TBS「テセウスの船」の第4話では田村シンが過去から現代に戻ってきましたね。
しかし、戻ってきた現代は過去に行く前と異なり、母と兄が亡くなっていたり嫁が違う人生を歩んでいたりと最悪な世界でした。
そんな中で嫁だったはずの田村由紀の実家へ行くと、生きてはいるものの「週刊誌記者」というある意味で田村シンにとって敵とも言える仕事をしていることが発覚しました。
そんな岸田由紀ですが、当初こそマスゴミと呼ばれるタイプの厚顔無恥なインタビューをしようとしましたが、第4話ラストでは自分が悪者になってまで被害者の会で新証言を得ようとしていました。
なぜ一瞬で心変わりしたのでしょうか。
週刊誌記者が加害者家族の感情論にほだされた?
「2度目の現代」での岸田由紀は週刊誌記者であり、田村シンのことはほとんど何も知らない状態です。
その世界では佐野文吾が無実であると信じられる証拠は一切ありません。
田村シン自身も岸田由紀に何ら新しい証拠を提示したわけではなく、加害者家族がただ犯人である父を盲目的に信じているようにしか見えていないはずです。
そもそも、よくよく考えてみれば田村シン自身も佐野文吾が真犯人ではないという決定的な証拠は持っておらず、ただ実際に会った心証でこの人がやるはずないと思っているだけです。
そんな状況で、週刊誌の記者が加害者家族の無根拠な言動を信じたのは解せないですよね。
被害者の会で「人の不幸を食い物にしやがって」と罵声を浴びせられましたが、確固たる新証言があって冤罪を晴らしたいのであればまだしも、現時点での「冤罪かもしれないので真実を知っている方は話してください」というのは被害者からしたら腹が立って当然です。
逆張りしているだけでは?
我々視聴者側は「ドラマというフィクションである」というメタ的な要素もあわせて考えることで、佐野文吾が真犯人でないという確信に近い予想を持っています。
ですがドラマの中の世界では佐野文吾自身は無罪を主張しているものの、これまで何かを供述したわけでもなく、冤罪である証拠も一切ありません。
世論としても冤罪を疑う声はほとんどなく、加害者家族でさえ信じていませんでした。
そんな中で週刊誌記者が冤罪を主張しだすのは、逆張りして話題を集めようとしているようにも見えてしまいます。
岸田由紀は「1回目の現代」の情報が無意識化で反映されている?
岸田由紀は「1回目の現代」(田村シンがタイムスリップする前の現代)ではシンと結婚していました。
そしてその世界ではシンすらも信じていなかった佐野文吾の無罪を唯一信じていた人でもあります。
もしかしたらそのときの気持ちが「2回目の現代」にも無意識化で反映されたことでシンの主張を信じるようになったのかもしれません。
その根拠は?
田村シンが岸田由紀を喫茶店に呼び出したシーンが根拠です。
あのシーンで、田村シンが勝手に岸田由紀のためにミルクティを頼みました。
当初由紀は「なんで私の好きなもの知っているんですか?」と聞いていますが、田村シンがいなくなった後に「なんでミルクティ?」と不思議そうにしています。
これは「2回目の現代」では岸田由紀が特段ミルクティを好んでいるわけではないということではないでしょうか。
だとしたら、最初の「なんで私の好きなもの知っているんですか?」という問いかけもおかしくなってきます。
「なんで勝手に注文するんですか」「なんで注文しようとしたものがわかるんですか?」あたりが妥当なセリフのはずです。
無意識化で「1回目の世界」の好みが反映されていると考えられます。
だとすれば、田村シンが父の冤罪を信じつつも姉の人生と天秤にかけて葛藤する姿を見て、「1回目の現代」でシンの背中を押したあの気持ちが反映されたという可能性もありそうですよね。
最後に
TBSドラマ「テセウスの船」の第4話では過去から現代に舞台が変わりました。
1回目の現代よりもあきらかに悪化している世界で、結婚相手だったはずの由紀は週刊誌記者という人の不幸を食い物にする仕事をしていました。
ですが由紀はなぜか確たる根拠もない中で佐野文吾の冤罪を信じ、自分が罵声を浴びてまで新証言を集めようと協力しました。
普通であれば考えられない行動ですが、喫茶店でのミルクティのシーンなどから考えると、1回目の現代での気持ちが無意識化で反映されているのではと考えられます。
ただ逆張りして話題を集めようとしているのではなく、シンのことを本当に想っての行動だといいですよね。