外こもり(または海外ノマド)にとって2020年は悪夢の年になりました。
もちろん国内で働いている方にとっても、そして学生にとっても予想もしなかった最悪の出来事です。
外こもりは特に物価の安い国(≒医療レベルが低い国)に滞在していたので厳しい日々を過ごすことになりました。
私自身、2019年からジョージア(旧クルジア)にいました。
この未曾有の災害を経て外こもりに必要なモノを感じたので紹介していきます。
目次
最も必要なモノ
「解決力」です。
語学力やお金はあればいいですが、今回のような災害ではお金で解決できないことがたくさん発生します。
パニックを起こさずに解決策を考えることができるかは外こもりに絶対に必要なスキルです。
もちろん今回のような災害は毎年あるようなものではありません。
むしろ一生に一度あるかないかです。
ただ、もっと細かいアクシデントは頻繁にあります。
お金・語学力が不要というわけではないが優先度は高くない
大抵の場合はお金を積めばなんとかなりますが、そもそも「物価の安い国で生活する」が目的なのにお金で解決するのは本末転倒ですね。
語学力もあればあるほどいいですが、現地の警察やアクシデントの当事者が英語を使えるとは限らず、特に詐欺や強盗などの悪い相手は喋れたとしても理解できないフリをします。
国によりますが、英語だけではどうにもならない国も多く、行く先々の現地語を全てマスターしていくのはかなり無謀です。
現実はどうだったのか
現在2021年1月です。
私はジョージアにいます。
2019年からAirB&Bでアパートを借りて生活しています。
ジョージアは今回の大災害の発生前に入国した外国人に対し、滞在期間を延ばす決定をしてくれているため、1年以上経過していますが現在もノービザで滞在できています。
国の対応
2020年5月25日時点で、ジョージア国内における累計感染確認者は731人、うち完治した方は526人で現在も感染している人は193人、亡くなった方は12人です。
1日あたりの完治者が感染確認者をギリギリ上回っており、感染確認者の数は減少に転じています。
当初、中国武漢から日本を含むアジア全土に拡散した頃はジョージアを含めアメリカもヨーロッパも対岸の火事扱いでした。
ただしジョージアは国として即座に中国からの直行便の就航を禁止しています。
その後、イランやイタリアでの感染爆発時に初めて国内に感染者が出てからは様々な対策を講じ、緊急事態宣言は最終的に5月25日(独立記念日の前日)まで続きました。
医療関係・薬局・食料品(スーパー)を除くほぼすべての経済活動が停止し、薬局・スーパーでは店内に入れる人数にも制限がかかり、マスクをしなければ入店ができなくなりました。
トビリシ市内を走る地下鉄とバスは早い段階で利用禁止となり、一時タクシーどころか自家用車の運転も禁止されていました。
夜間の外出も禁止となり、夜は定期的にパトカーが走る他は車も歩行者もいない日々が続きました。
ちなみに地下鉄とバスは緊急事態宣言解除後も停止したままです。
経済活動を禁止された国民のために金銭的な補償はされていますがかなり少ないです。
なお、ジョージアは旧ソ連圏ということもあり貯金の習慣がありません。
銀行も倒産などで補償してくれるのはなんと日本円で約20万円までです。
そんな中でも暴動などは発生しておらず、比較的穏やかな日々が続いているのは驚きます。
ちなみに私のアパートのオーナーは私からの家賃のおかげなのか、中古のプリウスを購入するなど裕福な生活を送っています(笑)
私個人
まず、緊急事態宣言によって国際線は全て停止しました。
そのため、帰国しようとしてもその手段がなくなりました。
しばらくして政府主導の臨時便が飛ぶようになりましたが、就航先はよりによってイタリアやロンドンなどのヨーロッパでした。
ジョージア自体は総人口の少なさを考慮にいれても感染確認者が少なかったため、日本に帰国する途中で感染が拡大している国を経由するくらいならジョージアに留まった方がいいという結論を出しました。
アパートのオーナーは私が2019年から滞在していることを知っていたため差別や偏見で見ることはなく、むしろ定期的に「困ったことはないか」と宿の提供以上の配慮をしてくれました。
物価の上昇が気になるところでしたが、農業国ということも幸いしてスーパーで野菜が途絶えることはなく、肉も米もパスタも小麦粉もトイレットペーパーも値段の高騰はなく、買い占め騒動に発展することはありませんでした。
2020年3月・4月の生活費はほとんど外に出なかったこともあり、それぞれ約6万円でした。
個室で自炊した場合の健康な生活を送るためのジョージアでの最低限の生活費はこれくらいになります。
なお、海外旅行保険は別途1.5万円かかっています。
私自身はもともと超インドアで2,3日外に出なくても気にならないタイプなので、外出自粛にそれほどストレスは感じませんでした。
野良猫に触れられなかったのが唯一苦しかったです。
実は超リスキーな綱渡りだった
結果的にジョージアという世界的に見ても感染確認者・死者が少ない国にいましたが、実は当初ウクライナに滞在し続ける予定でした。
これまでウクライナに何度も訪れてはいたものの年越しを含む真冬の滞在経験がなく、どの程度厳しい冬になるのかを知りたかったのです。
10月までウクライナのオデッサにいたのですが、借りていたアパートの延泊予約を入れ忘れて別の旅行客が予約してしまい、直近で同じ安さの宿が見当たらなかったために一時的にジョージアに避難するつもりで移動しました。
結局移動した先のジョージアで格安のロシア語学校を見つけたことでしばらくジョージアに滞在しようとしたタイミングで今回の大災害が発生しました。
ちなみにウクライナは累計感染確認者が2020年5月25日の段階で2万人を越え、死者も600人を超すという日本並みの混乱に陥っており、さらに収束に向かっている日本と異なり現時点(5月末時点)でも1日あたりの感染確認者が完治者を上回っている状況が続いています。
7月1日からジョージア-ウクライナ間の民間航空機が飛び始める予定ですが、今の段階ではウクライナに行くどころかウクライナからの感染者の流入が不安な状況です。
2021年になり、ジョージア国内でも感染が爆発するなど状況は改善どころか悪化しています。
とはいえ、私個人で言えば就業しているわけではないため人と会うこともほとんどなく、歩いて行ける近所のスーパーに3日に1度買い出しに行く以外はいつも通り自宅で過ごしています。
この国は蛇口をひねれば水が出ますし、固形石鹸も液体石鹸も手に入ります。
浴槽がないのがやや寂しいですが、シャワーは熱湯レベルまで温度が上がります。
今回の経験で得られたもの
結果的にジョージアで災害をやり過ごすだけという結論に落ち着いていますが、リスク管理や防衛策は過剰なレベルでやったのは正しかったと思っています。
まず2020年1月の時点で日本を含むアジアを経由してきた人と接触することを極力減らし、2月以降は新しい出会いをゼロにしました。
アジア人・日本人を見かけても声を掛けなくなりましたし、現地の知人やスーパーの顔見知りの店員ともハイタッチをしなくなりました。
手洗いうがいはもちろん、外出時はマスクとビニール手袋をしています。
そして外出中はスマホを触らなくなり、最終的には持ち歩かなくなりました。
洗えないので腕時計もしなくなりました。
さらに帰宅時は手のひらを使わずに鍵を開け直接バスルームへ進み(バスルームまでのドアは開けた状態で外出しています)洋服もそのまま洗濯しています。
食生活も野菜を中心に十分な量を摂っています。
この国は野菜も果物もやたらと安いので米やパスタで空腹感を紛らわす必要がないのがありがたいです。
また、体温計を購入し毎日チェックしていました。
極端な自粛生活を支えてくれたもの
私は前述の通りもともと超インドアなので部屋にこもっていることはそれほど苦痛ではありません。
自室でも退屈に感じなかったのはノートパソコンの存在が大きいです。
YouTubeやhulu、U-NEXTなどの動画をほぼ流しっぱなしにしていたり、デジタルでイラストを描くなどして日々を過ごしています。
ちなみに今後の予定やイラストのラフなどはノートに書くことも多く、この1年で30冊以上たまりました。
最後に
外こもりは自力で解決する能力がないとアクシンデントで詰みます。
語学力やお金があれば乗り切ることができることは多いですが、それでも解決策を探す・考えるといったことを放棄すると余計な散財をすることにもなります。
私は今回の未曾有の大災害だけでなく、過去には悪徳警察に絡まれたりした経験があります。
その時は一緒に行動していた若い青年の機転で乗り切っており、当時の彼の判断力と解決能力は今でも私のアクシデント解決のお手本です。
今の時代、外こもりに関する情報はネットに溢れていますが、その情報の通りに行動しているだけではいざという時に動けなくなります。
普段から考えることを放棄しないようにしたいですね。