外こもりは「海外在住の引きこもり」とも呼ばれ、2019年までは多くの人がタイでゴロゴロしていました。
ブラック企業に勤める人など、日本で「消耗している人」は外こもりの生き方をほんの少しだけ羨ましいと思いつつも「毎日することなくてヒマすぎない?」なんて口にしていました。
たしかに、何もせずにゴロゴロするのは1週間もすれば飽きます。
ですが、ほとんどの外こもりは何もしないわけではありません。
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現実の外こもり
外こもりを知らない人のイメージは「東南アジアの何もない田舎で海や山などの自然を前にただただぼーっと過ごす」なのでしょうか。
さすがにそれは極端だとしても、「やるべきことを持たず日がな一日YouTubeを見て過ごす」という姿を思い浮かべる人は多いかもしれません。
実際に私の周囲の外こもりにもたしかにそのタイプはいます。
ですがそのタイプの人たちであっても、日本では(たとえアルバイトや派遣などの短期だとしても)一生懸命働いており、海外でゴロゴロしているのはその疲れを癒すための一時的な状態です。
心が癒され終わった後は、好きなこと・やりたいことをやりはじめます。
やりたいことがないならヒマ過ぎる
やりたいことがないならばヒマですが、やりたいことがあるならヒマ過ぎて辛いということにはなりません。
人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、何事かをなすにはあまりにも短い
という格言は外こもりにとっても同様です。
実際、何か新しい事をやり始めて形にしようとするのなら半年から1年単位の努力・練習・勉強が必要です。
ちなみに「努力・練習・勉強」と聞くと「意識高www」と半笑いになる人がいますが、ここでは高尚なものだけでなくもっとゲスな目的も含みます。
たとえば「現地人をナンパするためのタイ語」や「現地人を楽しませるテクニック」などを磨くことも努力ですし勉強や練習と言えるはずです。
やりたいことをやり終わったら暇になる?
なりません。
多くの人が勘違いしていますが「やりたいこと」はなくなりません。
意識的にせよ無意識的にせよ、自分で「やりたいことを持たないようにしよう」と制限をかけなければ次々とやりたいことは浮かんできます。
大人になると「何にもならなかったら時間の無駄」だとか「今更初心者としてスタートするのは恥ずかしい」などと考えて制限をかけてしまっています。
たしかに外こもりを始める前に「やりたいこと」として挙げたリストは早々にやり終わるかもしれません。
ですが、外こもりをしている最中に新しくやりたことがどんどん増えます。
なんせ時間は大量にあるんです。
真っ当な社会人の方たちが「そんな時間はない」と却下するような些細なことも、経済的なリスクをクリアできるならとりあえずやってみることができます。
「ちょっと面白そう」「上手くいかないかもしれない」という「やりたいこと」として口に出せない小さな興味にも手を出すことで、「やってみたら意外に面白かったのでもっとやりたい」となったりもします。
休日はたまにあるから楽しい?
私は毎日休日で毎日楽しいです。
会社員を辞めてからもう5年近く経ちますが、後悔したことはありません。
勘違いしないでいただきたいのは「外こもりは会社に所属していないだけで生活費は自分で捻出する必要がある」ということです。
つまり休日と言っているものの、生活費を稼ぐための行動はします。
「それは仕事だから休日じゃないじゃん」と言うならその通りです。
私は真面目なので毎日1時間くらい働いていま
奴隷根性
私に「ヒマ過ぎて辛くない?」と言ってくる社会人の知人友人と話していて一番感じたのは、彼ら彼女らが「誰かに何かを言われないと何していいかわからない」という思考を持ちがちだという点です。
自分で行動できず、命令されることで安心しているように見えます。
実際には「責任を負いたくない」だとか「どんな些細な失敗もしたくない」だとか「確実に正解の道だけを歩きたい」という細かい理由があるのだとは思います。
それ自体は間違っていないですし、安全で安定した生活のためには最適とも言える生き方だとは思います。
ただ、「休日はたまにあるから楽しい」という発想の根にあるのは「他人に指図されないと休日の楽しみ方もわからない」ということです。
社会人は奴隷ではありません。
職場での生殺与奪は上司や会社に大半を握られているかもしれませんが、休日くらいは自分の責任で自分が楽しんではいかがでしょうか。
たまにしか休日がないと努力できない
社会人は基本的に週2日の土日が休みですよね。
たった2日しか休みがないので、平日の疲れを癒すだけで精いっぱいになるケースが多いです。
その2日を使って新しいことに挑戦する、資格の勉強をするなんて相当なモチベーションが必要です。
一方、外こもりは今日も明日も24時間自由です。
正確には8時間くらいは寝ていますし、食事やトイレなど諸々のどうでもいい時間を足すと使える時間は12時間程度ですが、それでも大量の時間があります。
明日頑張ればいいやというタイプだと「明日も時間があるから今日はいいや」となってしまいますが、そうでなければ好きなだけやりたいことに没頭できます。
「明日早いから今日はここまでにしよう」という制限がなくなるのも大きなメリットです。
最後に
「外こもりはヒマ過ぎて辛くない?」という疑問に答えてみました。
やりたいことがあるのなら時間はむしろ足りません。
その上、世間の目が届かない海外にいると制約が少ないのでやりたいことが次々と増えていきます。
だから外こもりをしていて「今日は何をしたらいいんだろう...」と苦しむことはありません。
もちろん、それは私を含めた「そういう考えをする人」の話です。
「誰かに言われた通りのことをするのが何よりの安心」と考える人にとっては「誰にも何も言われず待機することは辛い」と思うかもしれません。
また、「日本にいないと楽しめない趣味」を持っている人にも辛いかもしれませんね。
たとえば日本国内で開催されるイベントに参加することが楽しい人、近所に住む友達と食事をすることが大切な人などにとっては海外で暮らすことそのものが苦痛でしょう。
どちらが優れているかを議論したいわけではありません。
それが自分にとって楽しいのであればどちらもその人にとっては正解です。
私はこの記事で「外こもりはヒマ過ぎて辛くない?」という疑問に対し「私は辛くないよ」と答えただけです。
全ての人に対して「外こもりこそ至高である」と宣言するつもりはありませんし、価値観が違う方に「まだ東京で消耗しているの?」などと煽るつもりもありません。