「1万時間の法則」はご存知ですか?
元々は「プロアスリートが結果を出せるようになるまでに1万時間は練習をしている」というものです。
これが転じて、一般人であっても「何かを1万時間勉強したり練習すれば、プロレベルになれる」とされています。
ですが、ネット上では「1万時間ぽっち頑張ったって才能がない人は結果を出せない」と、この法則を否定する人たちがいます。
まず、大前提として、否定派の彼ら彼女らはほぼ確実に「1万時間」打ち込んでいません。
1万時間、何かに本気で取り組んだら超高確率で何らかの結果が出ます。
目次
1万時間は甘くない
文字で見る「1万時間」と、実際に何かに本気で取り組む1万時間は大きく違います。
多くの人は、たとえ自分が好きな「趣味」であっても1万時間をかけられていません。
社会人の「1万時間」
サラリーマンが同じ部署で5年も続ければ、その部署での仕事にも慣れ、後輩を育成できる程度のスキルが身につきます。
これは「そのジャンルのプロ」と言っていいレベルです。
サラリーマンが年間250日(休みは有給など全て含めて115日)、毎日定時で上がれる8時間労働という超絶ホワイト企業に務めていると仮定しましょう。
1年間の労働時間は250日×8時間=2000時間
5年間で10,000時間です。
サラリーマンは、起きている時間の大半をその仕事に費やす「その道のプロ」です。
新入社員が先輩のフォローもなく一人で頑張れるようになるまで3年、後輩を持ち育成できるようになるのにさらに2年で合計5年と考えると「1万時間」は妥当ではないでしょうか。
もちろん言うまでもありませんが「1万時間に満たないのに役職に就いた」とか「1万時間かけても使えない社員がいる」というパターンもあります。
「1万時間」はあくまで目安です。
1万時間否定派、本気で取り組んだことがない説
私の周囲で「1万時間の法則」を否定している人の大半は「意識高い系」です。
私の言う「意識高い系」は、「言うことは壮大で、結果を残している人の名言を多用するものの、自分自身は行動していない人たち」を指します。
意識高い系の人たちは「1万時間の法則はあてにならない」と言い、努力・勉強・練習を嫌い、「労力をかけずにデカいヤマを当てること」を夢見ています。
※彼ら彼女らはこれを「スタイリッシュ」と表現したりします
「プロ」は金メダリストやノーベル賞受賞者だけを指さない
「1万時間の法則」を勘違いしている人の中に、プロを「そのジャンルの第一人者クラス」と考えている人がいます。
すでに多くの人が取り組んでいるジャンルであれば、1万時間ぽっちで第一人者になるのは難しいです。
第一人者はとっくに1万時間を超え、さらに毎日私たち素人・初心者を遥かに上回る努力を繰り返しています。
私が当記事で使っているプロというのは、「そのスキルで生活費が賄える」レベルだったり「知らない人からもスゴイネと言ってもらえる」レベルだったりを指します。
「お金を貰っているならプロ」という表現がありますが、生活費を稼げるレベルであれば十分プロと呼んでいいのではないでしょうか。
何も考えず1万時間同じことをしても効果は薄い
「1万時間の法則」は、「本気で」取り組む必要があります。
「本気」というのは、常に死に物狂いでやるという意味ではなく、自分のできるペースで自分の成長に合わせて取り組む内容を変えていくことを指します。
つまり、正拳突きを1万時間繰り返しても試合で勝てるようにはなりませんし、バットを1万時間降り続けても野球選手にはなれないということです。
本気で取り組み、自分にあった勉強法・練習法を試行錯誤していくのはとても大変です。
1万時間はとてつもなく長い道のりです。
でも、それだけのことをすれば何らかのスキルは身につきますし、それだけやったという自信も持てるでしょう。
ちなみに「そのスキルで生活費を稼ぎたい」という場合は、スキルそのものの上達だけでなく、収益化・マネタイズといったことも考える必要があります。
今の時代、ブログやYouTubeなど個人で発信できるものが増えているので、昭和の時代と比べたらかなり収益化は簡単になりました。
※「昭和と比べたら」という話であり、片手間で出来るとは言っていません
最後に
ということで、「1万時間の法則」は間違いではありません。
否定している人の中に、「本気で1万時間取り組んで、何一つ身につかなかった人」はいないはずです。
ちなみに「本気で取り組む」には、「先人に教えを乞う」「一般の人に成果を見せて判断を問う」なども含まれます。
先輩からの指導で正しい方向に修正し、一般の人に見せて評価される方向に修正するといった作業を繰り返せば、何かしらは得られます。