外こもりにはいくつか定義があるようですが、ここでは外こもりを
物価の安い海外でゴロゴロすること
と定義させていただきます。
外こもりといえばタイなどの東南アジアが有名ですが、ビザが年々厳しくなっていますよね。
次の聖地を探している人も多いのではないでしょうか。
そんな方々にウクライナをオススメします。
実際に私は3ヶ月生活してきました。
2018年に初めて訪れ、ウクライナに魅了されて毎年滞在しています。
生活費などを紹介していきますのでご覧ください。
180日の間に90日だけの滞在ならビザは不要というルールなので、約3か月滞在したらジョージアなどに移動しています。
※当記事は2019年以前に書かれた記事です。2020年以降はビザのルールが変わる可能性があります。必ず渡航前に大使館等で最新の正しい情報を確認してください
※言うまでもない話ですが、2021年年末あたりからのロシアによるキナ臭い動きはウクライナに滞在することに関する大きなリスクです
目次
物価が安い!!
ウクライナでの外こもりの最大の魅力は物価の安さです。
個人的には月6万円あれば十分生活できると感じます。
※航空費・保険を除く
個別に見ていきましょう。
宿
外こもりにとって最も大きな出費である宿代。
限界まで削るならドミトリーです。
1泊500円も出せば清潔で設備の整ったドミトリーに泊まれます。
※2019年に物価が上昇したことや外国人旅行者向けの税金が施行されたことで700円程度必要となりました
たまには個室に泊まりたいという方でも1500円もあればホテルに泊まれますし、
AirB&Bを利用すると1000円前後で泊まることが可能です。
月の家賃としては3万円もあれば十分ということになります。
賃貸
正直おすすめしません。
ネット上では1万円2万円の物件があるとされていましたが、調べたところそこまで安くはありませんでした。
それでも4万円程度であれば見つかりましたがオーナー側は年契約など長期を望んでおりビザなしで滞在できる3ヶ月では値段が上がります。
食費
宿代の次にかかる出費といえば食費ですね。
東南アジアだと屋台で食べるのが安上がりです。
ウクライナでは東南アジアほどの豊富な屋台はありません。
安さに挑戦すると栄養が足りなくなりがちなのでビタミンサプリを持って行くのをおすすめします。
ウクライナの屋台といえばケバブによく似た食べ物「シャウルマ」です。
トルコを含め世界で最も安いはず。
野菜も肉も摂れるので安くて健康な生活が送れます。
また、日本でいうファミレスに相当する大衆食堂「プザタハタ」もオススメです。
首都キエフには至る所にありますし、地方都市でも数店舗はあります。
注文方法が旧ソ連っぽいのでこちらの記事を参考にしてください。
500円もあればお腹がはちきれるほど食べられます。
ただ、毎食500円は外こもりにとっては安いとは言い難いですよね。
最安はスーパー
食事を安く上げるなら自炊です。
ウクライナの安宿にはキッチンがついていることが多く、自炊できる技術があるならばかなり安く抑えることができるでしょう。
料理ができない人が食費を安くあげるならスーパーのお惣菜がオススメです。
ほとんどのスーパーに併設されており、サラダから肉、魚などたくさんの種類が手に入ります。
メインを1品とサラダを1品の合計で100円から200円程度です。
パンは「食パン」ではなくフランスパンのようなものになりますがかなりの量が入って40円程度です。
ヨーグルトは400gで50円ほど。
デザートにケーキを食べても1つ100円と格安です。
外食
外こもりにはちょっと高めの出費となりますが、たまには外食もしたいですよね。
首都キエフには麺屋武蔵があります。
日本のラーメンに比べたら多少質は落ちますが、海外ラーメンとしてはかなりおいしいです。
ウクライナの伝統料理が食べたいならばプザタハタです。
400円あれば堪能できます。
SIMカード
宿から外にでないタイプの外こもりならSIMカードはいらないかもしれませんが、ウクライナでは購入をおすすめします。
その理由は値段です。
首都キエフで最も性能がよいキエフスターというメーカーは「アンリミテッド」がまさかの1ヶ月500円です。
サービス内容が変わり数GBで500円です。
首都以外の街に行くならlifecellが便利ですが、そちらも20GBで500円とこちらも格安。
※おそらくこちらも変更になっているものと思われます。近々チェックしてきます
普段は宿のWifiで外にいるときだけ使うなら月たった500円なのでとりあえず買ってしまっても問題ないでしょう。
移動費用
国内の移動はとても安いです。
地下鉄・バス
市内であれば地下鉄が走っておりどこまで乗っても1回あたり8グリブニャ/32円です。
バスには市営のものと私営のものがあり、小型の私営バスは28円、大型の市営バスは32円です。
(2018年8月以降)
タクシー
首都キエフはUberが利用可能です。
流しのタクシーを拾うこともできますが英語を喋れても旅行者向けの価格を提示されることがあるのでUberをオススメします。
都市間移動
首都キエフから古都リヴィウや港町オデッサに行く場合、寝台電車で1000円から2000円という驚きの安さになっています。
シーズンや購入時期によって値段が多少変わるので早めに購入しておくとよいでしょう。
私の1ヶ月の生活費
最後になりましたが、私が実際にキエフで生活してどのくらいのお金を使ったかを公開します。
宿
500円×31日=15,500円
食事(飲み物含む・アルコールなし)
18,000円
交通費
2,000円
SIM
500円
ここまでが必須の費用ですね。
合計で36,000円です。
ちなみに宿はドミトリーです。
といってもキャリーケースを含む大量の荷物を収納できる鍵付きのロッカーがあり、ベッドもダブル
サイズの大きなものがある宿を使っていたので不便はありませんでした。
ここから遊びにつかった費用も計上してみましょう。
外食
10,000円
コスプレイベント
2,000円(2日間)
都市移動交通費
1200円×2(往復)=2,400円
その他
5,000円
「外食」はデート費用と言い換えてもいいかもしれません。
自分ひとりで外食することはなく、現地で知り合った女の子とレストランに行ったりしています。
額が大きいのは見栄を張って女の子の分も払っているからです(笑)
「コスプレイベント」はウクライナで人気の日本文化イベントです。
ウクライナ美女が日本のアニメキャラのコスプレをしています。
首都キエフでは年2回開催されています。
「都市移動」はキエフからリヴィウへ移動しました。
キエフからオデッサも同じような値段で移動が可能です。
「その他」はちょっとここでは書けない内容となっています。
察してください(笑)
総額 55,400円
航空券・保険代を除いて月55,400円となりました。
「遊び代」については人によってもっと少なかったり多かったりするでしょう。
東南アジアで外こもりしている方はどのくらいでしょうか。
きちんと栄養のある食事をとった上でこの値段なら納得できる安さではないでしょうか。
問題点
ウクライナの魅力は伝わったでしょうか。
もちろん、残念ながらこの世に天国は存在せず、ウクライナにもデメリット・問題点はあります。
下記の内容が許容できない方にはウクライナは向いていないかもしれません。
遠い
遠いです。
直線距離で言えば、日本からはイギリスやフランスなどのヨーロッパの主要国(西欧諸国)よりは若干近いです。
ですが、それでも乗り継ぎ込みで片道10時間は覚悟する必要があります。
ちょっと次の三連休に行ってみようかというわけにはいきません。
また、距離が遠いので当然航空券もちょっと高いです。
距離としては西欧諸国よりは近いものの、航空券はロンドンやパリなどと比べ数千円から1万円前後高くなる傾向があります。
採算の取れる利用者が多い路線のほうが安いからです。
そのため、サラリーマンなど日本で仕事をしている方がフラっと遊びに行ける場所ではありません。
言葉の壁
ウクライナは旧ソ連圏の国です。
現在の母国語はウクライナ語ですが、首都のキエフでは半数以上がロシア語を話しますし、南部のオデッサやキエフより東の都市ではロシア語比率がさらに上昇します。
ロシア語は文法が難解な上に、普段見慣れていないキリル文字を使います。
2024年現在、ウクライナ人の大半はウクライナ語を話すようになっています。
理由は言わずもがな。
ただし、ウクライナの知人たちに話をしてみたところ「あなたは外国人だからロシア語を話しても大丈夫。でも私たちはもう話したいとは思わない」とのこと。
仮にウクライナが独立を保てたとしても、年月を重ねるに連れてロシア語が通じる可能性はより低くなっていくことでしょう。
ウクライナに住みたいのなら(ロシア語ではなく)ウクライナ語を学ぶ必要が出てきました。
一方、外こもりを含む短期から中期の滞在の場合は英語でしのいだ方が下手にロシア語で喋るよりいいかもしれません。
今回の惨事を経験したウクライナの若者たちは海外に目を向けています。
つまり英語を喋れるようになって出稼ぎに行こうとしています。
なので今後はウクライナ語>英語>ロシア語の順で通じやすくなる可能性があります。
【ここからは2019年以前の内容です】
ホテルスタッフやレストランのウェイターは英語が堪能ですが、迷子になって街を歩いている際にその辺を歩いている美女に道を尋ねたら「英語はわからないわ」と言われることが多いです。
旅行者・出張・駐在含め日本人がとても少ないので、日本人と会えなくて寂しいと感じる人もいるかもしれません。
ネット経由であれば音声通話もビデオ通話もタダに近い(通信費のみ)ではありますが、実際に会わないと耐えられないと考えるのならウクライナはやめた方がよさそうです。
国民性の問題
ウクライナ人の国民性として日本人が不満に感じそうなのは以下の2点です。
・笑顔を見せない
・順番を守らない
笑顔を見せないのはスーパーのスタッフなど接客中でも同様です。
ムスっとした顔でお釣りをテーブルに強打されるのは日常茶飯事です。
ですが、それはアジア人を蔑視しているわけではありません。
よく観察すればわかるように、現地人相手でも笑顔は見せませんし強打するときもあります。
友達と認識されると笑顔を見せてくれることも多くなったり、ピーターアーツみたいにムスっとした顔のままウインクしてくれたりします。
順番を守らないというのは旧ソ連圏の多くの国に共通しています。
たとえば地下鉄では縦に並ばず横に並びますし、信号では待っている人の前に並びます。
偶然にも奇跡的に列をなしていたとしても、前の人と30cmも間隔が開けばそこに並びます。
割り込んだ瞬間に手で遮らなければ、後で文句を言っても「俺の方が前にいるだろ」と言い出します。
そういう国民性のようです。
日本人の感覚ではありえないですが、この国の全員をこちらの常識に従わせるのはほぼ不可能なので諦めましょう。
冷たい表情にぞくぞくするような嗜好を持つか、スタッフと仲良くなって友達になりましょう。
割り込まれたらその場で文句を言ってください。
誤解されているおそろしいウクライナ
私が初めてウクライナに興味を持ったころ、多くの人が「社会主義国だからふざけたことすると〇されるよ」だの「女性と一緒に歩いたら警察に捕まる」だの散々脅されました。
さすがにそこまでではありません。
また、ドネツクなどで現在進行形で紛争が起こっているため「ウクライナそのものが超危険国だ」とも言われました。
紛争地域に足を踏み入れるのならば確かに危険でしょう。
ですが、キエフは(東に向かう列車に兵士姿のウクライナ人が乗り込んでいくものの)街は至って平穏です。
2024年1月現在、首都キエフを含めてウクライナ全土が危険な状態です。
今現在もウクライナにいる日本人は少数いますし、私が住んでいるジョージアにやって来る日本人の中にも「ウクライナは陸路ならいけるっすよwww」とか呑気に語る方もいます。
ですが今我々が行ってもどうにもなりません。
そもそも日本政府が退避を呼び掛けている状況です。
ただの観光で行くべきタイミングではありません。
2022年問題
2021年の年末あたりから、ロシア軍がウクライナとの国境に軍隊を並べています。
2022年1月時点ではウクライナの出入国は可能なようで、ウクライナ人が「観光で」ジョージアに遊びに来たりしています。
(一部の)ウクライナ人にとっては今回のロシアの行動をそれほど脅威には思っていないようです。
実際に今回の話を聞いてみたところ「ロシアはいつもそうだ」と語っていました。
もちろん現在は新型コロナウイルスも収束していないこともあるので、旅行をしているのはウクライナの中でも特に楽観的な人たちでしょう。
彼らの言動をもって「ロシアは本当に戦争を起こす気がない」と主張することはできません。
海外での外こもりは「そこじゃなきゃいけないのか」「今じゃなきゃいけないのか」は常に考える必要があります。
現実になった侵略行為
上述の通り、私の知り合ったウクライナ人・ロシア人に開戦以前から本当に危険だと口にしていた人はいませんでした。
が、あの日以来ずっと悲惨な状況が続いています。
私はウクライナが大好きで、ウクライナ人の友人がたくさんいます。
ですので完全にウクライナ側に肩入れしています。
もしかしたらロシア側にも日本や西欧側が公表できない正当な理由があるのかもしれません。
ですが少なくとも私には、何の恨みも持っておらず日々を過ごしていた善良な一般市民が一方的に蹂躙されている状況で蹂躙している側が正しいという可能性を想像することはできません。
最後に
ウクライナの外こもりの魅力を紹介しました。
ウクライナは90日までビザなしで滞在が可能です。
※当記事は2019年以前に書かれた記事であり、2020年以降はビザのルールが変わる可能性があります。必ず渡航前に大使館等で最新の正しい情報を確認してください
ウクライナの周辺国も物価が安い国があるのでウクライナを中心に東欧を周り続けるという外こもり生活も面白そうですよね。
2019年には実際にウクライナとジョージアで1年の半分以上を過ごしました。
金額だけならばジョージアの方がさらに安いです。
個人的にはウクライナのほうが美人が多いので好きですが、単純な外こもりならばジョージアのほうがいいでしょう。