カンテレ「そしてユリコは一人になった」の初代ユリコ様について、原作小説を基にネタバレします。
ドラマは「百合ミステリー」として話題になっていますが、初代ユリコ様については意外な事実が存在します。
なお当記事は結末に関する重大なネタバレが含まれています。
ドラマ版でも同じ結末になるかわかりませんが、純粋に楽しめなくなってしまう可能性もありますのでご注意ください。
目次
初代ユリコ様役は誰?
高見沢友利夫です。
男です。
つまり、初代ユリコ様は性同一性障害に苦しんでいた高校時代の高見沢友利夫による未遂事件が伝説化したものです。
「ユリコ様伝説」では初代ユリコ様は亡くなっているかのように語られていますが、それは高見沢友利夫が作った脚色です。
初代ユリコ様の日記
白百合会には「初代ユリコ様の日記」が保管されています。
そこには初代ユリコ様の悩みや、対立する相手が事故に巻き込まれる様子が描かれています。
ユリコ様伝説
この伝説そのものを作り出したのも高見沢友利夫です。
高見沢友利夫は高校時代イジメを受けていたものの、共学高校でありながら圧倒的に女性が優位な環境そのものは居心地よく感じていました。
そのため、ユリコ様伝説を作ることによって女王のような存在を作り出し、女性に都合の良い学校を維持しようとしたのです。
いやその理屈はおかしい
「そしてユリコは一人になった」の原作は「このミステリーがすごい」の受賞作ですが、作家にとってはデビュー作です。
そのため粗削りな部分がかなり多いです。
伝説はそもそも成立しないのでは
この「ユリコ様伝説」が成立したのは20年前です。
高見沢友利夫が自分自身で作り出しました。
当時は誰も亡くなっていないとはいえ、普通に傷害事件です。
結局高見沢は捕まっていないようですが、全ての事件に動機がある人物をなぜ警察は見逃したのでしょうか。
当時はまだ「呪い」扱いではなかったはずです。
犯人が捕まっていれば伝説だとか呪いだとかではなく、連続事件として語られていたはずです。
騒動を起こした人物が教員として採用されるのか
高見沢は高校を卒業して4年後、教師として百合ヶ原高校に戻ってきます。
教員免許があるからといって伝統校が「過去に問題を起こした男性」を採用するのでしょうか。
ほかの教師は何をしている?
今の教員は当時のことを知らないのかもしれませんが、大学を卒業して教師として戻ってきたばかりの頃の教員たちは高見沢友利夫が高校時代何をしたのかを知っているはずです。
その高見沢が白百合会を立ち上げ、ユリコ様伝説を煽るようなことをしているのを他の教員はなぜスルーしているのでしょうか。
※ドラマ版では白百合会は昨年由利小太郎が創設しています
ドラマ版では高見沢友利夫が直接関与していないとはいえ、生徒たちが高見沢が発祥の忌まわしい事件を「ユリコ様伝説」と煽っている様子を放置しているのは違和感があります。
いわば「同僚がネタにされている状況」なわけで、放置して校外に情報が洩れれば入学希望者も減るでしょうし学校にとっても大きな痛手のはずです。
最後に
「そしてユリコは一人になった」の初代ユリコ様は原作小説では高見沢友利夫でした。
ユリコという名前もユリオを女性っぽくした名前です。
百合もののように見えて、実は性同一性障害に苦しむ男子生徒が元凶となった物語です。
テーマはとても面白いですが、原作はいたるところにツッコミどころがあります。
ドラマ版ではどうなるのでしょうね。
もしかしたら高見沢先生は初代ユリコ様と無関係という設定になっている可能性もあります。