新海誠監督の「秒速5センチメートル」の
三部構成の第二部「コスモナウト」の
ヒロイン、澄田花苗。
意を決して告白しようとするも言い出せず
第三部では東京へ旅立つ貴樹を遠くから
見送るだけですね。
「秒速5センチメートル」はアニメ映画の
他に新海誠監督自身が執筆した小説版、
加納新太の書いた「one more side」、
そして清家雪子が描いた漫画版が存在
します。
花苗に関しては「one more side」と
漫画版で描写が増えています。
当記事はこれらを基に花苗のその後を
紹介していきます。
なお、当記事は私感が含まれており
新海誠監督やそれぞれの著者が伝えようと
した内容とは異なる受け取り方をしている
可能性があります。
一ファンによる考察としてご覧ください。
花苗の告白、貴樹の拒絶
映画版では波に乗れた日に告白しようと
しています。
コンビニでは「狙っていると思われる」
として避けてきた貴樹と同じコーヒーを
購入し、外に出たところで貴樹の服の裾を
掴んでいます。
このとき、貴樹ははっきりと拒絶の意識を
もった目で花苗を見据えています。
映画版では貴樹側には変化があまりなく
花苗が急に怯えていますが、漫画版では
ハイライトが消えるという演出がされており
小説版でも強い拒絶の意思を持っていた
ことが明かされています。
なお、このとき貴樹が拒絶したのは
「形にすると壊れてしまうかもしれない」
という恐怖心からです。
貴樹はアカリ相手にも同じ失敗をして
います。
最後にあった日の出来事があまりにも
完璧すぎて言葉にできずにおり、そのまま
文通も途絶えてしまっています。
どちらも「言葉で表せば陳腐になる」
という恐れから踏み出せずにいました。
空港にて
映画版の第三部では空港の外から
旅立つ飛行機を見送るだけですが
漫画版では想いを告げています。
ですがそれは付き合うステップの
ためではなくもう二度と会うことが
ないことがわかっていたから区切り
として告げられただけでした。
高校卒業後の花苗の進路
アカリは高校時代、進路を決められず
悩んでいましたが猛勉強の末、
鹿児島にある看護学校に入学して
います。
その後再び種子島に戻り、南種子病院で
看護師として働いています。
花苗、プロサーファーに告白される
2年前から種子島にサーフィンのために
移住してきた亮くんと呼ばれる男から
告白されています。
ですが今でも花苗は貴樹のことが
心に残っているようです。
本人は「10年前のこと」として思い出に
なっているつもりでしたが、それ以降も
貴樹ほど一途に好きになれる相手が現れず
恋愛が長続きしていません。
花苗さん27歳、貴樹に会うために東京へ
亮くんに告白されたことで貴樹を思い出して
しまった花苗は貴樹への想いが強くなって
しまいます。
そこで東京へ貴樹に会いに行くことに
なりました。
憧れが強くなりすぎてしまったため現実の
正体を見て区切りをつけようとしたのです。
元高校教師の姉の力も借りて貴樹の職場へ
問い合わせるも、すでに貴樹は退職した
後でした。
その後、高校の同窓会の幹事から貴樹の
実家の番号を教えてもらっています。
ですが結局花苗は貴樹に会わずに種子島に
帰ることを決意します。
どんなに遠い存在でも本当に求めれば
繋がれるとわかったことで過去の思い出に
区切りがついたようです。
なお、その場で告白してきた亮くんには
お断りの電話をかけています。
プロサーファーは軽すぎたようです。
そして・・・
亮くんに電話をかけ終わった後、
公園のベンチから立ち上がった花苗は
通りかかった男性を見て驚いています。
男性が誰なのかはわからず、そこで
物語は終了しています。
素直に受け取ればその男性は貴樹だと
思われます。
最後に
「秒速5センチメートル」の第二部
コスモナウトのヒロイン・澄田花苗の
映画版で描かれなかった後日談を紹介
しました。
主に漫画版を基に記述しています。
映画版第二部の告白しようとした
シーンでは小説やマンガでは貴樹が
強烈な拒否感を滲ませています。
それを知った上で映画版の花苗の
怯え方を観るとまた違った印象を
受けますね。
「秒速5センチメートル」は一度だけでなく
何度も観返すことで様々な感情を揺り動かす
映画ですね。
ちなみにHuluなら「秒速5センチメートル」
だけでなく「言の葉の庭」などの新海誠
作品が月額費用だけで見放題です。