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同人活動しながら海外移住/ノマド生活は成立するのか?必要なツールとレベル・収入はどのくらい?

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アニメや漫画が好きな人の中には、自分で絵を描くことができる人がいますよね。

 

そしてネットが十分に発達した現在、ダウンロード販売という手法も一般的になりつつあります。

 

となると疑問に思うのが、「物価の安い海外で生活しながらダウンロード販売で同人活動をすることはできるのか?」ということではないでしょうか。

 

※当記事でこの生活スタイルをDL同人海外ノマドと表現します

 

2019年以前には、Twitterなどではタイに行こうか迷っている方がたくさんいました。

 

2020年からはアレのせいで気軽に海外に行けませんが、終息したら物価の安い国へ行こうと考えている人もいるでしょう。

 

 

私は実際に海外で国を転々としながら同人活動もしています。

 

その経験を踏まえて、「実際にできるのか?」「必要なツールは?」「収入はどのくらいあればいいか?」などを紹介していきます。

 

結論を最初に言いますが、「大変だけどできる」です。

 

 

 

大前提として、二次創作はNG

 

まず、何よりも大前提として「二次創作」のイラストや漫画で「儲けること」はNGです。

 

二次創作は著作権違反であり、版権を持っている側がおめこぼしをしている状態です。

 

「親告罪なので訴えられなければセーフ」という考え方をしている人もいますが、「二次創作でお金を儲けて海外を旅している」というのは反感を買うため版権側だけでなくその漫画・アニメのファンからも白い目で見られるリスクが高いです。

 

やるなら一次創作です。

 

 

DL同人海外ノマドは成立するのか

 

「海外」がアメリカのニューヨークやイギリスのロンドンなどを指すのなら厳しいですが、物価の安い国を転々とする「外こもりの派生形」ならばDL同人海外ノマドは可能です。

 

ただ、外こもりの派生形ということは、ビザを取得せずに国を転々とすることになります。

 

ノートパソコンと液タブの組み合わせはそこそこ重量があります。

 

もしDL同人海外ノマドになりたいのなら、荷物の軽量化は通常の旅行者やバックパッカー以上に悩むことになるでしょう。

 

場合によっては液タブから板タブに乗り換えたり、iPadProを液タブ代わりにすることも考える必要があります。

 

 

健康には気を付けよう

 

すでに同人活動をしている方ならお分かりかと思いますが、同人活動で生活費を稼ぐとなると毎日10時間以上絵を描くことになります。

 

そのため、ほぼ座りっぱなしです。

 

太ったり、腰や肩が大変なことになります。

 

物価の安い国の安く住める家にはそれなりの椅子しかありません。

 

10万円近くする椅子を持って国を移動するのは現実的ではありませんので、運動をしたりストレッチをしたりして日本にいるとき以上に健康的な生活をする必要があります。

 

もちろん生活費を安くするためにカップ麺やパスタ(特にペペロンチーノ)だけで凌ぐようなマネはダメです。

 

 

必要なツール

 

上記でも触れていますが、パソコンはノート、タブレットは液タブではなく板タブをおすすめします。

 

iPadProが液タブ代わりになりますが、iPadProのみでは販売サイトに出品するのがやや大変なのでPCとの併用がおすすめです。

 

 

私自身はノートPCと板タブを使っています。

 

「神絵師」と呼ばれる上手な人はみんな液タブを使っているようなイメージがありますが、少数ながら板タブ派もいますし、慣れれば板タブでも十分描けます。

 

液タブと比べ、板タブは非常に軽く壊れにくいという特徴があります。

 

日本と違って液タブ・板タブなどのイラストを描くツールをすぐに修理に出せず、新しく購入するのも海外(日本)から輸入する手間があるというデメリットもあることに注意が必要です。

 

壊れにくい板タブか、世界中で手に入るiPadProがオススメです。

 

 

どのくらいのレベルでできる?収入はどのくらい必要?

 

どのくらいのレベルの画力が必要かというのは一概には言えません。

 

販売サイトを見ればわかるように、あきらかに自分より劣っている人が異様な販売数を誇っていたり、逆に魅力的なイラストなのに驚くほど売れていなかったりします。

 

収入という面で言えば、物価の安い国であれば保険・航空券を含めた総額で月10万円もあれば大丈夫です。

 

数日の旅行なら10万円は高額ですが、日本の住居を手放した状態であれば1か月10万円生活はかなり安いですよね。

 

安定して月10万円の収入が見込めるのなら、挑戦してもいいでしょう。

 

ただし、当然ながら月10万円はギリギリのラインです。

 

最低限の生活費を確保しつつ、画力を上げて収入を増やしていく努力は続けるべきでしょう。

 

 

「月10万円がギリギリのライン」というのは、「ただそこに存在するだけ」ではなく健康的で文化的な生活を営むためのラインです。

 

イラストを描くためには心身ともに健康でなくてはなりません。

 

安く生きることだけに絞れば月5万円以下にできなくもないですが、おそらく海外慣れしていない人がいきなりそこを目指したらモチベーションも健康も失うことになるでしょう。

 

 

海外で売れる?

 

海外には日本のアニメ・漫画ファンが大勢います。

 

「だったら海外で自分の同人誌が売れるのでは?」と思うかもしれませんね。

 

残念ながら、物価の安い国では不可能です。

 

まず、物価が安い国では高価な同人誌を購入できるほど金銭的余裕がありません。

 

薄い本に500円も出せる人は物価の安い国ではとても少ないです。

 

さらに残念なことに海外のアニメ・漫画ファンの多くは(特にデータ化されている作品は)無料で手に入ると考えている人が圧倒的に多いです。

 

そのため、DL同人作品をデータのまま売ることは非現実的です。

 

※と、実際に海外のオタクと触れ合っている私は思っていましたが、最近DLsiteのネットセミナーに参加したところ「海外の売り上げ・販売割合が伸びている」とデータ付きで紹介を受けました。翻訳を他者に依頼するサービスもありますし、挑戦してみるのもいいかもしれませんね

 

「だったら紙媒体ならどうか?」と思うかもしれませんが、まず日本の印刷会社クラスのレベルで同人誌を作るのは難しいですし、在庫を抱えるリスクがあります。

 

売れ残った同人誌を持って移動するのも大変です。

 

ただでさえ荷物を少なくしたい海外ノマドなのに何十冊何百冊の同人誌を持ち歩くのはキツいですし、LCCでは重量オーバーで余計な出費になったりもします。

 

ついでに言えば、内容によっては入国時に没収されることもあります。

 

さらに言えば、現地で売るのは下記の不法就労になる可能性がとても高く、現地で金銭を得る許可の手続きはやや面倒です。

 

 

現地で稼げる?

 

「看板などにイラストを描くなど現地で仕事ができないか?」と考える人もいるでしょう。

 

ダメです。

 

不法就労です。

 

ほとんどの国では、ビザなし・観光ビザでの滞在中にお金を得ることは禁じられています。

 

労働ビザは多くのケースで現地国の雇い主が必要です。

 

一部の国では起業ビザを取得することで現地でのビジネスが可能になります。

 

 

ちなみに、駅前に座り込んで「絵を描きます」とやるのもダメです。

 

あれはほとんどの国で不法就労になりますし、そもそも単純にコスパが悪いです。

 

物価の安い国でそれをしても、1枚あたり500円も貰えません。

 

仮に500円・30分で描きあがる超速筆だとしても、行列ができるような注文が途切れない人気があってやっと時給換算で1000円です。

 

 

オススメの国はどこ?

 

「アレ」が終息した後は各国のビザなどの滞在ルールが大幅に変わる可能性があります。

 

ここで紹介するのは基本的に2019年までの経験を基にした情報です。

 

2022年以降に実際に海外に出る方は、該当国の大使館HPなどで最新の情報を確認してください。

 

 

一番のオススメはジョージアです。

 

ジョージアは2019年まで、ビザなしで1年間滞在ができました。

 

※2024年1月現在もそのルールに変更はありません

 

その上、物価は「外こもりの聖地」と呼ばれるタイと同クラスです。

 

日本でも流行したシュクメルリなど、美味しい料理もたくさんあります。

 

ちなみにジョージアはワクチン接種の証明書を提示できれば2021年3月時点で1年間滞在が可能です。

 

2021年7月1日現在、日本人であればPCR検査が陰性であれば入国(およびビザなしで1年間の滞在)が可能となっています。

2022年7月現在、日本人であればワクチン接種証明書もPCR検査も不要で入国が可能です。

 

つまり、ジョージアはすでにあの感染症による足枷は存在しません。

 

マスクをしている人もほとんどおらず、現地の人たちの生活スタイルは2019年以前と同様です。

 

実際にすでに現地で「昨日到着した」と言う日本人を何人か目撃しました。

 

 

次にオススメするのはウクライナです。

 

2019年まではビザなしで90日滞在が可能で、ジョージアまで1万円ほどで移動できます。

 

ウクライナといえば美女の国です。

 

そしてアニメファン、特にガンダムファンならば聞いただけでテンションが跳ね上がるであろう「オデッサ」という街があります。

 

言うまでもなく、ウクライナは現在とても大変な状況になっています。

 

 

上記二か国はビザなしで滞在できる期間が長く、物価が安く、東南アジアよりも治安がいいです。

 

ただしネックは「英語があまり通じない国」という点です。

 

日本語も当然通じません。

 

二か国とも旧ソ連圏なのでロシア語はかなり通じます。

 

同人活動をするならどうせ外にほとんど出ないので、言葉が通じなくても暮らせます。

 

 

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慣れれば大したことはありませんが、いきなり一人で行くのは不安ですよね。

 

私はジョージアに住んでいます。

 

連絡していただければ、(有料で)多少の現地サポートは可能です。

 

空港から宿やAirB&Bでのアパートへの(公共交通機関を使っての)送迎をしたり、近所のスーパーやレストランの利用方法を教えるくらいならできます。

 

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「いきなり旧ソ連圏はハードルが高い」と言う方は外こもりの聖地、タイで慣れましょう。

 

日本人慣れして日本語がジョウズなオネーサンがとあるエリアにたくさんいるので、お金を払えばいろいろとサポートをしてくれます。

 

ただし(2019年時点では)ビザなしで1か月、さらに申請をしてももう1か月しか追加できず、ビザランと呼ばれる「一瞬だけタイ国外へ出てリセットする」という方法ができなくなりました。

 

「日本語が通じない国で生活する」ということに慣れるためにタイに行くのはアリだと思いますが、DL同人海外ノマドのメインの国としては選択肢には入らないのではと思います。

 

 

海外でアニメ・漫画は見れる?

 

今の時代、アニメは動画配信サービスで、漫画は電子書籍で読むことができます。

 

アニメはU-NEXTやNetflixに加入すれば地上波のリアルタイム放送の直後に配信がスタートしますし、漫画も紙媒体の発売とほぼ同時にAmazonなどで電子書籍がリリースされます。

※あなたは同人とは言えクリエイターです。海賊版や違法ダウンロードしたものを見るのは絶対にやめましょう!

※U-NEXTやNetflixはVPNが必要です。公式では海外での視聴ができないことになっていますので自己責任でお願いします

 

時々日本でしか見れない作品がある他、劇場で公開されたばかりの最新の映画が見れないのがデメリットです。

 

また、フィギュアなどの造形物を集めたい場合も海外では難しいです。

 

蒐集癖がある方は海外ノマドは不向きです。

 

 

医療など

 

私は超激安海外ノマド生活をする人でも海外旅行保険には加入すべきだと考えています。

 

日本で加入すると高額ですが現地の保険(海外旅行保険ではなく現地国内のみの健康保険)なら月数千円です。

 

ただし日本語通訳をつけるなら金額が跳ね上がりますし、医療レベルという点では物価の安い国で日本と同等の国はほぼ存在しません。

 

なので持病がある方や頻繁に体調を崩して病院に行くような方はDL同人海外ノマドという生き方はやめたほうがいいでしょう。

 

「寝てれば治る」というタイプなら大丈夫です。

 

 

税金について

 

※私は専門家ではないので詳細はお金を払って専門の人に聞いてください

 

まず海外に出る際に住民票を抜くことで、いくつかの税金を払う義務がなくなり、さらに健康保険・年金・NHKの料金も不要になります。

 

※年金は加入し続けることも可能です。将来のことを考えたら加入した方がいいかもしれません

 

ただし、所得税はどこかの国で必ず払う必要があります。

 

海外ノマドや外こもりをオススメしているブログに「所得税も払う必要なし」と書かれていることがありますが、住民税と混同しているのでしょう。

 

「どの国にも所得税を払わない」というのは脱税です。

 

海外にいても日本に払う方法はありますので、きちんと専門の方に相談してください。

 

なお、所得税を「どの国に払うか?」については住民票がどこにあるか・自分自身がどの国にいるかだけでは決まらないようです。

 

自分に都合の良い判断をせず、正しい知識を持った専門家の指示を仰いでください。

 

 

最後に

 

ということで同人活動をしながら海外ノマド生活ができるのか考えてみました。

 

私自身、外こもりを数年継続しており、DL同人も収入の一つとなっています。

 

そのため「がんばればDL同人海外ノマドはできなくはない」と思っています。

 

海外の風景や美しい女性たち(アニメ・漫画の登場キャラクターの顔やスタイルは白人系に近いことが多いです)を日常的に見ることができるというのは、イラストを描くうえでかなりのアドバンテージに感じますがどうでしょうか。

 

なお、DL同人一本で勝負する必要はありません。

 

同時にいくつもの収入の柱を持っていれば、突然ルールが変わって稼げなくなっても絶望せずに済みます。

 

 

 

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