最近若い人が目上の人相手に「俺」という一人称を使うシーンが増えています。
時代が変われば言葉も変わるとは言いますが「敬語を知らない若者」だと思われることは損することはあっても得をすることはありません。
「長い物には巻かれよ」の精神にモヤっとする人は多いと思いますが、ドライに損得勘定で動くなら「俺」を貫くことによる得より損のほうが多いことに気付けるはずです。
俺、がんばるっす!
ドラマでは若手社員が敬語なのに一人称を「俺」にしていることが多いですよね。
昔はキムタクくらいだった気がしますが最近は多くの「イマドキの若手」が一人称を「俺」にしています。
これに影響されているのか、新入社員の中に「俺」を使う人がチラホラいます。
就職活動時に敬語を学ぶ姿勢をもっていれば「俺」ではなく「私」が正しいとわかるはずですが、なぜか内定すると(入社後は)戻ってしまう人が一定数いるようです。
時代が変われば言葉も変わるんすよ!
若い人の中には「言葉の間違い」を指摘されると「言葉は変わっていくもの」と反論する人がいます。
たしかに「ござる」「候」などを現実で使っている人はいませんし、昭和の頃は間違っているとされていた意味が現在では辞書に載っていることなどもあります。
ですので「時代が変われば言葉も変わる」というのは間違った主張ではありません。
しかし・・・
それを主張する意味がない
間違った敬語を使う意味がありません。
敬語を使うべき相手は古い考え方の持ち主(あなたにとっては老害に見える相手)かもしれませんが、その古い人には人事権に影響を与える力があったりします。
ですので敬語が使えないと目上の人から嫌われ、結果として会社内での立場が悪くなってしまうのです。
そこまでして「俺」を貫きたいですか?
「俺」を貫いたことであなたにはなにか得になるのですか?
自分の信念を持つことはいいことですがそれによって得られるものと失うものの大きさを考えましょう。
「僕」も実はNG
実は「僕」も敬語ではありません。
私は後輩が「僕」と言っていてもそれほど気になりませんが、社会人としての敬語ではNGです。
ただし、結構な年齢の人でも目上の人に「僕」を使っていることがあります。
どうしても「私」が使えない人は「俺」を使うくらいならまだ「僕」のほうがいいでしょう。
「俺」より「僕」のほうがいい理由
前述の通り「俺」も「僕」も敬語としてはNGです。
ですが「僕」のほうがマシです。
その理由は「受け取る相手がセーフと感じる可能性が高いから」です。
この「OKの可能性が高い」という考え方は社会に出たらとても重要です。
実はこの世界は清廉潔白な世界ではありません。
ですので法的に問題があったり、倫理的におかしいと感じる場面に何度も遭遇するはずです。
そのたびに厳密にルールに沿おうとすると心を壊します。
その場を支配する人(上司や顧客)がOKとするならば清濁併せ呑む姿勢でいることがラクに生きるために重要です。
※あくまで仕事の上での「その場」です。人間として上という意味ではないのでプライベートまで言いなりにならなくて大丈夫です
社会人としては自分が主体でなく相手が主体という考え方をしていけば無駄な壁にぶつかることが少なくなります。
最後に
敬語を使う際、一人称を「俺」にするのはNGです。
ほとんどの目上の人は「敬語も使えない若者」というレッテルを貼ってきます。
「時代とともに言葉は変わる」と主張したとしても目上の人に嫌われて会社で生き辛くなるだけです。
まさに「百害あって一利なし」です。
自分を主張することは悪いことではありませんが、意味のない主張をする必要はありません。
その情熱は別の場所で発揮しましょう。