外こもりを始めて3年が過ぎました。
突然ですが私はコミュ障です。
引っ込み思案なのでお店に入るときは胸がドキドキします。
具体的に言えば食券がある松屋と呼び出しボタンがあるすき屋には入れますが、店員さんを呼ばなくてはいけない吉野家は敷居が高いレベルです。
英語もTOEFL・TOEICともに受けたことがなく、英検も3級までしか持っていません。
それでも一人で外こもりできます。
もしあなたが日本での生活に疲れ果て、外こもりをしてみたいけどその勇気が湧かないというのであれば、当記事が参考になるかもしれません。
「こんなやつでも外こもりできるんだ!」と思っていただければ幸いです。
目次
コミュ障
私は医学的な意味ではなく、ネットスラングとしてのコミュ障です。
知らない人との会話が苦手だったり、面白い返しができません。
どこまでの冗談が笑えるものなのかわからず、一線を超えてしまったりもします。
仲良しだと思っていた友達から「二度と話しかけるな」と怒られたことも一度や二度ではありません。
引っ込み思案
コミュ障だから引っ込み思案になったのか、引っ込み思案だからコミュ力がないのかはわかりませんが、私は前に出るのが苦手です。
その割になぜか会社員時代は新人研修の講師を任されたり結婚式や葬式の挨拶を任されたりしていますが、これらもやりたかったというよりは断れなかった(頼む側がこいつは断らないと判断した)というほうが強いです。
声が震えるタイプなので、マイクを使わず怒鳴り声に近い大きな声で誤魔化すという方法を取ってきました。
手も震えるのでレーザーポインターを使うとポインターの先が複数に見えるので目で追うことは誰にもできません。
普段はもっと酷く、オシャレな洋服屋さんに入るのは緊張しますし、店員さんに話しかけられたら「来るんじゃなかった」と後悔します。
「注文お願いします」「お会計お願いします」も言えないので会社員時代には上司とサシで飲みに行っても上司に店員を呼んでもらったりしていました。
英語ができない
これについては正直に言えば、「全く話せない」というわけではありません。
英検3級を持っているので、中学校卒業程度の単語力はあります。
文法についてはめちゃくちゃで、「未来進行形」「過去分詞」「接続詞」のあたりは使ったことがありません。
「that構文」などの関係代名詞など、「あー、あるよねー」くらいの認識です。
でも大丈夫
私は上記のような性格なので、「よく一人で海外に行けるね」と言われます。
たしかに最初の頃はシンドいことが多かったです。
出入国管理は毎回ドキドキしていましたし、宿にチェックインするのも一苦労でした。
レストランではそもそも入る前の段階でドキドキしはじめ、入り口の前を数往復しながらチャンス(?)を待ったりしました。
しかもチャンスを待つと言いながら、店員さんが声を掛けて来るとそっぽを向いて無視をする始末です。
最初の頃は辛かった出入国管理
今でこそ出入国管理でのやりとりに緊張もせず淡々とやり過ごすことができるようになりましたが、最初の頃はドキドキして逆に不審者のような態度でした。
ですが大丈夫です。
我々の持つ日本国のパスポートは多少挙動不審であっても通過できるほど信用が高いです。
多くの国で聞かれることは共通しており、「旅行の目的」「出身国」「どの国から来たか」が答えられれば大丈夫です。
外こもりの王道であるタイでは現在指紋認証とカメラチェックが導入されていますが、指紋認証は日本語での説明もありますしカメラに顔を向けるタイミングも管理官が指を指して教えてくれます。
陽気な管理官の中には日本語が少し喋れる人もおり、笑顔で「コンニチハ」と声をかけてくれることもあります。
さすがにウクライナでは笑顔を見せてくれる人はいませんが、概ねどこの国でも優しい対応をしてくれます。
宿のチェックインは簡単になった
今の時代、booking.comなど日本語が使える予約サイトが増えており、予約も支払いも済んだ状況で宿に行くことができるようになりました。
スマホの予約画面を「現地の言葉で」表示させ、「あい ぶっく ばい ぶっきんぐこむ」と言えば通じます。
文法も何もあったものではありませんが、おそらく画面を見せるだけでも理解してもらえるはずです。
ちなみに私は最近airB&Bという民泊サイトを利用し、オーナーと直接メッセージをやりとりして宿を長期契約することが増えています。
チャット形式で会話をするので、翻訳ツールを使えばそれほど苦労はしません。
今でもシンドいレストラン
唯一、レストランだけは今でも慣れていません。
タイの混雑している屋台やウクライナの入り口が暗いクラブのランチ、ジョージアのカウンターに行かなければ注文できない大衆食堂など、それぞれの国で安くて美味しい料理が食べられる形態のお店が私にとっては難しいお店です。
それでも毎日同じお店を利用しているとスタッフから顔を覚えてもらえるので、まごまごしていると声をかけてくれます。
私は「混雑しているけど美味しいお店」よりも「空いているお店でそこそこの料理」を狙っています。
また、混雑するお店であっても時間をずらせば空いていることもあります。
外こもりは時間の自由が利くため、昼過ぎの2時3時に昼ご飯にしても問題ないですし、閉店間際の11時に夕飯を食べても大丈夫ですよね。
「誰もいない時間に毎日来る客」と認識されれば、多少混んでいる時間に現れてもスタッフが顔を覚えているので声をかけてくれたりもします。
結論
私の場合、とりあえず場数を踏んだことが慣れた最大の理由です。
外こもりをする上で避けて通れないのは出入国管理の通過、宿のチェックイン、食事の3つです。
航空券や宿の予約はネットで済ませることができるので問題ないでしょう。
出入国管理についても、実際にはほとんど会話しないで通過できるので緊張で怖い顔にならないように微笑んでいればなんとかなります。
宿についても、予約サイトを「現地の言葉で」表示させれば後は日本語で「予約しました」と言っても通じるはずです。
食事については、客がいない時間を見計らうか常連になりましょう。
おまけ 現地の人と友達になる方法
海外に滞在しないとできない楽しみの一つに「現地の友人を作る」というものがありますよね。
短期の旅行者よりも外こもりのような長期滞在者のほうがチャンスは多いです。
とはいえ、我々のようなコミュ障・引っ込み思案・英語ができないといった人には難しく見えます。
それでも実はチャンスがあるんです。
あなたが男性で外こもりの地がタイであれば、繁華街に行くことです。
お酒を飲む場所ではタイ人女性が向こうから声をかけてきます。
日本語を喋れる人もいるので、お酒を1杯奢って会話の練習台になってもらいましょう。
ウクライナやジョージアの場合は日本語学校や日本のイベントに参加するのがいいでしょう。
特にウクライナでは毎年コスプレイベントが開催されています。
日本から来たことがわかるような服装(浴衣や日本語が描かれたアニメTシャツ)を着ていれば日本語を学んでいる人や日本が大好きな現地の人から「一緒に写真を撮って」と声をかけられることも多いです。
※言うまでもありませんが、ウクライナは現在入国がとても難しい状態です。無理をすれば入国できますが、無理をする理由がないならやめておくべきです。危険な場所に勝手に行ったのであっても何かあったら政府が税金を使って行動しなくてはなりません
トラブルについて
長期滞在していれば何かとトラブルに巻き込まれることはあります。
そのときは英語で事情を説明したり、警察に出向かなければならないこともあるでしょう。
これらの緊急事態はスムーズに対処できなくて当然です。
トラブルはトラブルなんだから仕方がないと割り切りましょう。
多くの場合、頑張ればなんとかなります。
命まで取られることはないです。
もちろんこれは普通に生活していて巻き込まれたトラブルに限ります。
自分からスラム地区や紛争地帯など、日本政府や現地の人が危険地域だと指定しているような場所に強引に入って行って「助けてください。これが最後のチャンスです」などと言うのはやめましょう。
最後に
ということで、私のような性格でも外こもりができることを紹介しました。
ただここまで紹介しておいてなんですが、おそらくは半分も伝わっていないと思います。
実際にやってみないとわからないことは多いです。
海外に出たことがない人はどんなに「大丈夫だよ」と言葉を並べられてもわからないことが多すぎて怖いと感じるはずです。
逆に、実際に行ってみれば初回から最高に楽しめるかどうかは別として、意外になんとかなるということがわかると思います。
最初は期待値のハードルを下げ、「タイに1週間滞在して帰ってくる」くらいを目標にしてみてはいかがでしょうか。
航空券も宿も出発前に予約しておき、無事に帰ってきたら合格という目標を設定してみましょう。
初回は緊張でクタクタになるかもしれませんが、1度でも1人でやり遂げたという成功体験があれば次回以降はかなりラクになります。
おそらく2回目以降はもっと長期間滞在が可能になりますし、安いレストランを探したり興味のあるイベントに出向いたりという行動もできるようになってくるはずです。