですが、ネイティブレベルでない場合は「なぜカタコトしか喋れない外国人を雇わなければならないのか?」という問いに答えられるスキルを持ち合わせていなければ難しいでしょう。
どんなスキルがあれば働ける?
一番可能性が高いのはおそらく調理系のスキルです。
料理名さえ聞き取れれば調理中は言葉を話す必要がないので世界中で働き口を見つけることが可能です。
ジョージアでも首都のトビリシでは日本料理を含む世界各国のレストランが並んでいるため、手当たり次第に打診すれば雇ってくれるお店はあるかもしれません。
もう一つ、別のスキルを紹介するとしたらプログラミングです。
プログラムそのものは世界共通です。
ただし一度でもプログラマとして働いたことがあるならわかると思いますが、同僚や上司とのコミュニケーションは必須ですし、仕様書も当然現地の言葉で書かれています。
当然ながら、ジョージア語またはロシア語がメインです。
このコミュニケーションをスマホの翻訳ソフトに頼るというデメリットをカバーできるレベルのプログラミングスキルがあるのなら働ける可能性はあります。
ただ、最初に言った通りジョージアは平均賃金がとてつもなく低いです。
日本人だからといって10万円20万円といった大金を払ってくれるわけではありません。
フルタイムで働いて数万円しか貰えないのなら日本にいたほうがマシかもしれません。
現地に日系企業はある?
あります。
が、そこに就職することができるかというとちょっと難しいと言わざるを得ません。
また、仕事相手が現地民となるためどちらにせよ言語は必須です。
まとめると「現地採用は厳しい」
賃金の安さと言語的な問題で正社員もアルバイトも非常に困難です。
※上述の通りこの国でのアルバイトの募集はとてもレアです
「日本人であること」はデメリットです。
差別云々ではなく、企業側に日本人を採用するメリットがないためです。
起業という方法
日本では起業というと限られた才能のある人がする偉業というイメージがありますが、ジョージアは簡単に起業することができます。
実際、「試しにやってみた」レベルで数か月だけお店を開く現地の若者も多いようです。
特にパン屋さんなどは数か月だけ開いてすぐ潰れるお店がたくさんあります。
世界を牛耳る大企業を作りたいのなら難しいですが、自分の生活費(と少しの貯蓄)が欲しいだけならばそれほど難しくはありません。
日本と異なり、仮に「ラーメン屋さん」を開くのであっても開業資金は驚くほど安いです。
もちろんゼロ円でスタートすることはできませんし、出店エリアによってはそこそこの店賃(家賃)もします。
なお私は「それほど難しくはない」としか言っていません。
当然ながら努力は必要であり、「誰でも片手間で」だとか「100%確実に」というレベルで簡単だとまでは言っていませんのでご注意ください。
ネットで稼ぐという方法
個人的にはこちらが最も手軽だと思います。
シェラトンホテルを自室代わりに使うような金銭感覚が壊れた人でなければ、多少の贅沢をしてもジョージアならば月10万円から15万円で生活が可能です。
※ジョージアでもシェラトンホテルは1泊2万円近くします
贅沢をしないのであれば家賃・光熱費・食費・健康保険代など諸々全て含めても10万円以内で生活ができます。
※日本からの渡航費は除く
ネットの仕事で「億り人」になるのははっきり言って無謀ですが、月10万円から20万円という額であれば「正しい方向に努力をすれば」可能です。
ネットで稼ぐ場合は「仕事上避けられない相手」が少ないので人間関係に悩むことはほとんどありません。
さらに就業時間が定められていないので12時過ぎに出社(ベッドから起きて机に行くこと)してもいいですし、朝6時から仕事を始めても問題ありません。
上司や同僚の目がないのでサボろうと思えばいくらでもサボれてしまうのがデメリットではありますが、一人でコツコツやれるタイプならオススメできます。
最後に
ということでジョージアに移住した場合の仕事について紹介しました。
私はジョージアの企業に雇われて働く方法は悪手だと思います。
ただあくまで「私がそう思う」だけであり、給与以外にメリットがあると感じるのならアリだと思います。
起業に関しては日本よりはるかに敷居が低いので挑戦する価値はあると感じます。
多くの国と異なり、ジョージアはノービザで入国した場合でも「活動内容を問わず」1年の滞在が許されています。
つまり別途労働ビザや起業ビザを取得する必要もありません。
※2019年まで。2021年以降は新型コロナウイルスの影響もありルールが変更になる可能性がありますので大使館等の公的情報で確認してください
ネットで稼ぐのであれば、相手が日本人なら日本語のみで、世界を相手にするなら英語が使えれば勝負が可能です。
ジョージア語やロシア語が難しいという方であってもチャンスは広がります。