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YouTubeの違法アップロード 無断転載のアカウントの結末は?戦略としてアリなのか?

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YouTubeには未だにテレビ番組の違法アップロードが跋扈していますよね。

 

一部地域でしか放送されていない番組はYouTubeの違法アップロードでしか視聴できないという問題もあり、多くの方が「本当はよくないこと」だとわかっていながら視聴しているのが現状です。

 

 

ところで、YouTuber(アップロード側)という側面で見てみた場合はどうでしょうか。

 

アップロードは違法とはいえ、現在の無秩序な状況では「確実に罰せられる」とは言えない状況ではあります。

 

では儲かるのでしょうか。

 

いくつかのアカウントの状況を追いかけた結果、残念な(もしくはメシウマな?)結果になっていることがわかりました。

 

 

最初に結論だけ言っておきます。

 

この戦略は無意味です。

 

罰せられる確率こそ多少低いかもしれませんがリターンよりも労力のほうが高いです。

 

※労力は会社員より圧倒的に低いものの、リターンを得られる確率・得られる期間や額も極端に低いという意味です

 

わざわざこの手法を使う意味はありません。

 

 

 

どんな戦略なのか

 

私のもとに送られてくる「ラクして稼げる手法教えます」というスパムメールの中には、「YouTuberとして秒速で〇億稼ぐ」というものも大量にあります。

 

その中で、「まずはテレビ番組の転載などで一時的に動画再生時間とチャンネル登録者を増やして、違法動画を削除してから収益化しましょう」という明らかに問題のあるものがあります。※やってはいけませんよ!

 

 

この戦略、実際には無意味です。

 

というのも、2021年現在のYouTubeの収益化条件は有効な公開動画の「直近の1年間の再生時間が4000時間以上」かつ「チャンネル登録者数が1000人」だからです。

 

有効な公開動画のというところがポイントです。

 

違法アップロードされた動画は収益化の審査時に問題になる可能性が非常に高く、かといって申請前に削除した場合はその動画は有効な公開動画にならないため再生時間はカウントされません。

 

 

収益化の条件である「4000時間」と「チャンネル登録者数」は、一般的に4000時間のほうが難しいとされています。

 

違法アップロードの戦略ではチャンネル登録者数は増やせたとしても、違法アップロード動画ではない自分の動画まで見てくれる人がいないため再生時間が稼げません。

 

よって、この戦略では「見た目のチャンネル登録者数」は水増しできても肝心の(合法な)動画の再生時間が稼げずに収益化できないのでほとんど無意味です。

 

 

実際に収益化できている違法アップロードアカウントは、ほとんどが外国人のものですよね。

 

これは想像ですが、外国人の場合は日本人が審査に加わらないため違法アップロードであると判断できずに審査が通ってしまうのではないかと思います。

 

それでも結局視聴する側が日本人なので、一部の善良な方による通報で違法アップロードであることが発覚し次々とアカウント停止になっています。

 

 

実際のアカウントを追いかけてみた

 

上記の通り、どう考えても戦略として破綻しています。

 

とはいえ現実にはとても数が多いので、実際にはうまくいっているのかもしれないと感じ始めました。

 

そこで実際に違法アップロードする2つのアカウントを追いかけてみました。

 

 

アカウントの中の人と動画の種類

 

私が注目したのは、タイ人ゲーム実況者のアカウントとロシア人キャンパーのアカウントです。

 

両者は数年に渡り細々と動画をアップしていましたが、なぜか突如日本のテレビ番組を違法アップロードしはじめました。

 

動画の種類は細かく言いませんが、民放のバラエティ番組です。

 

 

収益化条件はクリアできたのか?

 

毎日2本程度違法アップロードを繰り返し、チャンネル登録者数は瞬く間に3000人を超えて行きました。

 

その間わずか1週間足らずです。

 

収益化に必要なチャンネル登録者数は1000人なので軽々とクリアしたことになります。

 

しかし、予想通り違法アップロード動画以外の(合法の)動画の再生数はほとんど伸びていません。

 

 

結末

 

ロシア人キャンパーのアカウントは最初の違法アップロードから2週間後にはアカウントごと削除されてしまいました。

 

一方のタイ人ゲーム実況者は違法アップロード動画を削除したことでアカウント自体は生き残っています。

 

驚くべきことにチャンネル登録者数は微減で済んでおり、「違法アップロードの全くない、タイ人による日本では知名度のないゲームの実況チャンネル」という特殊なアカウントにもかかわらずチャンネル登録者数は3200人ほどとなっています。

 

ただし直近のゲーム実況動画の再生数は軒並み2桁です。

 

総再生時間が4000時間を超えていないため、収益化できません。

 

仮に収益化が通ったとしても、月8本で各動画の再生数が50回では収益が発生しても振込の下限に到達できないのでいくら物価の安いタイであってもYouTubeだけでは生活できません。

 

 

広告がついているアカウントもある

 

違法アップロード動画をいつも見ている方ならご存知かと思いますが、この手のアカウントでも収益化が通っているケースがあります。

 

ですがそちらのアカウントもあっけなく削除されるパターンが多いです。

 

この戦略は収益化そのもののハードルが非常に高く、通ったとしてもいつ削除されるかわからないという安定とはほど遠い状況になります。

 

「片手間で収益がっぽがっぽ」とはなりません。

 

 

目的を見失っていないか

 

違法動画は瞬間的に再生数が稼げます。

 

30分番組が10,000回再生されればそれだけで5000時間となり、収益化条件をクリアはできます。

 

ですが、そもそもの目的は「収益化条件をクリアすること」ではないですよね。

 

違法動画は削除せず閲覧できる状態のままにしておくとペナルティを受けアカウントごと削除されてしまう可能性すらあります。

 

だから自分の動画で収益を上げなくてはなりません。

 

安定した収益が欲しい人にとって、収益化はただスタートラインに立ったという意味でしかありません。

 

違法動画で収益化条件に到達しても、その動画をけすのであれば自分の動画が再生されていないのなら広告収入はほとんどありません。

 

収益化されても最低振込額に到達するまで半年以上かかるようではリスクをとった意味がありません。

 

 

最後に

 

ということで、巷に溢れる「違法アップロードのYouTubeアカウント」を見てみました。

 

テレビ番組をそのままアップロードしているアカウントは削除されやすいです。

 

せっかく再生時間を稼げても、収益化申請ではそれらの動画を削除する必要があります。

 

運よく収益化が通ったとしても、その後も突然の削除に怯えながら日々を暮らさなくてはならないので「ラクして大金」とはなりません。

 

 

削除しなければいけないので「YouTuberとして食べて行きたい!」という野望を持っている方の「収益化までのブースト」にも使えません。

 

というか顔出しYouTuberをするのなら、最初からスネに傷を持った状態でスタートすることになるためむしろ炎上リスクが高くデメリットが大きいと言えます。

 

また、収益化後に十分な収入を得られる再生数・再生時間が確保できるのであればそもそも収益化条件は普通にクリアできます。

 

よって、わざわざ違法行為までして動画を上げる意味は全くありません。

 

「そりゃそうだろ」という当たり前すぎる結果になってしまいましたが、「なんかみんなやってるし稼げそうだから」という安易な考えで参入する人が少しでも減れば幸いです。

 

 

 

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