イラスト初心者のみなさんこんにちは。
意気揚々とペンタブを買ってみたものの、長い直線が描けずに複数回にわけて描いてみたもののこんな感じになってショックを受けていませんか?
繋ぎ目が見えてしまい、いかにも素人が描きましたという感じが見る人に伝わってしまいます。
「ひじを使って一気に引く」が正解とされることが多いですが、絵を描き始めたばかりの頃はそんなの無理ですよね。
この問題の補正方法と「ひじを使って一気に書く」以外で描けるようになる方法を紹介します。
試してみてください。
目次
大前提
イラストに限らずどのジャンルでもそうなのですが、知識(技術)を聞いただけでその瞬間からできるようにはなりません。
練習は必要です。
絵を描くという行為はセンスが全てと勘違いしている人が多いですが、実際には知識(技術)を知りそれを使いこなせるように反復練習を重ねるという基礎がなければセンスは発揮できません。
そして反復練習は地味な繰り返しでちょっと面倒です。
でもそれを省いて最初からプロ並みに自在にペンを走らせることはできません。
我々は異世界転生した主人公ではありません。
だから練習もせずにいきなり眠っていた才能が開花することはないんです。
当記事で紹介する方法も、ある程度練習が必要です。
応急処置法
まずは中長期的に描けるようになるより、今描いているこの絵をなんとかしたいという方のための応急処置方法を紹介します。
簡単に言うと「はみ出した部分を消す」です。
消しゴムツールでもいいですし、ペンを「無色」に設定してもいいです。
消しゴムサイズを小さくしてはみ出た部分を削り、足りない部分を足していきます。
すると最初の線はこうなります。
比較のために最初の線ももう一度見て見ましょう。
ね、簡単でしょ?
ちなみにこの直線は1ドットが可視化できるほど拡大した状態で修正しました。
それくらい拡大すれば初心者でも修正はしやすいでしょう。
ただ直線1本分ならこれでもいいのですが、「美少女の絵」などはすさまじい数の直線と曲線で成り立っています。
1本ずつこの方法で修正すると何時間もかかってしまいます。
また、この方法ではつなぎ目を見えないように線を繋げて描けるようにはならないので、将来的に上達が見込めません。
なので私は「応急処置法」と呼んでいます。
つなぎ目を目立たなくする方法
つなぎ目を目立たなくさせるには、2本目(継ぎ足す方)の線の「入り」、つまりペンをタブレットに接触させる瞬間を調整する必要があります。
ハネ
初心者の多くは、筆圧が強かったり細かい調整ができずこんな感じになっているはずです。
赤いバツ印の中心が頭の中で描いている理想の線の開始地点です。
ペンを垂直に近い降ろし方をしているため右方向に走らせたいのに一瞬ブレて左上にズレています。
これは筆圧が強いことが原因です。
最初は弱く、細い線になるように練習してください。
具体的にはこういう線が描けるようになるといいです。
※ちょっと極端に太い線にしました
食い込ませる
開始を細く描けるようになったら、1本目の線にめり込むように描きます。
この線に
こう描きます。
これはわかりやすく2本目の線の色を赤くしてあります。
色を黒に戻すとこうなります。
ね、簡たn
補足事項
私が線画を描く際のペンの太さは3pxです。
3pxはプロの一般的な太さより細いですが、このくらいだと繋ぎ目がかなり目立ちにくいです。
※今回説明するための画像では視覚的にわかりやすくするため5px・10pxの太さで描きました
初心者でも長い直線を描ける、そうベクターレイヤーならね
私はクリスタを使っていますが、多くのお絵かきソフトで「ラスタレイヤー」と「ベクターレイヤー」が使えます。
一般的にはラスタレイヤーを使っている方が多いようですが、ベクターレイヤーを使うと初心者でも確実に思った長さに思った通りに直線を引けます。
ベクターレイヤーを使うには、ツールナビゲーションの以下のアイコンをクリック、または「レイヤー」→「新規レイヤー」→「ベクターレイヤー」を選択します。
もしくは「ALT+L」→「E」→「V」です。
※windowの場合です
すると四角アイコンがついたレイヤーが追加されます。
これがベクターレイヤーです。
こんな短い線でも
あっという間にこの通りです。
これはベクターレイヤーの「線修正」という機能を使っています。
ベクターレイヤーの線修正
このアイコンをクリックして「線つまみ」を選択します。
線の先端を選択してドラッグアンドドロップでお好みの長さに調整できます。
これは曲線のカーブ(曲がり具合)の調整にも使えます。
カーブの調整の場合は先端ではなくカーブの頂点部分をドラッグするのがいいでしょう。
カーブの場合は「つまみ加減」「効果範囲」などを適宜調整してください。
「制御点」でも同じことが可能ですが、「線つまみ」のほうが視覚的に操作しやすいため私はこの方法を使っています。
ベクターレイヤーのおまけ
今回のケースとは関係ありませんが、ベクターレイヤーにはとても便利な消しゴム機能があります。
「ベクター消去」と呼ばれる機能です。
たとえば私はこんな「よくある状況」に遭遇します。
消しゴムの「ベクター消去」をこれにしておくと
こんな感じでキレイに消してくれます。
ベクターレイヤーのデメリットは「重くなる」という点です。
メモリが少ないなどスペックに問題を抱えているのならオススメできませんが、最近のPCならば十分なスペックのケースが多いです。
意味もなくレイヤーをわけたりしなければ大惨事にはならないのでベクターレイヤーをぜひ試してみてください。
最後に
初心者が悩みがちな「直線をきれいに描けない」の解決策を紹介しました。
ちなみに私は下書き・ラフをラスタレイヤー、線画をベクターレイヤーで描いています。
線の修正は2番目に紹介した「2本目を食い込ませる方法」と3番目に紹介した「線つまみ」を併用しています。
「2本目を食い込ませる方法」は王道の手法なので他の方も紹介していますが、初心者には少し練習が必要です。
私は慣れるまで「2本目を食い込ませる」を意識しながら応急処置法で修正していました。
今でこそそれほど苦労せずに線を繋げられるようになりましたが、慣れるまでそれなりに練習が必要でした。
「慣れた」と自覚できるようになるまで、私は1年近くかかりました。
ですのであなたが今うまくできなくても「絵の才能がない」というわけではないので落胆しないでください。
あなたは正常です。
練習もせずにできる人が特別にすごいだけで、あなたが劣っているわけではありません。
この「2本目を食い込ませる方法」の練習として、トレスや模写をするのは悪くない方法です。
線を引く練習としてただの直線やボックスを描き続けるよりも圧倒的にモチベーションが保ちやすいです。
トレスした絵を「私が描きました」とSNSなどで紹介してはいけませんが、練習であれば問題はありません。
好きなイラストレーターの絵や漫画・アニメの1シーンをベースに繋ぎ目の目立たない線を描く練習をしてみましょう。