新海誠の最高傑作と言われることの多い
「秒速5センチメートル」ですが実際に
観てみると意外に難解で映画だけでは
わかりにくいですよね。
実は新海誠自身が執筆した書籍版と
さらにそれを補完するような加納新太の
執筆した「one more side」版が存在
します。
主人公・遠野貴樹の後日談を紹介しますので
ご覧ください。
なお、当記事は小説版を基にしたネタバレが
含まれています。
当然ながら小説版を読んだ方が楽しめます。
小説版を読む予定のある方はご注意ください。
社会人の遠野貴樹
第3話・「秒速5センチメートル」では
大学を卒業し社会人になった遠野貴樹が
描かれています。
職業はシステムエンジニアです。
いわゆるSEと呼ばれる仕事です。
遠野貴樹はプログラマも兼任しています。
働いている会社の名前は登場しませんが
世間的には無名なものの、中規模ながら
急成長しており業界内では高い評価を
得ている注目株とされています。
また、遠野貴樹自身は天職と言えるほど
この仕事があっており、雑談などが不要で
人間関係を築く必要がなく、一方で
淡々とプログラムを組んでいくことを
楽しんでいるようです。
当然のように社内トップクラスの実力に
なり、社内の評価も高い状況でした。
結果として炎上しているプロジェクトを
救う役が増えており、最後の仕事は
遠野貴樹が入社する前から存在する
終わりの見えない大炎上プロジェクト
でした。
この頃、遠野貴樹は自分の現状が「辛い」と
認識し始め、辞表を提出しています。
苦しみの原因
遠野貴樹自身と周囲の技術力の差が
主な原因のようです。
スキルの低い人間たちに足を引っ張られ
自由に動けなくなっていったのです。
「周回遅れの走者に進路を阻まれている」
という表現をしています。
努力をしたい、前に進みたいという
「意識の高い」人は「意識の低い」人から
邪魔をされることが多いですよね。
彼らは行動をしたくないので行動をしている
人の足を引っ張ることで同じ位置に留め
ようとする悪癖を持っています。
遠野貴樹はうつ病だった?
仕事を辞めた直後から遠野貴樹は
毎日10時間以上寝て外に出るときは
食料を買うときだけという生活を
しています。
1か月ほどタバコを吸う事すら億劫
という状況でした。
コンビニで読んだサイエンスマガジンで
高校時代に花苗と見たロケットの続報を
目にしたことがきっかけで自分が成長
したことを実感し、世界の色彩が回復
していきます。
色も味もわからないような状況というのは
まさに「うつ病」によくある症状です。
遠野貴樹はうつ病だったのでしょう。
回復後の仕事
フリーランスでプログラマ業を始めて
います。
社会人時代にプログラミングだけは誰にも
負けないレベルになっていたことや、
当時の知り合いの紹介で仕事を請けられる
ことからなんとか生活できているようです。
雇われ人になる予定はなく、知人から
スカウトを受けても断っています。
好きな時に休んで好きな時に徹夜できる
という状況になっています。
最後に
「秒速5センチメートル」の遠野貴樹は
SE兼プログラマとして社会人になり
天職だと感じながらも働いていましたが
蓄積された心へのダメージによって
仕事を辞めてしまいます。
1か月ほどニートのような生活を続けて
いますが、うつ病らしい症状を見せて
います。
踏切でのすれ違いの後、心が回復した
遠野貴樹はフリーランスとして働き
始めています。
アニメ映画「秒速5センチメートル」は
Huluで視聴可能です。
もう一度観てみたい方は是非。