フジテレビドラマ「悪魔の弁護人」では第2話にしてさっそく主人公の御子柴礼司が殺人犯であることが明かされました。
御子柴は弁護士をしていますが、重大な罪を犯した人が弁護士になれるものなのでしょうか。
また、その事実が明るみになったことで弁護士資格ははく奪されないのでしょうか。
当記事はドラマ「悪魔の弁護人」について語ったものであり、登場する人物や事件は全てフィクションです。
また、原作小説を基に記述している部分があり、ドラマのネタバレが含まれる可能性があります。
ご注意ください。
弁護士になれない罪
弁護士法第7条「弁護士の欠格自由」によると、「禁錮以上の刑に処せられた者」とされています。
一般的に殺人の罪を犯した場合、禁錮刑以上となることが多いため「殺人を犯した前科がある場合は弁護士にはなれない」と言われています。
御子柴礼司はなぜ弁護士になれたのか
御子柴礼司が罪を犯したのは14歳の時です。
その結果、医療少年院に入所しています。
ご存知の通り少年院は更生施設であり、刑罰を執行する場ではありません。
ですので、御子柴礼司は「禁錮以上の刑に処せられた者」ではないのです。
御子柴礼司は司法試験に合格し、司法修習を受け、正しいルートで弁護士になっています。
弁護士資格ははく奪されないの?
されません。
まず、御子柴礼司は「禁錮以上の刑に処せられた者」ではありません。
また、14歳の頃の罪については医療少年院で更生しています。
弁護士会が懲戒免職処分をすれば弁護士資格を失うことになりますが、「罪を悔い改めた人間を認めない」というのは弁護士として間違っているため、弁護士会は動きません。
御子柴礼司はそもそも更生できているの?
ふてぶてしい態度や、自分から死体配達人であることを名乗るあたり、更生していないように感じますね。
実際、被害者遺族である津田亜希子に名乗った際にも最後まで謝罪の言葉を口にしませんでした。
しかし、それには医療少年院時代の恩師である稲見武雄の影響があります。
稲見武雄は御子柴礼司の担当教官だったのですが、御子柴が謝罪の言葉を口にすることを禁じました。
その理由は「言葉は薄っぺらい。そんなものでは贖罪にならない」というものです。
稲見武雄は御子柴礼司に「言葉ではなく態度で示せ」と教えました。
御子柴の贖罪
御子柴礼司は「不当な罰を受けさせられそうになっている人を弁護する」ということを贖罪としています。
また、被害者遺族(津田亜希子の家族)にも毎月100万円ふりこんでいます。
このお金は反社などの後ろ暗い人たちを弁護した際の破格の報酬から捻出しています。
この行動が正しいかどうかは別として、御子柴礼司は14歳の頃の事件について何とも思っていないわけではないようです。
最後に
フジテレビドラマ「悪魔の弁護人」の主人公・御子柴礼司は「死体配達人」と呼ばれる罪を犯した少年・園部信一郎でした。
そんな大事件を犯しておきながら弁護士になれたのは、事件を起こしたのが未成年の頃だったからです。
「禁錮以上の刑に処せられた者」は弁護士になることはできませんが、医療少年院に入所しただけなので問題ないのです。
なお、当記事は日本の法律を基に記述していますが、あくまでドラマ内の話です。