あなたの子どもは病気になった時にすぐ相談してくれますか?
YESの方はすばらしい親御さんですね。
ですが、たいていの場合はNoと答えるのではないでしょうか。
もちろんとてつもない重い病気なら伝えてくれるでしょう。
でも、虫歯のような比較的軽い症状だったらどうでしょう。
「もっと早く言ってくれればすぐに治ったのに...」なんて思うことはよくあるはずです。
同様に、悩みを隠す子も多いです。
それこそニュースになるような悲惨な最期を遂げてしまう子もいます。
そこまででなくても、子どもがどう考えているか、何に悩んでいるか、わからない親は多いでしょう。
きっとほとんどの親御さんは「どんなことでも相談して欲しい」と思っているでしょうし「苦しんでいるなら自分が代わってあげたい」と思っているはずです。
それでもほとんどの子どもは病気も悩みも隠そうとします。
その原因、もしかしたら親御さんにあるかもしれません。
当然ですが、当記事は「これが唯一の原因だ」と決めつけているわけではありません。
「そういうこともある」程度の、可能性の一つとしてお読みください。
「心配」と「叱責」
子どもが病気や悩みを隠すのは、怒られると思っているからです。
親の側からしたら怒っているわけではなく、アドバイスをしているだけかもしれません。
また、次に同じ失敗をしないようにという思いから「〇〇をしてはいけない」という注意をすることもあるでしょう。
ですが、その多くが子どもには「怒っている」ように見えます。
その理由は...
親の表情
「真剣な表情」と「怒っている表情」が同じ親が多いからです。
「親」ではなく、日本人はこの傾向が強いです。
※当然ですが「日本人だけ」ではありません。あくまで「多い」というだけです
顔は険しく、声も低く、病気や悩みの深刻度によっては心の余裕もなくしている「いつもと違う親」に不安や恐怖を感じるのはそれほど不思議なことではありませんよね。
子どもは、病気や悩みを打ち明けて解決につながったことより、打ち明けた瞬間のこの不安感を強く記憶します。
この不安感・恐怖感から「親に言うと怖いことが起きる」と脳に刷り込まれ、相談しなくなります。
子どもに改善を望むのは高望みしすぎ
子どもは一人でできることに限界があり、親に相談したほうが解決することが多いでしょう。
子どもはまだ精神的に未熟であり、本能の占める割合が高いです。
だから、理性的に考えれば多少不快な思いをしてでも早く解決したほうがいいのに「目先の不快を先送りにしたがる」という本能に従いがちです。
大人になってもそういう人は一定数いますし、まだ未熟な子どもにそれを求めるのは酷な話です。
話しやすい親になろう
だから、子どもに変わってもらうのではなくまず親が変わりましょう。
少なくとも、子どもの告白にノータイムで「なんでそんなことしたの」「なんでもっと早く言わないの」など「なんで」を使うのはやめましょう。
そしてどんな問題であっても、笑顔で「そうか。大丈夫、一緒に解決しよう」と口にしてください。
ちなみに笑顔と嘲笑は違います。
子どもの真剣な悩みを「なんだよそれくらい」と笑えという意味ではありません。
子どもは深刻な顔や叱責も嫌いますが、それ以上に真剣な悩みを鼻で笑われることを嫌います。
悩みを蔑ろにせず、かといって深刻な顔を作って怖がらせず、笑顔で「一緒に解決しよう」と言ってください。
「はっはっは」と声を出して笑う必要はありません。
ただ、いつもよりちょっとだけ口角を上げて、眉が逆ハの字にならないように気を付けるだけで大丈夫です。
顔が怖くならないようにしながら、親である自分も当事者の一人であり、子どもと一緒に解決するんだという姿勢を伝えてください。
子どもに原因があっても、とりあえずは問題を解決しましょう。
全てが終わった後、子どもが落ち着いた後に「どうすれば問題が発生しなかったか」を話し合ってください。
最後に
子どもが病気や悩みを隠しているのは、親のこれまでの反応が原因の可能性があります。
仮に子どもに原因があって問題が発生したのであっても、それを怒ってしまうと子どもは今後親に打ち明けることを敬遠します。
仮にちゃんと歯を磨かないことで虫歯になっても、薄着でいることで風邪を引いても、「苦しんでいる状況で親を頼ってきた際に過去の行いを叱責する」のはやめましょう。
病気・悩みを持っている状態は「弱っている状態」です。
「死人にムチを打つ」かのように、その時点で解決しようのない過去のミスをほじくり返されてもどうしようもありません。
親はアドバイスのつもりでしょう。
憎くて言っているわけではないでしょう。
でもそれを理解できるほど子どもは賢くありません。
理解するのは、もう少し大きくなってからです。
今後、もっと重大な問題を隠してのっぴきならない状況に陥らないためにも、問題を打ち明けられた際には笑顔で対応できるような心の広さを見せてください。