新海誠監督の「秒速5センチメートル」では
貴樹が栃木に住む明里の元へ行く途中で
手紙を落としてしまっています。
アニメ映画版では最後まで内容が明かされて
いませんね。
実は小説版では全文が公開されています。
さらに、あの日待合室にいた明里も貴樹と
同じように手紙を用意していました。
それぞれの手紙を全文引用することは
できませんが、おおまかにどんな内容
だったのか、なぜその後同じ内容を
出さなかったのかなどを紹介しますので
ご覧ください。
なお、当記事は原作版および小説版を
基にしたネタバレが含まれています。
お気を付けください。
貴樹の手紙
栃木の明里のもとへ会いに行く際、
手紙を持っていきました。
大雪で遅延が重なった際にポケットから
落としてしまい、ただでさえ辛い状況に
追い打ちをかけるようになりました。
何日もかけて書いた手紙ではありますが
会った際に内容を言葉にしていないですし
その後も手紙の内容には触れていません。
出さなかった理由
あの日、雪の中で桜の木の下でキスを
した出来事の前と後で意識が大きく
変わっています。
簡単に言えば「大人になった」という
ことになるのでしょう。
それまでの手紙に書いた内容が陳腐に
なってしまい、うまく言葉で表現できなく
なってしまったのです。
手紙の内容
貴樹の手紙はアニメ版では最後まで
明かされていません。
小説版ではラスト付近で明かされます。
引用が許されていないので要約をします。
全文を読みたい方はぜひ小説版を手に
取ってみてください。
なお、貴樹の手紙は新海誠が執筆した
小説では断片しか語られておらず、
「one more side」で全文が紹介されて
います。
この手紙の中で、貴樹は明里への
想いを告げるとともに一つの約束を
しています。
それは大人になったときに「恥ずかしく
ないような人間になっていたい」という
ものです。
子ども心に約束したこのことは貴樹の
中で強迫観念じみた思いになっており
心を壊すほど仕事に没頭したり、女性
関係をうまく構築できなくなったり
してしまっています。
明里の手紙
実はあの日、駅の待合室で待っていた
明里も手紙を書いていました。
結局明里はその手紙のことを一切告げて
おらず、渡すことがありませんでした。
明里も貴樹同様に、桜の木の下での
キスで大きく変わり、手紙の内容が
不十分すぎるように感じています。
ちなみにこの手紙はアニメ映画では
書いていたこと自体明かされておらず
小説版で内容を含めて明かされて
います。
手紙の内容
明里の手紙は新海誠が執筆した小説と
「one more side」の両方で登場します。
新海誠が執筆した小説を読みたい方は
「君の名は。」「言の葉の庭」がセットに
なったこちらの合本版がオススメです。
明里が手紙に書いた内容は
東京に転校してからの貴樹への
感謝と、中学で離れ離れになった
ことへの悲しみ、そして貴樹が
鹿児島へ引っ越すことへの苦しみが
語られています。
そして最後に「貴樹くんのことが
好きです」と想いを告げています。
明里は実際には手紙を渡さず、
「貴樹くんは大丈夫だと思う」とだけ
伝えています。
その後の手紙
最後に会った日、貴樹はドアの閉まった
電車の中で「手紙書くよ!電話も!」と
叫んでいます。
実際、その後も何度か手紙をやりとり
しています。
ですが桜の木の下での出来事には
お互い触れておらず、自分の恋心も
はっきりと口にしていなかったため
だんだんとどうでもいい日々の出来事を
報告するだけになってしまい、徐々に
疎遠になっていってしまいました。
アニメ映画版では第3話でお互いが
郵便ポストを意識しつつも自分からは
手紙を出していないシーンで表現
されています。
最後に
新海誠監督の「秒速5センチメートル」の
第1話で貴樹が失くした手紙と、明里が
待合室で書いた手紙に関して紹介しま
した。
両方を読んでみたい方は「one more side」が
おすすめです。
アニメ映画だけではわからなかった側面を
知ることができるのでさらに楽しめます。