石工職人佐野勝司!モアイ像も春日大社の石燈籠も全て彼の手で修復していたプロフェッショナル!

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こんにちは、猫の下僕です。

 

 

イースター島のモアイ像。

 

今なお作られた方法やその意味などが

不明のままの古代の遺跡のひとつとして

日本でも非常に有名ですよね。

 

 

そして、春日大社。

 

日本の古くからある社のひとつで、

日本中に1000社近くある春日神社の

総本社。

 

この春日大社にある、石燈籠。

 

 

この二つに大きく関わっている、

奈良県の伝説的な石工職人、佐野勝司

さんについて紹介します。

 

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関連:イースター島と春日大社を繋ぐ縁

 

左野勝司さんとは

 

名前:左野勝司(さのかつじ)

 

誕生日:昭和18年2月27日(73歳)

 

所属:飛鳥建設(とびしまけんせつ)

 

平成19年 吉川英治文化賞

 

著書「石ひとすじ」

 

 

世界を股に掛ける活躍

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中学を卒業後から石工職人として活動を

はじめ、国内・国外問わずに様々な場所の

石造文化財の調査・修繕に携わっています

 

 

国内での活躍

 

藤ノ木古墳石棺、高松塚古墳石室など。

 

高松塚古墳は、1300年の年月により

劣化したことで解体修理が行われました。

 

2006年から始まったこの解体修理は、

10年間かけて保存修理が行われ、完了後

もとの古墳に戻る予定です。

 

※昨年がその10年目ですが、もう少し

かかるようですね。

 

これらの古墳だけでなく、世界遺産に

認定された奈良の春日大社にある

石灯籠の修繕にも携わっています。

 

左野勝司さんは、昔ながらの職人らしく

極力機械を使わず、ハンマーとノミでの

作業にこだわっています。

 

何時間もかけ、ゆっくりゆっくり修復

された重要文化財は、これまでの歴史

を損ずることなく、ふたたび灯をとも

すことができるようになります。

 

 

海外での活躍

 

佐野勝司さんの活躍は国内だけに

とどまりません。

 

 

あの有名なモアイ像を修繕したのも、

左野勝司さんです。

 

29年前、世界ふしぎ発見でイースター島

特集が組まれた際、ほとんどのモアイ像

が部族間抗争などにより倒壊しており、

そのときに黒柳徹子さんがつぶやいた

一言から、株式会社タダノが立ち上がり、

タダノと長く付き合いのある左野勝司

さんも立ち上がりました。

 

神聖なモアイ像を外国人に触れられる

ことをよく思わない現地民やチリ政府

など、当初は難航していましたが、

左野勝司さんのプロフェッショナルと

しての想いや、株式会社タダノの社員

たちのモアイ像修繕に対する熱い想いに

ついにはチリ政府が全面協力、結果と

して、今最も日本で有名な、沈む太陽を

背にした15体のモアイ像などの修繕

行うことができました。

 

 

また、左野勝司さんは世界遺産である

カンボジアのアンコールワット遺跡でも

解体修繕の総指揮を取っています。

 

日本の高松塚古墳と同様、こちらも

1000年以上の歴史を持ち、劣化が激しく

なっており、特に西トップ寺院などは

危険リストに登録されるなど、一刻も

早い修繕が望まれていました。

 

なお、アンコールワット遺跡群は常に

どこかで修繕工事が行われており、

年々遺跡テーマパーク化していると

揶揄されることもあります。

 

本来の遺跡を見たいのであれば、早い

うちに見ておくべきかもしれませんね。

 

 

世界ふしぎ発見との繋がり

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前述のように、イースター島のモアイ像

修繕のきっかけとなったのは、29年前の

世界ふしぎ発見!でした。

 

実はこの番組、30年以上も続いている

んですね。

 

そして、29年前にも今と同様黒柳徹子

さんが出演されていたことにも驚きです。

 

世界の歴史や文化などのミステリーを

クイズ形式で紹介するこの番組は、

各地の遺跡を日本で初めて取材する

ことも多いです。

 

イースター島のときも、おそらく日本で

初めてだったはず。

 

まだ倒れたままのモアイ像は、日本の

技術があれば引き起こすことが可能

でした。

 

そこで、黒柳徹子さんが「日本が協力

してあげればいいのに」とつぶやいた

のを、たまたま見ていた株式会社タダノ

の社員が社長に進言したことから、

日本とチリの国を越えた文化遺産の

修繕プロジェクトが始まったのでした。

 

テレビがつまらなくなったとか、くだら

ない番組ばかりだと言われる中、この

ような番組が30年以上も長続きして

いるのは喜ばしいことですね。

 

 

左野勝司さんの道具

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前述の通り、左野勝司さんはほとんど

機械を頼りません

 

左野勝司さんの使う道具を紹介します。

 

 

 

石を割るために使う、ハガネでできた

道具です。

 

くさびのように石に打ち込むことで、

狙った位置で石を割ることができます。

 

左野勝司さんほどの熟練者であれば、

木を切るよりも早く石を割ることが

できるのだとか。

 

 

コヤスケ

 

ノミの一種だそうです。

 

こちらを石に当て、ハンマーで衝撃を

与えていくと、大きな石も真っ二つです

 

白御影石を割る動画がありましたので

その威力をご覧ください。

 

 

 

※こちらの実演されている方は

左野勝司さんではありません。

 

 

ハンマー

 

上述の矢やコヤスケをたたくための

ハンマー。

 

重さは約2キロ。

 

これを毎日数千回振るそうです。

 

 

筋肉

 

機械を使わない職人にとって、体こそが

最高の商売道具です。

 

2キロのハンマーを毎日振り続けて

ついた筋肉は、ウェイトトレーニング

などで作られた不自然なものとは違い

ます。

 

現在70歳を越える左野勝司さん。

 

60年近くの鍛錬の結果は、我々素人とは

桁違いの筋肉がついています。

 

なお、ハンマーを振っている右手は、

左手と比べて圧倒的に分厚くなって

います。

 

 

これがプロというものか

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職人は日本のプロフェッショナル。

 

左野勝司さんは、まさにそのプロと

しての誇りをもった石工職人です。

 

ただし、左野勝司さん本人は自分の

ことを未だに「プロ」だと認識して

いないそうです。

 

2012年に放送された、NHKの

「プロフェッショナル 仕事の流儀」

で、次のようなことを言っていました。

 

自分ではプロとは感じないもんで、

人が、自分が死んだときに決めてくれる

もんだと思っています。

 

生涯、石とともにまだまだ歩みたいと

いう気持ちがあり、また、後世に

伝えたいものがあるからです。

 

引用:NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

 

素敵な言葉ですよね。

 

プロである責任を持て、とよく言われる

ことがありますが、本当のプロはこの

ように、自らプロを名乗らずとも、溢れる

オーラがあるものです。

 

左野勝司さんは、現時点でも誰もが

認めるプロフェッショナルです。

 

2007年には、吉川英治文化賞も受賞

しています。

 

もっと多くの賞を受賞してもいいような

気がしますね。

 

 

最後に

 

ということで、現代の石工職人、

左野勝司さんを紹介しました。

 

イースター島のモアイ像修復、そして

春日大社の石灯籠の修繕・保全・製造。

 

他にも、唐招提寺や飛鳥の石造物、

石舞台古墳、高松塚古墳など。

 

海外でも、モアイ像だけでなく、

アンコールワットやエジプトの

スフィンクスの修繕などにも携わって

います。

 

こんな素晴らしい職人がいるのだ、

ということを少しでも多くの人に

知っていただきたいと思っています。

 

 

 

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