YouTuberや漫画家、ミュージシャンなど趣味を仕事にしている人はよく「楽でいいね」と言われます。
酷いときは知人から「普段楽してるんだからタダでやってよ」なんて言われることがあります。
でも「趣味を仕事にすると楽」というのは大きな勘違いです。
楽しいですよ?
楽しいですけど、それは楽かどうかは別です。
目次
楽しいと楽は違う
日本では「楽しい」と「楽(楽)」が同じ漢字なので同じ意味だと思っている人が多いようです。
ですが英語なら「楽しい」はpleasant/enjoy/happyです。
「楽」はeasyです。
全く別の単語ですよね。
「楽しい」は「やりがい」につながる
楽しいという感情は必ずしも仕事が楽という意味ではありません。
人によって何に楽しさを感じるかは異なりますが、共通するのは大変なタスクや長時間のタスクをこなすことが苦にならないという点でしょう。
これは「やりがい」と言い換えてもいいと思います。
その仕事そのものをすることが楽しい人や、完成した成果物に満足を感じる人などがいますが、共通するのは仕事をすればするほどポジティブか感情になれるという点です。
「楽」は仕事そのものではポジティブにはなれない
楽(easy)な仕事というのは、労力が不要なものですよね。
短時間で大金が稼げたり、長時間であっても肉体的・精神的に疲れないのが楽な仕事と言えます。
ただし、その場合「仕事」自体にポジティブな感情はありませんよね。
趣味を仕事にしているからといってタダでやれるわけじゃない
趣味を仕事にしているからといって、遊んでお金をもらっているわけではありません。
そこには責任もありますし、好きなことだからこそ質を落とさないように労力を注いでいます。
ですので、「簡単なものをささっとタダで請け負う」ということはできません。
私はプログラミングとイラストでお金を貰っています。
すると、当然のように「ちょっとアプリ作ってよ」「ちょっとTwitterアイコン描いてよ」などと言われます。
断ったりお金を要求したりすると「好きなことで稼いでいるんだからタダでやったっていいでしょ」という意味の分からない主張をしてきます。
そういうときは「じゃあただで家作ってよ」「ただで確定申告やってよ」とか頼むのですが、なぜか怒り出す人が多いです。
趣味を仕事にして後悔した?
そんなわけありません。
もちろん、趣味を趣味として楽しんでいた頃とは違う責任や納期などによって辛いことはありますし、クライアントのムチャブリにイラっとすることはあります。
上述のようなクレイジーな知人の言動に呆れることもあります。
ですが、好きでもないことを仕事にする地獄と比べればマシです。
好きなことだけをして生きていられると思って趣味を仕事にした人は想像と違う現実に後悔するかもしれませんが、最初からそれを理解していれば大丈夫です。
私が見た後悔・絶望して辞めたパターン
ユーザー側・消費側として好きだった人がクリエイター側になろうとして後悔・絶望しているパターンはよく見かけます。
たとえばゲームをするのが好きな人がプログラミングを学んでゲーム会社に就職するような場合、想像していたよりずっと地味な作業が続くことに後悔するでしょう。
消費側と制作側はジャンルが違うと考えたほうがいいです。
それは野球観戦が好きな人と野球選手くらい違います。
ゲームをプレイが好きなだけでなく、ゲームを作るのが好きでなければゲーム会社への就職を「趣味を仕事にしている」とは言い難いです。
ゲームをプレイするのが好きならばゲーム攻略やゲームプレイを仕事にすべきです。
つまり攻略誌・攻略サイトの記者になるかゲーム実況者、プロゲーマーになるといった方向を選ぶべきです。
もちろんゲームを「どうプレイするのが好きか」によってどれが向いているかは変わります。
最後に
趣味を仕事にして後悔している人は少ないはずです。
ただしそれは仕事が楽という意味ではありません。
「楽しい」と「楽」は別物です。
趣味を仕事にしている人の多くは仕事を「楽しい」と思っていますが、決して「楽」ではありません。
趣味を仕事にしている人を「楽な生き方をしている」とは思わないでください。
楽しんで生きてはいますが、仕事そのものがeasyなわけではありません。
タダで依頼できると思っている人が多いですが、大きな間違いです。
趣味を仕事にしたいという人は、消費側としての趣味なのか制作側の趣味なのかよく考える必要があります。
ゲームだけでなく、漫画や小説、音楽などの多くは消費と制作では必要とされる能力が違います。
消費するのが好きなのか制作するのが好きなのかを理解していないと後悔するかもしれません。