今年も就活が苦しいようですね。
「いや、〇〇年のほうが地獄だった」と言いだす高齢者もいますが、当事者の就活生にとっては関係ありませんね。
ところで、就活生は面接対策をたくさんしますが、ある問いに明確に答えられる人がほとんどいません。
全ての面接はとどのつまり「この問いの答えを持っているか」を知るためのものです。
就活生はぜひ一度考えてみてください。
面接官が本当に知りたいこと
それは、「あなたを採用する理由」です。
より明確にするならば、「あなたを採用することでわが社はどんな利益があるのですか?」ということです。
面接では「学生時代に何に打ち込んだか」「あなたはどんな人ですか」「わが社に就職したらどんなことをしたいですか」などなど、たくさん質問されるでしょう。
これらは「あなたは自分自身のそれらの経験をわが社でどう活かすつもりか」と聞いているんです。
だからただ「ボランティアを頑張りました」「部活・サークルを頑張りました」で終わってはダメなんです。
「~~を頑張りました。だから御社に入社したら〇〇ができます」と答えられれば、「なるほど、それはメリットになるな」と感じてもらえます。
そんなこと言われても働いたことないからわからない
社会人経験のないあなたはこう思うでしょう。
「何するのか具体的にわからないのに答えようがない」と。
ですが相手の立場になって考えてみてください。
「自分は何ができるかわかりませんがお金が欲しいので雇ってください」「私は御社の仕事ができるかわかりませんし興味があるかもわかりませんが頑張ります」
こんな怪しい人を雇いますか?
人手が足りなくてあなたしか面接に来なかったら渋々採用するかもしれません。
でも他にちゃんと会社に貢献できそうな人が他にいたら、確実にそちらを採用しますよね?
自分からその会社の採用試験に応募しているのですから、その会社の理念やビジネスシステムを理解し、自分が興味を持ってできそうなことを過去の経験と照らし合わせながら主張してみてください。
例
私はIT企業に勤めていたのですが、文系の就活生もたくさん来ました。
その中には、ネットなどで「今は文系からプログラマになる人が多い」という情報の表面上の字面だけ読んでノーガードでやってくる人もいました。
「プログラミングは採用されたら働きながら覚えます。やったことがないので得意か苦手かもわかりませんが頑張ります」
こんな人でも欲しい企業がどんな労働環境なのか、想像してみてください。
ちゃんとしたIT企業に就職したいのなら「私は文系なので学生時代にプログラミングを本格的には学んではいませんが、独学で〇〇を学び始めました。プログラミングの〇〇が好きでもっと深く学んでいくつもりです。この技術を磨き、御社に貢献できるように頑張りたいと思います」くらいは必要です。
もちろんこれをそのまま言っても「みんなそう言うんだよね」となります。
実際にどのくらい頑張っているのかを伝えるには、資格を取得することやプログラムを完成させることが必要です。
面接の場で「自分でこんなプログラムを作りました」と語る学生は少なく、実際にその場で見せる準備までしている人は皆無です。
だからこそ、それができれば少なくともプログラムへの興味・学習意欲は認めてもらえます。
もちろんプログラミングは多岐に渡るため、官公庁向けのシステム開発をする企業相手にスマホゲームのアプリを作ったと言っても効果は薄いです。
※無意味ではありません。少なくともそのプログラミング言語をある程度使いこなせることの証明になりますし、一つの言語が使えれば異なるプログラミング言語も応用が利くので何もしていない人よりははるかに好感触を与えられます
企業側が何を求めているかの答えを伝えられるように考えましょう。
挨拶も言葉遣いも身だしなみももちろん大事ですが、お辞儀の角度が多少浅かろうと「座ってください」と言われる前に座ってしまおうと、あなたが会社にメリットを与えられる存在であることが明確ならば採用の可能性は非常に高いです。
就職活動は「営業」と同じ
「就職活動は営業と同じ」という言葉を聞いたことがありますよね。
おそらく就活セミナーに参加すれば必ず言われるでしょう。
あなたが売り込みたいのは「あなた自身」です。
あなたという商品を買うことで、会社側にどんな得があるかを考えてください。
※会社はあなたに対して給料というとても高いお金を何年間も払うことになります。その額は仮に超絶ブラックな企業に3年務めたとしても総額500万円は超えるでしょう。それほどの高額商品を売り込んでいるという自覚を持ちましょう
会社は慈善団体ではありません。
だからどんなに頭を下げても、メリットよりデメリットが大きければ採用されません。
就活では「自分がその会社に入りたい」という熱意をアピールする人が多いですが、これは押し売りに近い状態です。
「買ってください!すごいので買ってください!!」と連呼されても自分にとって買う価値がないならいらないです。
自分のメリット・デメリットを理解し、それらが志望している企業にどんな利益を産むのかを常に念頭に置いて喋りましょう。
最後に
就活での「面接官が本当に知りたいこと」を紹介しました。
これは就活だけの話ではありません。
就活が「営業のようなもの」とたとえられることが多いように、営業という仕事においても当然答えられなければいけない問いです。
その他、恋愛でも告白する側(付き合って欲しい側)が相手に伝えられれば成功確率は上がります。
※直接「俺/私と付き合うとこんなメリットがある」と主張するのではなく、オブラートに包みそれとなく伝えるという手法を取る必要があります
就活がまだ先の子どもたちは、親に「買って欲しい」とおねだりする際にも使えます。
これらはすべて「プレゼン」という社会人になると誰もが知ることになる行為です。
※「社会人全員が当たり前のようにできている」というわけではありませんし、私自身も完璧にできているとはとてもではないですが言えません
なお、もしあなたが今回この方法を初めて知ったのなら、「次回の面接からバリバリ実践できる」ということにはなりません。
なぜなら経験がない上に緊張するからです。
知ったばかりの知識を実践するには場数が必要です。
始めはうまく行かないかもしれませんが、何度も挑戦すればできるようになります。
失敗をしても「自分にはできないんだ。自分は就職なんて無理だ」なんて思わずに、長いスパンで考えてください。