「好きなことを仕事にする」というのは「理想の生き方」の一つですよね。
やりたいことをやって生活できるのは幸せです。
今の時代、「好きなことを仕事にする」と言われて真っ先に思い浮かぶのはYouTuberではないでしょうか。
一昔前ならブロガーも人気でしたよね。
他にも高速のインターネットが当たり前になったことでイラストが描ける人が同人イラストレーター・同人漫画家としてダウンロード作品を中心に稼いでいこうと考えたりもします。
ただ、その多くが失敗しています。
失敗している人の多くが勘違いしている問題を紹介します。
特に「好きなジャンル」でスタートした人は、「好きだからこそ」間違った方向に進んでしまうようです。
もしあなたが好きなことを仕事にしようとしているのなら、次の3点に注意してください。
目次
×好きだからお金にならなくてもいい
好きなことを仕事にしたい人のうち失敗する人が最も頻繁に口にするのが、この「好きだからお金(収入)にならなくてもいい」です。
「楽しいからお金がゼロでも続けられる」は「仕事」としては間違っています。
ただし「今はお金にならなくてもいい」なら正しいかも
好きなことであっても、始めたばかりの頃は知名度も低くスキルも「収益化」に特化されていないので稼げません。
だから「初月に生活費分稼げないから才能がない」というのは間違っています。
とはいえ、上記のように「お金にならないけど楽しいからいいや」というのも間違っています。
仕事にするのであれば、最低限「今はお金にならなくてもいいが、これを続ければ後々結果が出る」という状態にするべきです。
本当にそうなるかわからなくても、自分なりに根拠があって自分で信じられる状態であれば大丈夫です。
今の行動の延長線上に生活費を稼げるようになる状態がなければ、今の行動を繰り返してもジリ貧です。
それでは楽しいだけの趣味で終わります。
私は外こもりなので、「東南アジアでゴロゴロしてお金がなくなったら日本に帰ってお金を稼ぐ」という人たちをたくさん見てきました。
「好きな仕事をする」が、「ただ好きなことをする」+「お金が無くなったらバイトや派遣社員などでお金を稼ぐ」になっているのであれば、それはただの趣味です。
好きだからこそ、趣味と仕事の境界線があいまいになりがちです。
「好きだからお金にならなくてもいい」を言い訳に収益を伸ばす努力を怠ってしまうと失敗します。
×好きなこと「だけ」で生きていきたい
「好きなことを仕事にする」というと、「好きなことだけして生きる」と勘違いする人がいます。
私自身も「好きなことしかしてないんだからたまには苦労しなよ」とわけのわからないことを言われることがあります。
ですがフリーで好きなことを仕事にして生きていく場合、たくさんの「面倒な雑務」が発生します。
「好きなことを仕事にする」と「好き勝手に生きてお金が降ってくる」は違う
残念ながら何かに所属していないフリーランスは好きなこと「だけ」では生きていけません。
極まれに好きなことだけしているのにパトロン的な人が生活費をくれるというケースはありますが、それは極めてまれなケースであり、それこそ「運と才能」に恵まれなければなりません。
我々のような「誰もがうらやむ才能」を持っていない一般人が好きなことを仕事にする場合、好きなことの周辺の雑務も兼任しなければなりません。
たとえば収益化の導線作りや仕事の受注、顧客への宣伝、そして確定申告の手続きなどはフリーで活動するなら必須の雑務です。
これらが「やりたいこと」という人はいいですが、多くの人は面倒くさくてやりたいくないことのはずです。
生活費を大きく上回る稼ぎが出せるようになったら人を雇うことで自分が雑務をする手間を省けますが、最初は「好きなことをする時間」と同じくらい雑務が必要だということを認識しましょう。
×完璧なものを作りたい
仕事にしたいくらい好きなことならば、自分の仕事(作品・成果物)の細かい欠点が見えることでしょう。
たとえば同人イラストレーターになりたいのなら、優れたイラストレーターと比べて自分の絵が未熟に見えるでしょう。
多くの場合、もともとはファン・消費者だった人が「俺ならもっといいものが作れる」と考えてその世界に足を踏み入れます。
そのため、プロが集団で作り上げたものを理想に掲げてしまいがちです。
アマチュアが一人で同じレベルを目指すと作品が完成しなくなります。
この世に「100点満点」は存在しない
自分の作品を「欠点の一切ない完璧なものになるまで売らない」と考えてしまうと、作品そのものを売ることができなくなります。
好きだからこそ下手なものは出したくないと考えてしまうのはわかります。
ですが、世の中は高校までの学校のテストと異なり「100点」が満点ではありません。
なので「完璧」は実現できません。
そして作品を出さなければ評価は受けられないですし、当然ながら収入も発生しません。
限られた時間の中で最善を尽くし作品を出すほうが、結果的に早く生活費を稼げるようになります。
もちろん「理想上の完璧な作品」と比べ劣化しているため、売上そのものは本来の実力より多少は落ちますが、それは数でカバーできます。
イラストレーターを例にしましたが、当然YouTuberやブロガーなど他のジャンルでも同じです。
※当然ですが「投げやりなやっつけ仕事をしろ」と言っているわけではありません
最後に
ということで、「好きなことを仕事にする」を目指す初心者がよく陥る問題を紹介しました。
・好きだから収益化に無頓着
・好きなこと以外をやらない
・好きだからこそ完璧を追い求める
「仕事」として生活費を稼ぎたいのであれば、この考え方は捨てましょう。
もちろん本業が別にある人が「そこまで本気じゃないけど趣味がお金になったらいいな」程度で副業に挑戦する場合は別です。
その手の人が本業を上回る収益を上げることはほぼありませんが、それでも大丈夫です。
「お金になったらいいな」は言外に「別にお金にならなくてもいいけど」という意味を持っています。
趣味としてゆっくり自分の好きなようにやりましょう。
趣味を趣味のまま楽しむのであれば、本業で生活費を稼いでお金の心配のない状態で好きなことを追求するのがきっと一番楽しいです。