外こもりという生活スタイルが流行したのはもう10年以上も前の話です。
実はその生活スタイルは10年前とはだいぶ変化してきています。
外こもりは貧乏くさい、惨めという印象は古いのかもしれません。
目次
外こもりはひますぎる?
外こもりとは、物価の安い海外で暮らすことです。
出費を抑えて暮らすというイメージから、普段何もせずにゴロゴロしていると思われているフシがあります。
引きこもりと似た名前であり、「海外で引きこもりをすること」と自虐する人もいるのでなおのことひまなイメージがあるのでしょう。
ですが実際には違います。
やりたいことがあるなら時間はいくらあっても足りない
ふだん何も考えず流されている生き方をしている方には想像しにくいかもしれませんが、何かをやりたいと考えたら人生は短すぎます。
たとえば知らない言語をネイティブレベルで喋ってみたいだとか、プログラマーになってアプリやゲームを作ってみたいだとか、絵を描けるようになって漫画を出版してみたいなどといったことに挑戦するのであれば、「ひますぎて辛い」などという気持ちは湧いてきません。
むしろ外こもりで他にやることがない状態であっても、時間は足りなくなります。
貧乏くさい?
何をもって貧乏くさいと感じるかわかりませんが、人によっては貧乏くさく感じるかもしれません。
最も安く外こもりするのであればドミトリー形式と呼ばれる大人数部屋に住むことになるのですが、日本で暮らしている人にとっては信じがたい劣悪な環境に見えるようです。
実際、外こもりはモノを増やすことで裕福に感じるタイプの人には我慢ならない世界です。
また、1か月から数か月のスパンで住む場所を変えることが多いため、衣類も増やせません。
ブランド品をたくさん並べることが裕福の証だと思うのであれば、貧乏くさいでしょう。
底辺?惨め?
外こもりをしている人は生活費が少なくていいので収入も少なくていいと考えています。
そのため、たまに日本に帰ってきてバイトをしてお金を貯めたり、ネットで最低限の生活費を稼いでいるという人は多いです。
定職に就いていないことは一般的なモノサシで見れば底辺と言えそうです。
ただし、惨めかどうかはまた別です。
少なくとも、心に余裕があるという点においてはかなり上位にいると思います。
外こもりをしている人の多くは、その生活を望んで手にしており、やめたいとは考えていません。
「日本はだめだ」「うちの会社はブラックだ」などと常に不平不満を言いながら自分自身は変わろうとせず翌日も同じ会社へ通う人と比較したら、私は全く惨めには思いません。
全てにおいて限界まで削る必要はない
外こもりについて勘違いされる人が多いのですが、外こもりはあらゆる費用を限界まで削っているわけではありません。
私の場合、たとえば住んでいるのは個室のアパートです。
ドミトリーにすれば家賃が月1万円以下になりますが、現在のアパートは月3万円弱です。
食事も「モヤシだけ」のような日本の貧乏生活とは事情が違います。
海外では野菜がとにかく安いです。
たとえば私のいるジョージアやウクライナでは、トマトが1kg150円、ジャガイモが1kg100円、にんにくが1kg300円、キャベツが1kg20円などとなっています。
外こもりは時間があるので、それまで自炊経験がなかった人も挑戦してどんどん上達しています。
時間もお金もなく野菜を十分に買えず毎日半額のお弁当生活の人とどちらが惨めでしょうか。
現地の人と仲良くなると、お金のかからない遊びをたくさん知ることができます。
外こもりは物価の安い国に滞在するため、現地で仲良くなる人も収入も低く、お金のかからない楽しみ方をたくさん知っています。
たとえば割り勘で車を借りて地方にドライブにでかけたり、近所の川や湖でバーベキューをしたり。
日本でも「田舎でスローライフ」が流行していたことがありますが、過酷すぎないいいとこどりの生活ができます。
さみしくないの?
日本語を話す機会が少ないと言うと「さみしくないの?」と必ず聞かれます。
上述のように、現地で友達を作るのでさみしくありません。
今はLINEなどネットで通話ができるので海外にいても日本の友人と話をすることもできます。
海外だと時差がありますが、タイは2時間差なので気になりませんし、ジョージアやウクライナは5時間から7時間の差なのでこちらの夕方が日本の夜に相当します。
日本にいる人と電話をするなら夜になるため、特に問題は発生しません。
現地の友人を作るって無茶じゃない?
タイではたしかに難しかったですが、ジョージアやウクライナなどでは簡単です。
こちらではまだまだ日本人は少ないです。
ですので日本人だとわかると興味を示す人が多いです。
よく行くスーパーでは私一人に対して3人くらいが接客に近寄ってくることもあります。
日本の店員と違って超フレンドリーです。
最も友達を作りやすいのは日本文化のイベントです。
ジョージアではなかなか開催されませんが、ウクライナではコスプレ大会が各都市で開かれており、日本好きな美人コスプレイヤーが会場内を歩き回っています。
日本語でコスプレしているキャラクター名を言うと目を輝かせて寄ってきます。
こちらは特にコスプレしているわけではないのに一緒に写真を撮ってくれと言われることも多いです。
ドミトリーに泊まれば現地の人だけでなく別の国の旅行者とも仲良くなれます。
どの国の出身か、これまでどんな場所を旅したか、この国ではどこに行く予定か。
旅人同士であればこれらの会話はもはや挨拶がわりです。
その質問をしあっているうちに相手のこともわかってくるので友達になれます。
また、日本人が少ないので日本人同士で声をかけやすいということもあります。
私は日本国内では見ず知らずの異性に声をかけて食事に誘う事などできませんが、ジョージアやウクライナであればレストラン内で声をかけてカフェに連れ出すなんてことも簡単です。
連絡先を交換することもできますし、「海外の夜は危ないから」と言って宿まで送り届けることも簡単です。
いつまで続けられるの?いつになった帰ってくるの?
終わりなどはないさ、終わらせることはできるけど
なんつって。
私は日本に定住する予定はありません。
もちろん、将来高齢になり移動が困難になったり病気がちになったりしたら日本に戻るかもしれませんが、元気なうちは海外にいます。
年を取ってから日本に帰ってもキツイのでは?と思うかもしれませんが、外こもりの間に英語やロシア語を自在につかいこなせるようになれば通訳や翻訳の仕事が可能です。
外国語が自在に使いこなせるようになれば、日本を海外に発信することもできます。
英語であれば話者は15億人います。
ロシア語も2億人の話者がいます。
日本という国はありがたいことに世界中にファンがいますので、日本を伝えることができるようになれば仕事には困りません。
外国語で稼ぐのは肉体労働とは異なり、座ったままでもできます。
頭脳労働ができないほど老いてからのことは考えていませんが、それまでに安い国で生活していたことで貯めたお金で老人ホームにでも入ることになるでしょう。
最後に
外こもりはひますぎて辛いんじゃない?と思っている人が多いようなので反論記事を書いてみました。
もちろん、昔ながらの外こもりスタイルで何もせずに朝から晩までYouTubeなどの動画を見続けている人もいます。
ドミトリーに住み、ヒゲも伸びっぱなしでだるんだるんの薄汚れたシャツで生活している人もいます。
それはそれで一つの生き方ですので、本人が楽しければそれでいいんです。
外こもりの世界はそれを受け入れてくれる器の広さがあります。
外こもりしながら何をするかは自分次第です。
やりたいことがあるのであれば充実した生活ができますし、何もせずに悲観的な事ばかり考えていれば惨めな生活に感じるかもしれません。
時間はたっぷりありますし、どの国でもネットにはつながるので、やりたいことがない人でもやりたいことを探すことはできます。
初期投資がかからないものはいくらでも挑戦できます。
初期投資がかかるものであっても物価が安い国なら始めやすいです。
自発的に行動できるのであれば、外こもりは忙しいくらい充実した日々を過ごせます。
しかも仕事などのやりたくないことで忙しいのではなく、楽しいことだらけで忙しいという日々です。
この生活は底辺でしょうか。
この生活は惨めでしょうか。
私はとても幸せです。