新海誠の「秒速5センチメートル」の
主人公・遠野貴樹はアカリや花苗という
子どもの頃の女性に影響を受けて恋愛観が
壊れていたようです。
アニメ映画では水野理紗という女性から
「1000回メールしても1センチくらいしか
近づけなかった」と言われてふられて
います。
実は小説版では遠野貴樹はこの女性以外
にも付き合った女性がおり、かなりヒドい
別れ方をしています。
遠野貴樹の歪んだ恋愛観を小説版や
マンガ版を基に紹介しますのでご覧ください。
なお当記事は私の感想が含まれています。
新海誠やそれぞれの著者が意図していない
受け取り方をしてしまっている可能性が
あります。
一ファンの考察としてご覧ください。
遠野貴樹の女性遍歴
小学校から中学校まではアカリ、
中学で引っ越してから高校卒業までは
花苗という女の子が遠野貴樹の周囲に
いました。
そして大学に入ってからは大学生協の
バイトの女性、さらに塾講師のバイトで
知り合った女性とも付き合いました。
大学を卒業し就職してからはアニメ版にも
登場する水野理紗と付き合っています。
歪んだ恋愛観
アニメ版で水野理紗からも言われた通り
遠野貴樹は基本的に相手の女性を見て
いません。
常に心を閉ざしており、機械的に優しい
言葉を返しているだけです。
改めて思い返してみれば高校時代の
花苗に対してもそうだったのかもしれません。
貴樹が見ているのはアカリとの最後の日
です。
あの日のあの出来事があまりにも完璧
すぎて、言葉で表現することもできない
大切なものとなってしまっています。
完璧なものを一度手に入れてしまった
というのはある意味で不幸です。
もう二度とその高みに到達できない
ことがわかってしまうため、努力が
できなくなってしまうからです。
貴樹はあのアカリとの最後の日以降、
特に恋愛面において真剣に誰かを愛する
ということができなくなっているのです。
大学１年生の頃の彼女
小説版で登場します。
同い年で横浜の実家から通っている同じ
大学の学生です。
大学生協で貴樹とその子は弁当の売り子を
しており、１年半続いています。
貴樹の知らない男が彼女に告白した
ことで関係は終わっています。
この子も「あたしは今でも遠野くんが
好きだけど遠野くんはそれほどあたしを
好きじゃない」と言っています。
大学３年生の頃の彼女
塾講師のアシスタントのアルバイトを
通じて知り合った女性です。
その女性は早稲田大学に通う学生で
外見がとても美しく周囲から人気が
ありました。
その子はやや心が歪んでおり、同じく
歪んだ心を持つ貴樹はその子の本心を
理解したことで急激に仲が接近します。
付き合った期間は３か月です。
最初の２か月はお互い深く愛し合うために
必死だった期間で、最後の１か月は
相手を傷つけることだけを考えた期間
です。
ちなみにこの女性はバイト先の数学講師
とも付き合っています。
数学講師は妻子がいるため不倫です。
漫画版で「でも背徳感が好きなんでしょ？」
と言ったのはこの女性です。
社会人時代の彼女
水野理紗です。
アニメ版のラストで「1000回メール
しても心は1センチも近づけなかった」
とメールしているのはこの女性です。
水野理紗についてはこちらの記事も
ご覧ください。
最後に
「秒速5センチメートル」の主人公の
遠野貴樹の女性遍歴を紹介しました。
付き合った女性たちからは異口同音に
「わたしのことを見ていない」と言われて
います。
機械的に優しい言葉を返すだけとも
言われています。
それもこれも中学時代にアカリと過ごした
最後の日の思い出が強烈すぎるからの
ようです。
アカリに想い焦がれているというよりも
あの日の出来事が完璧すぎて二度と到達
できないということに苦しんでいるように
見えます。
子どもの頃の思い出は大人になるにつれて
美化されますが、一方で大人になると
それが美化されていること自体にも
気が付くことが多いです。
ですが遠野貴樹はなかなかそれに気付けず
苦しみ続けているようですね。
