もののけ姫は昔の日本を舞台にしています。
あくまでファンタジーではありますが、現実で言えばどのあたりの時代がモデルなのかは気になるところですね。
最有力の「室町時代」説
決定的なのはエボシのセリフ「明国の鉄砲は重くて使いにくい」というものです。
明国といえば中国の王朝で、1368年から1644年に存在しました。
一方の日本は1336年に室町時代に突入し、安土桃山時代を経て1603年から江戸時代が始まります。
ちなみに南北朝時代と戦国時代は室町時代に重なる時代のことを指しています。
「明国の鉄砲」が改良されず重い状態であることを考えると室町時代、南北朝時代と戦国時代の中間あたりが妥当と考えられます。
平安時代はない
yahooやgoogleが「もしかして:平安時代?」と聞いてくることがありますが、違います。
それは上述の通り「明国の鉄砲」発言が理由です。
平安時代に鉄砲は存在せず、明国もまだありません。
「帝(ミカド)」という単語が平安時代っぽいですが、そもそも帝は天皇を意味する単語です。
日本にはどの時代にも天皇がおられます。
帝(天皇)というのは後醍醐天皇のこと?
googleやyahooで「もののけ姫 帝」などと検索すると、サジェスト(自動で表示されるキーワード)に「後醍醐天皇」が出てきます。
後醍醐天皇は鎌倉時代を過ぎ室町時代初期の南北朝時代と呼ばれる頃です。
ですが「もののけ姫の帝は後醍醐天皇」というのは、ある勘違いが原因で都市伝説化したもののようです。
あるファンによる勘違い
作中では「帝からの文(ふみ)」が登場するものの、その帝が具体的にどの天皇を指しているかは名言されていません。
あるもののけ姫のファンの方が、「サンはエボシと後醍醐天皇の娘である」という考察をTwitter上で発表したことあります。
しかし、上述のようにエボシが「明国の鉄砲は重い」と発言しています。
明国というのは中国の王朝で、建国は1368年です。
後醍醐天皇は1339年に崩御しているため、もしサンが後醍醐天皇の娘ならば最低でも28歳以上となります。
サンの年齢は15歳なので矛盾が発生します。
最後にひっくり返す
もののけ姫はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
宮崎駿はアニメ界の巨匠であることに疑いの余地はありませんが、歴史家ではありません。
さらに言えば、そもそも「モデルにした」程度はあるとしても「アニメで描く日本の歴史ノンフィクション」とは一言も言っていません。
だから作中にそもそも時代設定の矛盾が存在していてもいいんです。
そもそも現実には日本語を喋る動物はいませんし、シシガミ様もデイダラボッチも架空の生き物です。
あくまで「現実の日本で言えば室町時代あたりがモデルとしてイメージされている」のであり、「もののけ姫は室町時代で間違いない!」というのはNGです。
ジブリ作品は名作なのでいろいろ考察したくなりますが、フィクションであることを忘れずに、現実に存在しない出来事・現実と矛盾する出来事があることを受け入れましょう。