私は2020年現在、ジョージアという国にいます。
日本では知名度が低く、「国」だと言っているのにアメリカだと勘違いされることが多いです。
ジョージアは以前「グルジア」と呼ばれていた国で、トルコとロシアの間に位置しています。
この国に日本人が滞在するとどうなるのか紹介しますのでご覧ください。
目次
日本人差別はある?
ないです。
ただしこちらがジョージア語やロシア語を満足に喋れない状況ということを差し引く必要はあるはずです。
当然ながら日本人差別・アジア人差別は探せばあります。
全ジョージア人が誰一人日本人に悪感情を持たず、日本人と会話を交わさず見た目だけで中国人や韓国人と区別が可能であるというのはさすがに無理です。
日本人の中にもごく少数の様々な偏見を持った人がいるように、ジョージアにもごく少数の偏見を持った人はいます。
それはどうしようもないです。
中国人・韓国人に間違われる?
「ニーハオ」「アニョハセヨ」など中国語や韓国語で話しかけられることを差別と取るのであれば月1回くらいはあります。
ですがこの国では中国企業・韓国企業が多いため単純に日本語で話しかけるより確率が高いので相手に差別意識はありません。
私だって日本で外国人と話すときは一番通じる確率が高い英語で話しかけます。
相手がフランス人だったりロシア人だったりしても、です。
「ニーハオ」「アニョハセヨ」は差別用語ではありません。
そこに差別を感じるのは、日本人が中国や韓国を下に見ているからなのではないでしょうか。
レストランで放置される?
レストランでテーブルに座っていても注文を取りに来るどころかメニューも持ってこないときがあります。
ですがこれは差別ではなくこちらがルールを知らないだけです。
特に大衆食堂のような安いレストランでは、カウンターで注文するのが一般的です。
メニューも自分でカウンターから持ってくるか、その場で見て注文するスタイルのところがいくつかあります。
これを知らないと自分だけ放置された=差別だと感じるかもしれません。
具体的なレストラン名を挙げてみます。
日本人に有名なChuriはメニューは持ってきてくれますが注文と支払いはカウンターという形式でした。
2019年年末あたりでは日本人慣れしたこともあり注文を取りに来てくれるようになっています。
もう一つの日本人に有名なお店、rachaは日によって(スタッフによって)対応が違います。
若くてフレンドリーなおねーさんがいるときはメニューを持ってきてくれますが、マダムだけのときはカウンターの近くのテーブルでおしゃべりに夢中です。
どちらのケースでも注文・支払いはカウンターです。
個人的にあまり紹介したくないこの世で最高のオーストリが食べられるMa***では(私が顔を覚えられていることもあるかもしれませんが)笑顔で「お前また来たんかwww(想像訳)」とか言われるわりに現地民と同じルール(メニュー・注文・支払い全てカウンター)です。
常連さんまで私の顔を覚えたらしく、「お前オーストリばっかやんけ、これも食えやwww(想像訳)」とオススメを紹介してくれます。
オーストリとパンだけでおなかいっぱいなので一人だと他の注文をする余裕がありません。
2020年、新型コロナウイルスについて
2020年、世界が未曾有の危機に見舞われています。
ジョージアはまだ日本を含めたアジア圏すら感染者が少なかった頃に中国からの直行便を停止しました。
そのおかげか、初の発症者が出たのはイタリアでの大発生よりはるか後です。
2020年4月には300人を超えたこともあり、「緊急事態宣言」を発令し夜間の外出禁止、薬局とスーパー以外のお店の営業禁止、地下鉄やバスの運行禁止と次々と対処をしています。
スーパーでも個人商店では1人ずつしか入れないですし、大型スーパーでも人数制限がかかっており外で2メートル間隔で並んでいます。
旧ソ連圏の人たちが順番に並んでいるのを初めてみました
2020年4月23日時点では420人です。
新型コロナウイルス関連での差別はある?
そもそも私自身が早い段階で自宅待機を始めたこともあり、新しく人と出会う確率が少ないのですが、馴染みのスーパーやアパートのオーナーなどはみんなお互いを気遣っています。
特にオーナーはマスクがどこで手に入るかなどをネットで調べて教えてくれたりとても助かっています。
街中を歩いていて(それもスーパーまでの片道5分、人通りの少ない道ですが)「中国へ帰れ!」と罵声をかけられることはありません。
まだジョージア国内に感染者が一人もいなかった頃に「キミはコロナかい?」と言われたことはありますが、お互いギャグで済ませられる状況でした。
※その友人は私が2019年からジョージアにいるため感染者でないことを知っていたから冗談が言えたのだと思います
新型コロナウイルスの日常生活への影響
当然ながら、観光地は全て機能していません。
上述のように乗り物が全て動いておらず、夜21時から朝8時までの外出は禁止されています。
解禁されました
スーパーでは買い占め騒動こそ起きていないものの、野菜や果物の質が悪化しはじめています。
日によって・時間帯によって質の上下はありますが、品ぞろえは豊富で毎日新鮮な野菜が入荷しています
ジョージアのニュースでは「物価が上がり始めている」と言っていましたが、今のところ私に直接影響があるのは頻繁に買っていたクッキーが1割値上がりしたくらいです。
お米や肉などジョージア国内で生産しているものは値上がりしていないようです。(6月時点)
通っていたロシア語学校は2月に閉鎖されたままです。
宿はairB&Bなのですが、「私がいなくなったら次の客がほぼ確実に来ない」という状況なのでかなり値下げに応じてくれそうな雰囲気です。
とはいえもともと月3万円で光熱費無料WiFi使い放題というクレイジーな安さです。
生活費コミコミで月5万円もあればお釣りが来ます。
※保険は別途(1.5万円/月)
ジョージアに「疎開」はやめて
他の国と比べると、ジョージアは感染者の人数も致死者も少ないです。
ですがそれは政府のすばらしい対応と住民の必死の対策が功を奏しているからです。
この国に今来るのはやめてください。
というかたぶん来れないです。
4月時点では国境封鎖が続いています。
在ジョージア日本大使館の情報によれば5月22日まで、国境封鎖を含む「非常事態宣言」が延長されました。
日々延長され続けています。
ジョージアから外国に行く(帰る)ための飛行機は民間のものではなく政府の依頼を受けた臨時便だけだそうです。
7月1日から観光客の受け入れが開始されます。
特効薬が見つかったり感染者が激減してから来てください。
最後に
ジョージアでの日本人への差別などについて紹介しました。
私自身は差別らしい差別を受けたことがありません。
もちろんジョージア語やロシア語を喋れないことで意思の疎通ができなかったり、ルールの違いにより不便が起きることはあります。
ですが私たち日本人観光客はお客さんではありません。
私はあくまでこの国に滞在させてもらっているだけであり、この国はジョージア人のものです。
そういう考え方をしていれば「自分が満足いくサービスを受けられなかった」という理由で嫌な思いをすることは少ないでしょう。
なお、新型コロナウイルスに関しては政府・民間が協力して必死で抵抗を続けています。
さすがにゼロとはいきませんが、近隣国と比較しても感染者・致死者ともにとても低く抑えられています。
※感染確認者の比率は日本以上ですが致死率は日本より少ないです
この国はとても素晴らしいです。
元々「物価が安くビザなしで長期滞在可能な外こもりの聖地」として認識していましたが、今回の緊急事態での対応でますますジョージアを魅力的に感じるようになりました。
新型コロナウイルスが終息したらぜひジョージアに遊びに来てください。