「一度でも失敗すると終わる」と思っている人が多いです。
たとえば高校生くらいまでなら「クラス」というコミュニティが世界の中心になっているため、そこで村八分にされると辛い思いをしなくてはなりません。
自分がその思いをしていなくとも、クラスに爪弾きにされた人がいたら「自分がそうなったらおしまいだ」という恐怖がトラウマとして残るでしょう。
そのまま大人になると、必要以上に失敗を恐れて動けない人間になります。
人の顔色を伺い、先頭に立つことなく「歯車」「潤滑油」として溶け込んでもある程度はなんとかなることが多いです。
ただ、なんとかならない状況になってもまだ動けない人が多い気がします。
現状に不満があるのなら行動しないでじっとしていることそのものがマズいです。
わかっていても「行動して失敗したらどうしよう」と考えてしまう人に言わせてください。
あなたにとって「取り返しがつかない失敗」とは何でしょうか。
具体的にどうなったら取り返しがつかないのでしょうか。
目次
取り返しのつかない失敗とは
私は周囲から胡散臭いと言われることなど、いろいろなことに手を出してきました。
たとえば、「ウクライナ」「ベラルーシ」といった国にも滞在経験がありますし、日本にいたときにマルチまがいの勧誘にも話を聞きに行ったことがありました。
今よりもっと風当たりが強い時期からブログを運営していましたし、株もFXも経験があります。
株とFXは知識とスキルと経験と勘と運と常識が足りずに撤退しました。
それでも私は取り返しのつかない失敗は発生していません。
まず、ウクライナに関してですが、まだロシアがクレイジーな事をする前の時期に訪れており、さらにはクリミア半島など本当に危険なエリアには足を運んでいません。
ベラルーシは首都ミンスクのみの滞在で、警官やごつい体の警備員がいるような場所ではこちらから話しかけて「ここは入っていいか」「写真を撮っていいか」と確認しています。
他の国でも、当然ながらスラム街に観光に行くようなバカなことはしていません。
マルチまがいの勧誘でも、ご飯をごちそうになりはしたものの「マルチがなぜうまくいかないのか」「そもそも私のような根暗な人間が友人をたくさん勧誘できるはずがない」と懇々と説明して切り抜けています。
「それをすることによるメリットとデメリット」をしっかり事前に調べれば、取り返しがつかなくなるほどの失敗はしません。
「法に触れているか」が自分でわからなかったら法に詳しい人に確認しましょう。
※友達に確認するのは無意味です。その友達が法に詳しくないのなら、「なんかわからないけどやってみたら」か「なんかわからないけどやめたほうがいいんじゃない」という根拠のない返事が来るだけです
私のもとには稼げるかわからない儲け話がたくさん入ってきますが、それらは「お金の流れがどうなっているのか」つまり「誰が払ったお金が誰に分配されるか。自分は何をすることで何が得られるのか」を明確にするようにしています。
特に「初期投資」「活動費用」などの払うべき額がどのくらいになるのかは把握しておきたいところです。
そこが明確なら大失敗しても金銭的損失は当初の想定を上回ることは少ないです。
「1円も損したくない」「1分たりとも無駄にしたくない」
失敗を恐れる人は、初期投資を極端に嫌がり無料でなんとかできないかと言い出したりします。
さらには「失敗したら努力が無意味になるじゃん」などと時間をかけることすら嫌がります。
まず、「初期投資して道具やスキルを手に入れた状態」と「無料で何もない(または元々あるものだけの)状態」ではスタートラインが違うことを理解しましょう。
お金を払うことで得られるもののほとんどは、無料で得られるものよりも高いスペックになっています。
もちろん「本当に必要か」を調べる必要はあります。
ネットに文章を投稿するだけのお仕事にリンゴのマークのはいった高スペックな薄いノートパソコンは不要です。
また、全ての「新しい挑戦」において、時間を使うことは必須です。
「勉強はしたくない、練習もしたくない、最初から収益を生まなくては詐欺だ」という人はアルバイトをしてください。
趣味の世界でも同じです。
最初から神絵師のような絵が描けなければ自分には向いていない、最初から波のトンネルを駆け抜けられなければ才能がないなどと思うのであれば、攻略サイトが充実している発売数か月後のやり込み要素がないゲームでもしていてください。
趣味の世界は「楽しい」という感情の対価にお金や時間を払うことになります。
だから実際にそれをすることが法に触れたり健康に悪かったりしないなら、とりあえず試してみたらいいでしょう。
とりあえずやってみて、思うような結果(=楽しいという気持ち)が得られないのならやめたらいいんです。
継続したら結果が出る可能性はありますが、趣味の世界ならばそもそも強制されているわけではないので面倒ならやめてもいいんです。
それは「取り返しがつかない」失敗ではない
初期投資をしたり、勉強・練習に時間を使っても失敗することはあります。
残念ながら、どんなに才能があっても「外部要因」を跳ね除けることはできません。
外部要因とは、法律などのルールや流行り廃り、そして世界的に流行したあの感染症や一部の国のトップのクレイジーな決断なども含みます。
外部要因は一人の人間が完璧に予測しきることはできません。
だからそれが原因で失敗するのは仕方がありません。
ただ、投資額を明確に理解しており経済的に生き残れる程度に抑えておけば「取り返しがつかない」ことにはなりません。
失敗により時間が無駄になっても、そこで得た知識やスキルを別の挑戦で再利用できるのなら「取り返しがつかない」にはなりません。
狭い視野だと「取り返しがつかない」と感じる
その場その場の狭い期間狭いコミュニティしか見ていないと「取り返しがつかない」と感じがちです。
たとえば100万円を注ぎ込んだ挑戦に失敗したら「その100万円そのものは取り返せない」かもしれません。
でも、100万円は別の方法でまた貯めることができます。
3年間執筆し続けた小説が大賞を取れなかったら「別のことができたであろう3年間の時間」は取り返せないかもしれません。
ただしその小説自体は(大賞への応募規約に違反しないのなら)別の方法で世に出すことができます。
今の時代、大賞を取らずともネットで無料公開ができますし、アマゾンのキンドルなど電子書籍として出版することだってできます。
さらに言えば、3年もかけた大作を書き切る能力があるのなら、その経験を活かして別の作品を書くことだってできるでしょう。
次はもう少し短くして、ネットなどの反応を見れるように連載風に発表する手だってあります。
私は小説に詳しくないので上記の案がベストではないと思いますが、要は「大作が取れなかったら全てが終わりではなく、別の方向で何かできる」と言いたいんです。
だから当初の目的が達成できなかったとしても、その過程で得たものは残るので「取り返しがつかない」なんてことはないんです。
コミュニティや友達は「一生モノ」か?
失敗した姿を笑う人は多いです。
恥ずかしい失敗をしたらそのコミュニティに居づらくなるかもしれません。
友人にずっと笑い続けられるかもしれません。
もしそうなら「そのコミュニティや友人は一生ものか?」と自問してください。
あなたの挑戦を茶化すような人はあなたに必要ですか?
そのコミュニティ、その友人は一生付き合い続けなくてはなりませんか?
もしそう思うなら、つまり「コミュニティや友人との関係が壊れる」=「挑戦した時のデメリット」が「挑戦した時のメリット」を上回るのであれば挑戦は諦めましょう。
私は「なんでもかんでも挑戦することが偉い」とは言っていません。
最後に
私にとって「取り返しがつかない失敗」というのは、法に触れてしまうような間違いや、心身を壊してしまうような損失、もしくは大きな借金を抱えて経済的に立ち直れない状況くらいです。
それ以外はなんとかなります。
多くの人は「今の状況」を守りながら新しいことをしようとします。
今の状況とは、預貯金や空き時間なども含めます。
要は「お金は出したくない」「勉強や練習のために時間をかけたくない」ということです。
そのうえで「何一つ失敗したくない」とか思っています。
そりゃ無理ですよね。
才能やスキルがすで備わっているのならできるかもしれません。
そうでない人はお金をかけてスタート時点でのブーストをするか、時間をかけて知識やスキルを蓄えるのが手っ取り早い王道スタイルのはずです。
事前に失敗した時のリスクをしっかり調べ上げておけば、取り返しがつかない状況にはなりません。