VRoid Stuioがあれば超かわいい3DのキャラクターでVTuberデビューができる!!
そう思っていた時期が私にもありました。
初心者でも(絵が描けなかったり3Dが作れなかったりしても)簡単にかわいらしいアバターが作成できるのは間違いないのですが、それだけだとどうしても「量産型」になってしまいます。
衣装などの外見はVRoid Studio上で頑張るとして、もう一つの問題は「動作」です。
3teneでアバターを動かす場合、顔と上半身をフェイストラッキングで連動させることはできますが、手や体全体の動きはできません。
※リープモーションという別のツールを使えば可能ですが、初心者には金銭的にも技術的にもやや敷居が高いですよね
とはいえ、Blenderなどの3Dソフトでアニメーションを作るのもそれはそれで敷居が高いです。
ボーンを設定して重みをつけて、さらに1フレームごとに違和感のない動きを大量のボーンに設定するなどというのは素人にできるものではありません。
でも大丈夫です。
mixamoという無料のサービスを使えば、VRoidで作ったキャラクターに動きを追加できます。
当記事で紹介している方法は、「最初から鼻歌混じりに体感的に操作してすべてうまく行く」というほどには簡単ではありません。
ですが落ち着いて一つずつ操作すればほとんどの人が可能です。
また「クリエイティブな操作」が一切ないため、やり方さえ覚えたらセンスがなくてもできます。
私のような絵のセンスに欠陥がある人でもできるようになりましたので、あなたも必ずできます。
目次
無料で使えるモーション
mixamoというのはあのAdobe社が提供するネット上のサービスです。
メールアドレスさえあれば登録が可能で、登録すれば無料で使うことができます。
もちろん、ある程度Blenderなどの3Dソフトの心得があれば、モーションを自分なりに改変することもできます。
ちなみに「ある程度」とは、最低でも以下の技術が必要です・
・Blenderをインストールし、起動させることができる
・わからないことをネットで調べたり、知っていそうな人に聞くことができる
特に2番目のスキルは必須です。
初心者にとって、3D制作はわからないことだらけです。
方法を調べたり、発生した問題の解決策を探ることができない方は諦めましょう。
モーションを見てみよう
話が少し逸れました。
とりあえずmixamoのサイトで好みのアクションがあるか確認してみましょう。
まずは公式サイトへ行きます。
公式サイトの上部にある「Animations」をクリックしてください。
左側にサムネ的なサイズのポリゴン人形が並んでいます。
興味のあるサムネをクリックすると、右側の画面でアクションが再生されます。
ポリゴン人形なのでイメージがし辛いですが、よさそうなアクションがあるのなら実際に使えるようにアカウント作成へと進みましょう。
mixamoのアカウント登録
トップ画面「Sign up for free」、またはアニメーション一覧画面の右上に表示されている「Sign up」をクリックします。
「Create an account」のページに飛んだら、必要な項目を入力していきましょう。
Email address・・・メアドです。認証が必要なので受信可能なアドレスを使ってください
First name・・・ファーストネーム、いわゆる「下の名前」です
Last name・・・名字です
Password・・・ログインパスワードです
Date of birth・・・あなたの誕生日です
Country/Region・・・日本です(あなたの住んでいる国です)
「Please contact me via email」のチェックボックスはadobeのセールスメールを届けていいか?という質問のようです。
チェックボックスをオンにしなくても大丈夫です。
入力が終わったら下部にある「Create account」ボタンを押しましょう。
すると、以下の英文が表示されます。
Please solve a few puzzles, so we can be sure you're not a robot.
要は「ロボットじゃなく人が登録していることを確認するためにちょっとしたパズルに挑戦してね」ということです。
「Start puzzle」を押すと始まります。
間違えても二度と登録できないなどの罰則があるわけではないので気軽に挑戦してください。
登録したEmail addressに認証URLの書かれたメールと、verification codeの書かれたメールが別々に合計2通届きます。
1通目のURLに飛び、2通目のメールに書かれている6桁の数字を入力すれば晴れてアカウントの作成が完了します。
注意事項「ここは読み飛ばさないでください!!」
この手の説明はどうしても長くなるので、読み飛ばして失敗してしまいがちです。
mixamoのアクションをVRoidアバターに使う場合、いきなりアクションをダウンロードしてもうまくいかないことが多いです。
※ときどきうまくいきます
まずは自分が作ったアバターの関節とmixamoのポリゴン人形の関節を一致させる作業が必要です。
同じような人体ですが、あご・手首・肘・膝・股の位置が違うとおかしな挙動になります。
具体的な操作としては、自分のアバターのFBXファイルをmixamoにアップロードてからモーションのダウンロードが必要です。
※勝手に使われることはないので安心してください
アバターのFBXファイルを作る
Blenderという3Dソフトを使います。
mixamoのアクションを使えるようにする際にも必要なのでインストールしておきましょう。
無料です。
ちなみにBlenderの最新バージョンは2022年1月時点で「3.0」です。
操作方法など、以前のものと変わっているところもあるようです。
ネット上での使い方の説明が旧バージョンのものだと混乱しますが、頑張って読み解きましょう。
VRoidのアバターの読み込み
まずはBlender上でVRoidのアバターを読み込みます。
VRoidのアバターファイルは通常保存のvroid形式ではなく、VRM形式でエクスポートしておく必要があります。
方法はこちらをご覧ください。
Blender上では白黒で表示されますが、モーションの設定だけなので特に気にしなくて大丈夫です。
※どうしてもカラーがいいという方は「cats-blender-plugin-master」というアドオンを入れましょう。
アドオンを入れた場合は、上記リンク先で紹介した方法ではなく「cats-blender-plugin-master」側での読み込みが必要です。
※cats-blender-plugin-masterに関する記事は後日掲載予定です
余計な関連項目を削除していく
やるべきことは以下の4つです。
・メッシュからシェイプキーを削除する
・モディファイアーからアーマチュアを外す
・メッシュを選択した状態でエクスポートする
・エクスポート時にLimit toで「選択したオブジェクト」にチェックをする
詳細はこちらにまとめました。
※BlenderでVRM形式のアバターを読み込んだ状態からの説明になっています
VRoidのアバターにmixamoのモーションを使う方法2 アップロードエラーの解決法 Sorry,unable to map your existing sleleton.
mixamoへのアップロード
無事にFBXファイルが完成したら、mixamoにアップロードしましょう。
mixamoのアニメーション一覧のページに進み、右側にある「UPLOAD CHARACNTER」をクリックします。
※サインインしておく必要があります
画面下部の「Select Characnter File」を押してFBXファイルを選択するか、ファイルそのものをドラックドロップすることでアップロードが始まります。
この時、アバターのメッシュが欠けて表示されたり、珍妙な色になっていることがあります。
特に問題はありませんが、テンションが下がるという方は「衣装を着ていないVRoidアバターのFBXファイル」を作り直すといいでしょう。
アバターがTT兄弟のようなポーズを取っている画面が表示されたら、とりあえずアップロードは完了です。
次は関節の設定です。
関節の設定
アップロード後、Tポーズが表示されている画面で「NEXT」を押すと、次のような画面になります。
「AUTO-RIGGER」という項目で、関節の設定画面です。
右側に表示されているサンプルを参考に、アバターの左下にあるわっかを動かして設定しましょう。
CHIN・・・あご
WRISTS・・・手首
ELDOWS・・・ひじ
KNEES・・・ひざ
GROIN・・・股間(鼠径部)
ちなみに、手首・ひじ・ひざには左右の区別があります。
これを間違えるとエラーになりますので注意してください。
なお、アバターはこちらを向いているため画面の左側が右手です。
アニメーションの確認
アップロードが完了したら、アニメーション一覧から好みのアクションをクリックしてみてください。
右画面であなたのアバターが該当するアクションをするはずです。
「指」などの細かい動きは設定されていないので大目に見てください。
アクションのダウンロード
問題なければダウンロードしましょう。
画面右上の「DOWNLOAD」を選択します。
Format・・・FBX Binary
Skin・・・Without Skin
Frames per second・・・30(いわゆるFPSです。必要に応じて変化させてください)
Keyframe Reduction・・・none
「DOWNLOAD」を押すとFBXファイルが生成されます。
10秒から1分程度かかりますが、保存フォルダを聞かれるのでわかりやすい場所に保存しましょう。
これでmixamoからアニメーションファイルを取得できました。
FBXファイルをbvhファイルに変換する
VRoidをカメラと連動させてVTuber化するためには3teneというソフトで必要です。
そして3teneというソフトでは、残念ながらFBXファイルは直接読み込めません。
ですので、ファイルの変換作業が必要です。
作業は簡単です。
BlenderでFBXファイルを読み込み、bvh形式でエクスポートするだけです。
読み込んでからエクスポートするまでの間の注意事項は「アニメフレームを再設定する」だけです。
mixamoのアクションとBlenderのアニメーションの長さが一致していないことがあり、そのままだと3tene上で動かした場合にループの間にしばらく動作が止まってしまいます。
Blenderの下部にあるアニメーションキーフレームの色がついている部分の最終フレームと、終了フレーム番号を一致させましょう。
※下記の画像では中央に「113」と書かれているのがアニメーションの最終フレーム、右側の赤枠が書き出す際の最終フレームになるため、右側の赤枠を113へと変更させます
なお、ファイル名そのものが3tene上でのモーション名になります。
日本語も使えるのでわかりやすい名前で保存しましょう。
3teneに実装する
さて、無事にbvhファイルが出来上がったでしょうか。
もうすぐゴールです。
3teneを起動し、左側のメニューから「モーション」を選択します。
「モーションフォルダを開く」を押すと、モーションを格納すべきフォルダが表示されます。
先ほど作成したbvhファイルをここに移動させてください。
移動が終わったら、3teneのモーションの項目にある「BVHを更新する」ボタンを押してください。
一覧の下部に作成したモーションが追加されているはずです。
それを押せばアバターが動きます。
最後に
お疲れ様でした。
エラーなく無事に動かせたでしょうか。
今回はVRoid Studio、Blender、mixamo(webサイト)、3teneと4つのソフトを横断したので初心者にはかなり大変だったはずです。
「毎回こんな難しいことやんのか...」と落ち込んでいる方は安心してください。
面倒ではありますが、難しくはありません。
この作業に「クリエイティブな操作」はありませんでしたよね。
絵をかいたり3Dを作ったりといった作業はクリエイティブな創作で、(私のような)センスのない人間にはとても難しいです。
でも作業が面倒なだけで毎回決まった作業をするだけの今回のようなケースは「簡単」です。
私もまだまだ初心者レベルですが、何回か繰り返せば慣れて鼻歌混じりでできるので安心してください。
mixamoからダウンロードしたモーションはBlender上で改変が可能です。
ゼロからアニメーションを作るよりはかなり簡単なのでぜひ挑戦してみてください。
私も近々挑戦しますので、うまくいったりいかなかったりしたら情報共有のために記事を書きたいと思っています。
当サイトではコメント欄やメールで質問を受け付けています。
もちろん私自身はこのジャンルにおいてまだまだひよっこなので「絶対にあなたのトラブルを解決します」とお約束はできませんが、解決の糸口を見つけられる可能性があります。
ただ、「言った通りにしたのに動きませんでした」という一文だけでは何が問題なのかを判断することはできませんので、画面共有やあなたのアバターを送っていただいてこちらで検証するなどの作業が必要になると思います。
「一刻も早く解決したい。自分では何も考えず丸投げして答えだけが欲しい」という方は私以外のプロフェッショナルたちが展開している有料のサービスを利用してください。