悩み

好きな仕事なら不満も愚痴も文句も言ってはならないという謎風潮とうざい素人のアドバイス

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芸術系の仕事に就いている方は「好きでやってんだから文句言うなよ」と言われることが多いそうです。

 

私の仕事は芸術系とは言い難いですが、好きなことで生活費を稼げているので芸術系の方と同様に「好きでやってんだから我慢しろよ」と説教(?)されます。

 

勘違いしてませんか?

 

「好きな仕事」は、その仕事のありとあらゆることが全て自分にとって好ましいというわけではありません。

 

仕事に関する雑事や人間関係のめんどくささは「嫌々仕事している人たち」とそんなに変わりませんよ。

 

じゃあ「やめればいいじゃん」というのなら、その言葉をそのままそっくり嫌々仕事をしているらしき相手へお返します。

 

 

 

好きな仕事なら不満も愚痴も許さないという人たち

 

私の周囲のこの思考を持つ人たちは、「自分で選んだんだから自己責任」と考えているようです。

 

なるほど、わかります。

 

では、それを言っている「仕事に不満がある人」も同じですよね。

 

嫌々仕事をしているのだとしても、その会社を選んだのはその人自身です。

 

学歴が足りなかったり就活を頑張らなかったりした結果、「好きでもない仕事」をするハメになってわけですよね。

 

じゃあ、「当時の自分が頑張ることよりラクをすることを選んだ」という自己責任じゃないですか。

 

好きで仕事をしている人に向かって「仕事が好きだろうと嫌いだろうと、自分で選んだんだから文句を言うのはおかしい」というのならわかるんです。

 

でもそういう人に限って自分は愚痴を言いますよね。

 

自分はいいけど「好きで仕事をしていると口にしている人」が不満を言うのは許さないというのは、彼ら彼女らが得意げに指摘する「ダブルスタンダード」ではないのでしょうか。

 

 

世の中には「完璧に自分にとって都合のいい仕事」は存在しない

 

ピアノが好きだから演奏家になったり、絵が好きだからイラストレーターになったり。

 

これらは「好きな仕事に就いている人」と言えますよね。

 

でも、ピアノやイラストが好きだからといって仕事としての雑事を全て好ましく思えるかは別です。

 

「ピアノを演奏するのは好きだけどコンサートのブッキングやチケットの販売・宣伝などは好きじゃない」だとか「絵を描くのは好きだけど毎日20時間近く椅子に座り続けるのは辛い」といった、「好きな行為そのもの」以外の部分に不満があるのは普通です。

 

だから「好きな仕事」と表現していても、それはその仕事の全てが好きという意味ではないんです。

 

 

好きなら我慢しろ?

 

こういう話をすると、「好きなんだったら我慢できるでしょ?」とヘラヘラしながら言ってくる人たちがいます。

 

繰り返しますが、「好きな仕事」の全てが好ましいと考えている人は滅多にいません。

 

「ここがこう変わればもっとよくなるのになぁ」という思いはあって当然です。

 

「不満や愚痴があるならそれを改善するように行動すれば?」と指摘するのならアリですが、「好きな仕事なら不満を口にせず我慢して働け」というのは違うのではないでしょうか。

 

この思考の人たちは、おそらく「俺がこんなに嫌々仕事をしているのだからお前も苦しめ」という思いがあるのでしょう。

 

自分が苦しんでいる事と相手が不満を持つことに関係はありません。

 

自分が辛いから他人も辛くいろというのはクレイジーです。

 

 

好きな仕事をしているのなら他人からの暴言も黙って受け入れろ(?)

 

「自分が辛いから相手も苦しんで欲しい」という思考の人たちは、「好きな仕事をしている人」の粗探しも大好きです。

 

芸能人相手の暴言がまさにその典型です。

 

そして「好きで選んだ仕事なんだから周囲からの言葉に反論するな」とばかりに暴言を繰り返します。

 

非常に厄介なのが、「自分は誹謗中傷しているわけではなく、アドバイスを口にしているだけだ」と本気で考えている人がいる点です。

 

一方的に自分の好みを押し付け、「こうじゃなきゃダメだ」と指摘することはアドバイスではありません。

 

 

アドバイスなのか暴言なのか

 

アドバイスと暴言の境目は「言う側がそのジャンルで相手より結果を出しているか」だと私は思います。

 

同業者のようにそのジャンルをよく知っている人のアドバイスなら聞く価値はあります。

 

ですが、客を含めた素人の生半可な要求はアドバイスとは言えません。

 

「客が何を求めているか」の参考になりますが、仕事である以上様々な制約がありますし、オーダーメイドのような1対1のサービスでなければ「たった一人の声の大きな客」に合わせることが正しいとは限りません。

 

だから、客の立場からモノを言う際は「アドバイス」ではなくあくまで「一個人の要求」止まりだと考えてください。

 

なお、「素人の思いつきが専門家の固定観念を壊す」というのはたしかにゼロではありません。

 

ただ、ゼロではありませんが限りなくゼロに近いです。

 

最近流行りの「水平思考」と混同している人がいますが、水平思考はたくさんの突拍子もないアイデアから「分析して使えるものを選択する」という考え方です。

 

素人が分析もせず思いつきでたった一つのアイデアを口にして「ダメ元でとりあえずやってみたらいいじゃん」は無責任すぎます。

 

大半はすでに先駆者たちがやってダメだとわかっていることだったり、やらなくても明らかにダメなポイントが存在したりします。

 

ほとんどの場合、素人の考えは四六時中そのことを考え続けているプロに及びません。

 

 

最後に

 

「好きで仕事をしている」というと、愚痴や不満を許さない人や摩訶不思議な暴言を吐く人がたくさん寄ってきます。

 

好きで仕事をしているからといって、仕事に関連する雑事の全てを好んでいるわけではありません。

 

「好きで仕事をしている人」には何を言ってもいいと思っている人も多いですが、(たとえ客だとしても)無関係な他人からの暴言は好きにはなれません。

 

特に「自分ではアドバイスだと思い込んでいる素人の要求」は本人が迷惑だと思っていないだけに質が悪いです。

 

 

 

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