たくさん人生経験を積んだはずの方が「電車でみんなスマホを弄っている。異様な光景だよ」と嘆いています。
本当にそうでしょうか。
スマホはゲーム機だと思っていませんか?
スマホはTwitterやYouTubeしかできないものだと思っていませんか?
スマホでできること
スマホを使いこなせていない方はご存知ないかもしれませんが、スマホはかなりのことができます。
ゲームやTwitterなどのSNS、YouTubeやU-nextなどで動画(テレビ・映画含む)も見れます。
でもそれだけじゃありません。
たとえば本を読むことができます。
漫画だけじゃありません。
小説や実用書も読むことができるんです。
音楽だって聴けます。
昭和の頃と違いカセットテープもCDもMDも不要で、今の時代はスマホに音楽をダウンロードするのが主流です。
さらに英語の勉強で昭和の頃から使われてきた「単語カード」の代わりをするアプリなど、勉強のためのツールにもなります。
スマホばっかりやったらバカになる?
このセリフを口にする人は「電車でスマホを見ている人」が全員遊んでいると思っているのでしょうか。
スマホは上記の通り様々な事ができます。
遊んでいる人もいれば小説を読んでいる人もいて、学校の勉強や資格取得の勉強をしている人もいます。
つまり、昔の「漫画を読む人」「小説を読む人」「新聞を読む人」「音楽を聴く人」などの様々な人の大半がスマホでそれを代用している状態です。
スマホなんかやらずに本を読め?
スマホを嫌う人は「スマホなんかやらずに本を読め」などと別の事をするように指摘します。
もちろんここでいう「スマホなんか」というのはゲームやTwitterなどを指しているのでしょうが、上記の通りスマホで本を読めます。
昭和の時代と比べてどうなのか
残念ながら「電車内でスマホを見る人は具体的に何をしているのか」を本格的に調査したものが見つけられませんでした。
また、昭和の時代に電車内で何をしていたのかについても当時の曖昧な記憶以外に指標になる調査も見つかりませんでした。
個人的には、スーツを着たサラリーマンがジャンプやマガジンといった週刊少年漫画誌を読んでいることに違和感を覚えた記憶は残っています。
※当時、私は子どもだったのでサラリーマンを着た大人は遊んだりしないものだと勘違いしていました。大人になった今、私自身も普通に漫画もゲームもしています
昔はこんなんじゃなかった?
当ブログは「今の時代は昔と比べてよくなった」という趣旨の記事が多く、それらの記事に「何言ってんだ、このままでは日本は終わりだ、昔はよかった」という意味のとても乱暴なコメントが頻繁に届きます。
※感情が先走った「まるで大人に見えない言葉遣い」のコメントはそれを見る第三者(google検索などで来られた記事の閲覧者)までも不快になるため削除しています
昔は本当によかったのでしょうか。
「昔はこんなに問題は起きていなかった」といいますが、問題が増えたように見えるケースの大半はただネットが発達して情報が瞬時に拡散できるようになったからです。
むしろ昭和の頃のほうがかなりのジャンルの犯罪発生数が今の時代より多かったですし、自ら人生を終える人の数も多く(※)、喫煙者もたくさんいましたしパワハラもいっぱいありました。
※新型コロナウイルス発生後、若い年代に区切った統計では「過去最多」となってしまいました
サービス残業も当たり前でしたし「新卒ガチャ」に失敗したら人生終わり、転職も一般的ではありませんでした。
ネットは1枚の画像を表示させるのに1分近くかかり、情報はテレビ局や新聞社のフィルターを通したものしかありませんでした。
エアコンの電力は高く、家は耐震性能が低い時代でした。
給料は今より高かったのかもしれませんが、今私たちが持っているもの・使っているものの大半はどんなにお金を積んでも「まだ発売されていないので」手に入りません。
少なくとも、私は昭和の時代に戻りたくありません。
最後に
電車でスマホをしている人ばかりになったのは、本も音楽も勉強も全部スマホでできるようになったからです。
たしかにTwitter中毒の方やYouTubeに異様に時間を割く人、スマホゲームのために実生活に問題を抱えている人もいます。
そういう人はスマホ中毒に気付いて抜け出せるようサポートすべきでしょう。
ただ、実際に「スマホで有意義な時間を過ごしている人」と「スマホで無駄な時間を過ごしている人」の割合はわかっていませんが、「電車でスマホをしている人は全員バカ」とは言いきれないはずです。
満員電車では新聞を広げるスペースがないという事実も忘れてはなりません。
スマホでも読めて圧倒的にコンパクトなら、むしろ「新聞を広げている人」よりも賢いと言えるのではないでしょうか。