ロシア語は難しいですよね。
日本語や英語では馴染みのない「格変化」に苦戦する人は多いでしょう。
特に前置詞はそれぞれ固有の格を要求するため、文法的にめちゃくちゃになりがちです。
旧ソ連圏であるジョージアでロシア語講師の経験がある美女に「前置詞の覚え方」を聞きましたので情報を共有します。
単語で覚えようとしてはいけない
「до」という前置詞をдо,до,до,доと覚えようとしても、会話で使えるようにはなりません。
これでは支配格を別途覚えなくてはならないので二度手間です。
とはいえ、「доの支配格は生格」という記憶方法も悪手です。
文法を「理屈」として覚えるのは筆記試験では便利ですが、会話のようなリアルタイムでの受け答えに対応しきれません。
ロシア語会話は「音のリズム」を重視しましょう。
日本では英語教育を筆記主体で教えており、発音に関しては「ネイティブに発音すると笑われる」というクレイジー極まりない悪習があります。
もし「会話」をしたいのなら、この洗脳から抜ける必要があります。
前置詞をリズムで覚える...とは?
「до полдня」など、後ろを繋げて覚えましょう。
доを使おうと頭に浮かべた瞬間に「до полдня」が連想されるようになるのがベストです。
「доの支配格は生格だったな」と思い出さずとも、「-я」から想像できる状態になれるように体に覚え込ませましょう。
ロシア語の格変化は性別ごとに似通っているため、「音のリズム」を覚えていれば別の単語でもなんとなく使えるようになります。
※初心者レベルでは難しいですが、中級者レベルになると「音のリズム」を理解しているかどうかがとても重要です。
変化のある格を使うこと
無生物の男性名詞は主格と対格が同じですよね。
だから対格を要求する前置詞を覚える際に無性別の男性名詞を使わないほうがいいです。
全ての格で異なる変化をする女性名詞がオススメです。
意味が似ている前置詞の覚え方
「в」「на」など、日本語で覚えようとすると同じ意味になってしまう単語がいくつもありますね。
「в」は「中へ」、「на」は「上へ」と訳したりしますが、実際には「海へ」だったり「道路へ」だったりするので「中」「上」という日本語で覚えていると厄介です。
こちらも後ろに名詞をつけて覚えることで「どんな単語に繋がるのか」が覚えやすくなります。
例:「в школу」「на улицу」など
意味が似ていて支配格も同じ前置詞の覚え方
日本人が最も厄介と感じる前置詞の一群である、「из」「с」「от」問題。
~からという意味で、3つとも支配格が生格です。
これは「~まで」という前置詞とセットで覚えるのが最適解です。
из...в...
с...на...
от...до...
もちろんこれも名詞を一緒に覚えるのがオススメです。
最後に
ロシア語の前置詞の覚え方を紹介しました。
理屈を知っておくことは大事ですが、理屈のみでは会話はできません。
前置詞を覚える際には、必ず後ろに来る名詞をセットにしてイメージで覚えましょう。
もちろん前置詞だけでなく動詞も同様です。
「これは自動詞」「これは他動詞」「この動詞の支配格は対格ではなく造格」などという理屈で覚えようとすると頭がパンクします。
あなたがもしロシア語検定のために学んでいるのなら理屈で覚える必要があるかもしれません。
ですがもしロシア語で会話をしたいと考えているのなら悪手です。
会話のキャッチボール中に頭の中で理屈をこねる時間はありません。
前置詞も動詞も名詞とセットで覚えるようにして、多少間違ってもいいので音のリズムで口を開きましょう。