2019年まで、外こもりやその派生形である海外ノマドがもてはやされていました。
日本で貯めたお金や身に着けたスキルで物価の安い国でのんびり過ごすというライフスタイルは、ギスギスした日本の社会に嫌気が指していた多くの人が望んでいたものでした。
しかし、2020年には予想外の未曾有のパンデミックが発生しました。
これにより2021年現在に至るまで、新たに外こもりを始めることは難しい状態が続いています。
ところで、感染が爆発し始めた当時に外こもりをしていた人は今どうなっているのでしょうか。
外こもりをしていた知人たちに聞いて回りました。
当記事は「この世の全ての外こもりがこうなった」という話ではなく、私自身と知人という非常に狭い範囲の話です。
「そういう人もいる」という程度に読み流してください。
目次
外こもりの大半は帰国している
まず第一に、ほとんどの外こもりは帰国しています。
特に東南アジアのドミトリー(タコ部屋)を拠点にしていた人たちは感染リスクを考えて日本に戻っています。
海外に残った人も、ビザなどの関係で第三国に渡ることが困難となったために最終的にはほぼ帰国しています。
中には外こもりを続けている人も
インターネットを使って生活費を稼いでいるタイプの外こもりのうち、ビザなどの要件を満たしている極めて少数の人たちの中には日本に戻らないという選択肢を取っているケースもあります。
物価の安い国であれば、月10万円以下で個室に住むことが可能で、ネットでお金を稼げるのであれば人との接触も最低限に抑えることも可能です。
※それでも感染の可能性をゼロにはできませんが
コロナで激変!前向きになった外こもりたち
今回の件で「外こもりはリスクに弱い」ということを改めて実感した人の中には再就職を決意した人もいます。
経済が縮小する一方なので、ご想像の通り就職活動は難航しているようです。
その一方で、「いつか必ずまた海外に行ける日が来る」と信じてそのための旅費を貯めるためにバイトをしている人もいます。
※このタイプは正社員として就職すると辞めにくいためアルバイト・パート・派遣社員を選ぶ人が多いです
その他、これまではリゾートバイトなどで貯めて外こもりをしていたタイプの人がネットで稼げる手法を学び始めたりもしています。
中には後ろ向きなままの外こもりも...
外こもりの中には、過去の自堕落な生活スタイルから抜けられず、実家に寄生しているタイプもいます。
特にスキルを磨くわけでもなく、就職活動をするでもなく、「今はコロナで何もできないから」という言い訳で自室でも何もしないパターンです。
この手の人たちは、何か一つでも自分の行く道に石ころがあると「この方法は無理だ」と考えてしまうようです。
苦しいコロナ下の外こもり
外こもりは「日本で短期間バイトしてお金をためて海外に出るタイプ」と「現地にいながらネットでお金を稼ぐタイプ」に別れます(後者は海外ノマドと呼ばれることもあります)。
このうち、前者は帰国しても働き先が少なく非常に苦しい状況となっています。
ありあまっていた時間で特にスキルを得ることもなく年齢だけを積み重ねてしまった職歴がない外こもりたちは、働くとしても給料が安くやりがいのない仕事しかないと愚痴をこぼしています。
特に30歳を超えた外こもりたちは絶望的です。
日本では基本的に「年齢や性別を採用の条件にしない」ということにはなっていますが、実際にはそうなっていないですよね。
「働くのが当たり前」の社会において職歴がなく「海外でゴロゴロしていただけ」というのは大きな大きなデメリットです。
今後の外こもりたち
今の海外に出れない状況は外こもりたちにとって地獄以外の何物でもありません。
ただ、そんな地獄にいながらも彼ら彼女らはそれほど悲観していないようです。
「ワクチンを打って相手国の入国条件を満たせるようになったらまた外こもりをする」と言う人が思いほのか多いです。
特にスキルのない中年(30代以上)などは日本でどうにかしようと思ってもバイトくらいしかありません。
驚くべきことに今は「職歴なし・30代」では職業訓練すらも合格が難しいようです。
その結果、実家に寄生するなどしてお金を減らさず、また物価の安い国に行くことだけを心のよりどころにしているようです。
ワクチン接種後の悲劇
私の知人の元外こもりはとても哀れなことになりました。
彼は30歳を超えており、職業訓練校を何度も落ちて「早くワクチンを打って海外に行きたい」と愚痴を言い続けていたのですが、未だに日本にいます。
ワクチンは2回接種しており、一部の国には外こもりに出掛けられる条件は整っている状態です。
しかし「実家に寄生するほうがラクだ」と気付いてしまったようです。
彼は今、特にスキルを学ぶこともなく就活もせず、毎日パチンコをして過ごしています。
最後に
2021年現在の元・外こもりの人たちの様子を紹介しました。
繰り返しますが全ての外こもりに話を聞いたわけではありません。
私の知人たちへの聞き取り調査が基になっているため、偏りがあります。
今回の件で外こもりから足を洗って真っ当に生きる決意をした人や、そうしたくてもできない人、そしてそもそも何もしていない人など十人十色な生活を送っています。
スキルのない中年の元・外こもりの人たちは正社員としての就職は諦めている人が多いようです。
日本で老後まで生きるのは難しそうですが、そういう人たちは今の状況が改善されたらまた海外に行くようです。