仮想通貨が話題となって数年経ち、今更「仮想通貨って何?」とは聞き辛い世の中になってきました。
私自身、仮想通貨のびっぐうぇーぶ()に乗り損ね、「仮想?なんか危なそうなやつだな」という認識でした。
そんな私のような乗り遅れた人が、今から重い腰を上げてなんとかなるのか。
検証してみましたのでご覧ください。
ノートPCでデータマイニングは無理ゲー
私のノートPCは2018年に約6万円で購入したHP製の価格.com限定モデル「HP 15-db0000」です。
2年以上前の製品かつ、当時ですら「エントリーモデル」クラスという貧弱なスペックのノートPCです。
このノートPCでMinerGateを使ったデータマイニングを試してみたところ、1日24時間放置して0円でした。
合計2週間ほど、毎日24時間フル稼働させたことで様々なパーツにダメージが蓄積されています。
一部のパーツは高熱で膨張してしまい、キーボードの手前にあるタッチパッド部分が隆起しています。
モニタを閉じようとするとぶつかるので持ち運んだら画面が割れる可能性がある状態になってしまいました。
※ノートPCの不良ではなく明らかに私の無茶な使い方で起きた不具合なので、このノートPCの製作・販売側を恨む気は全くありません。この2年間快適に使わせてもらいました
ハッシュレート値(H/S)と収益
収益は上述の通り0円だったわけですが、具体的な数値を公開しておきたいと思います。
このノートPCで動かしたところハッシュレート値は500H/S前後でした。
自動で選ばれた最適とされる仮想通貨はXMR(モネロ)でした。
ハッシュレートと収益のデータを公開しているのはだいたいピークと呼ばれていた2017年前後で、2021年現在どんな様子なのかが語っている人がほとんどいない状態ですが、どうやら500H/S程度では電気代とPCの劣化を考えると大赤字と言えそうです。
やるならせめてグラボが必要
私のヘボノートはCPUにRADEON Graphicsが組み込まれてはいますが、やはり貧弱です。
いきなり10万円を超えるハイスペックグラボを積むべきかは判断が別れますが、やはりノートではなくデスクトップで、ある程度のグラボは積まないとそもそもスタートラインにすら立てなさそうです。
ざっくり損益分岐点
データマイニングは「放置していればお金が入ってくる」という不労所得のように語られることが多いです。
たしかに初期投資と初期設定が済めば後は正常に動いているかを時々確認するだけで自分で働く必要はありません。
ということは「では1日1円でもマイニングできればいい」と言えるのでしょうか。
答えは否です。
初期投資のパソコン本体の代金ととランニングコストの「電気代」をペイできなければ意味がありません。
データマイニング向けにカスタマイズしていない一般的なデスクトップPCにかかる電気代は1時間あたり2円から3円、24時間フル稼働で48円から72円です。
※電力会社との契約によって多少変化します
とりあえずはこれを超えていなければ不労所得どころか不労支出(?)です。
やればやるほど損をすることになります。
また、パソコンを常時フル稼働させるということは一般的な使い方をする場合より確実にパソコンの寿命が短くなります。
さらにパソコンの性能上昇率を考えると、今最新のスペックを用意したとしても数年後に同じ額を稼ぎ続けられるとは考えにくく、稼げないパソコン(のパーツ)はゴミになります。
仮に10万円のパソコンを2年使うと考えると、1日あたり137円稼がなくてはなりません。
電気代の48円~72円にこのパソコン本体の金額を加えると、1日200円程度は発掘したいところです。
ただ、2021年時点ではマイニング用にカスタマイズしたデスクトップPCでも1日あたり300円程度が関の山とのことです。
カスタマイズにかかる費用とそれによる電気代の増加を考えると、今から「データマイニングのためにハイスペックPCや各パーツを買い集める」というのはよい選択とは言えなさそうです。
かといってフリーランスの方が仕事用の高性能PCでデータマイニングをするのもパソコンの劣化を考えるとメリットは少ないと言わざるをえない気がします。
最後に
ということで、少なくとも私の持つノートPCでは電気代をペイできる気配がなく、PCパーツ代(初期コスト)と電気代(ランニングコスト)を考えたら参入はほぼ不可能と判断しました。
それでもやりたいのなら、PC本体価格と電気代を把握して黒字になるようなスペックのPCを用意したいところです。
「2021年時点のH/Sと収入」の関係がわかれば用意すべき最低限度のスペックもわかるかと思ったのですが、そもそも私のノートPCでは1円も発掘できなかったため「0に何を掛けても0」となってしまい参考資料にすらなりませんでした。