「汗水流して働くことは尊いこと」
「ラクしてお金を稼ぐのは悪いこと」
これは私が亡き父から教えられた「仕事論」です。
昭和時代だったらそれでよかったのでしょうね。
ラクしてお金を稼ぐとは?
まず、「ラクしてお金を稼ぐ」とは何でしょうか。
そもそも「ラク」って何でしょうか。
コンビニ強盗未遂が捕まったというyahooニュースを眺めていたら、コメント欄に「ラクしてお金を稼ぐとずっと強盗し続けなけりゃならなくなる」というようなことが書かれていました。
私は実際に強盗をしたことがないので本当のところはわかりませんが、強盗は「ラクしてお金を稼ぐこと」ではないような気がします。
なぜなら、「警備の有無や店員の人数、レジ内の額や金庫の有無」などの下調べが必要ですし、今の時代なら確実に顔がバレるので「お金を手に入れた後にどう逃げ続けるか」も考える必要があります。
リスクとリターンが釣り合わないですよね。
「ラクしてお金を稼ぐ」というのは、収入が発生するまでの労力の少なさに目が行きがちですが、収入を得た後に問題が発生しないのは当たり前の条件ですよね。
人によってラクは違う
私はプログラミング作業は比較的ラクです。
車の運転がラクだという人も、肉体労働が何も考える必要がなくてラクだという人もいます。
念のため言っておきますが、大前提として「どの仕事が上か」の議論は成立せず全ての仕事が平等に尊いです。
頭脳労働が肉体労働より上と言うつもりはありません。
それとはまったく別の話で、人によってラクだと感じる仕事は違います。
また、多くの人が勘違いしていますが「ラク」と「楽しい」は正確には違う感情です。
「ラク」か「楽しい」か
「ラク」は労力が少ないことを指します。
「楽しい」はその仕事そのものにポジティブな気持ちで取り組むことを言います。
英語で言えばわかりやすいでしょう。
ラクはeasy,simpleです。
楽しいはenjoy,pleasantです。
相反するとまでは言いませんが、違う意味であることは明らかですよね。
楽しいと感じていれば結果的に苦痛が少ないのでラクと感じることはあります。
ラクな仕事で大金が得られるのであればその結果楽しいと感じることもあります。
ただし、完全なイコールではありません。
たとえば単調な仕事はラクでその結果お金が得られるなら楽しいかもしれませんが、仕事そのものは楽しくはないでしょう。
自分の好きなことであればラクな道のりでなくても楽しいでしょう。
ラクしてお金を稼ぐのは悪いこと?
悪いことなはずがありません。
「ラクをすると将来苦しい状況になったときに耐えられなくなる」
なんて言う方がいますが、そもそも耐える必要がないんです。
苦しむことが前提の生き方は辛いです。
ただでさえ辛い仕事を選択しておいて、さらに将来苦しい状況を想定するという地獄の人生計画を立てるのはやめましょう。
なお言うまでもありませんが、今回のコロナ禍のような困難において、外出自粛という困難を避けて一人だけ外に遊びに出るのは話が別です。
社会に迷惑をかけないという条件はどんな生き方をする場合でも守らなくてはなりません。
そしてそういった困難への忍耐力は仕事が辛いかラクかということとは無関係です。
ラクをするために考える必要はある
「どうすればラクができるか」はラクをしたい人が常に考え続けなければいけないことです。
省略していい仕事としてはいけない仕事、時代の変化によって省いてよくなったものと付け加えなくてはならないことなどの調整が必要です。
今あるスキルでもっと効果的に稼ぐにはどうしたらいいか。
新しく興味を持ったスキルを使って稼ぐにはどうしたらいいか。
そもそもそのスキルをどうすればラクに身に着けることができるか。
ラクをするというのは何もしないということではありません。
結果だけを見れば手を抜いているように見えてもそのための下準備に相当な思考が必要です。
その思考の結果、労力をかけずに収入を得ることができるようになるのです。
ちなみに、スキルの習得において「最短距離で習得する」をラクと考える人と「習得過程でのストレスを極限まで少なくして遠回りして習得する」のがラクと考える人がいます。
どちらも間違いではありません。
時間制限がないのであれば私も後者を選びます。
最後に
「ラクしてお金を稼ぐ」のは悪いことという考え方をしている人は多いです。
もしそれが強盗などの犯罪行為で稼ぐことを指しているのであれば、そもそもそれはラクではないです。
犯罪行為ほどリスクとリターンのつりあわない行為はありません。
大金を得ても捕まって使えなくなったり、堂々と使えず常に逃げつづけなければいけないならラクではありませんよね。
冒頭で例に出したyahooニュースのコンビニ強盗はラクでも何でもありません。
コンビニのレジのお金は数万円程度です。
リターンが少なすぎて正常な判断ができる人なら候補にも挙がらないはずです。
無駄を省いてルーチンワークを自動化したり外注化することこそが本当に「ラクしてお金を稼ぐ」ということではないでしょうか。
だとするのであれば、それは悪いことではありません。
むしろ資本主義社会において真っ当で王道な働き方と言えるのではないでしょうか。