こんにちは、猫の下僕です。
キッズウィークという言葉をご存知で
しょうか。
どうやら、夏休みを短縮し、各学校
ごとに分散して配置するように政府が
主導で導入するそうです。
目次
休日が増えるの?
残念ながら、休日の総日数は変化
しないようです。
夏休みの最終週を削り、別の月の平日に
持って行くことで、大型連休が増える
ということになります。
苦しくなる北海道・東北・信越
東京などに住む方は知らないかも
しれませんが、実は雪国など
寒い地域は、もともと夏休みは8月
31日までありません。
たとえば長野県は20日あたりまで
ですし、北海道や青森なども20日と
している学校が多いです。
ここからさらに1週間削りますか。
雪国の夏は暑くないと思っている
のでしょうか。
正直、日本国内であればどの地域でも
暑いものは暑いです。
都内や九州、沖縄と比較すれば涼しい
のかもしれませんが、8月中旬に毎日
学校に通うのは大変でしょう。
キッズウィークは何月?
どうやら、地域によって分散させる
ことになりそうです。
来年2018年の4月から、2018年度から
導入です。
4月からということは、早い地域では
入学してすぐに連休がある学校も存在
するのかもしれませんね。
もともと、このキッズウィーク導入は
大型連休での混雑緩和にも効果がある
と想定されており、学校によって
違う時期に休みがあることで、これまで
の連休以外の時期に観光などに行くこと
ができるとされています。
政府から各企業へも強い要請が
各学校は、政府からの指導で夏休みなど
の休日の計画を変更することになります。
そして、その小中学校が休みの時期に
あわせ、親であるサラリーマンが
有給を取得できるよう、企業に強く
要請をするとされています。
日本の企業では病欠時にしか有給消化が
認められていないという過酷な会社も
多く、結局有給が期限を失効してしまって
いる人が多いため、この制度が正しく
運用できるなら、有給取得率も上がり
そうです。
穴だらけのキッズウィーク
現時点で、その構想を聞いただけでも
いくつも問題点が見つかりますよね。
そもそも子供がいない人は
子供の学校の休日に併せて有給取得と
なるということは、子供のいない
サラリーマンはキッズウィークで有給を
取得する人たちのしわ寄せがやって
きます。
もちろん、有給取得そのものは従業員に
とって当然の権利ですので、そのこと
自体を否定するものではありません。
しかし、キッズウィークという大義名分を
持つ子持ちサラリーマンと違い、独身の
サラリーマンはキッズウィークを名目に
有給取得ができません。
「キミは子供いないんだろう?じゃあ
働いてくれよ」といわれ、有給がより
取り難くならないか心配です。
時給・日給制の派遣社員が想定されていない
働いた時間で給料が支払われる派遣社員
にとっては、その派遣会社での雇用日数
によって有給が支給されない場合もあり
ます。
そうした派遣社員にとっては給料が減る
だけではないでしょうか。
派遣社員でも子供を持つ家庭はたくさん
あります。
子供を育てるにはお金がかかりますし、
子供と遊びに行くのにもお金がかかります。
このあたり、大丈夫でしょうか。
一人っ子家庭しか想定されていない
学校ごとに分散されるのであれば、
複数の子供を持つ家庭では、複数の
キッズウィークが存在することになります。
ということは、親は2回も有給を取得
することになりますよね。
この時点でかなり無茶なことになって
いますが、さらに落ち着いて考えて
みると、その複数の子供たちの連休が
違う可能性が出てくるわけです。
となると、家族で旅行に行くことが
できないのではないでしょうか。
小学生・中学生くらいの子供を置いて
家族旅行に行けますか?
一人だけ学校に行きながら留守番も
させるなんて悲しいことさせられますか?
地域ごとに全ての学校がキッズウィークを
併せるのは不可能です。
公立の中学校までならいいのでしょうが、
私立で学区外から通う子はどうなります?
高校にもなれば電車通学で離れた学校に
通う子も多いですよ。
これらについて、どうなるのでしょうか。
県境に住む家族ならば、子供が別の
県の私立学校に通っている場合もある
はずです。
その全ての子供たちに配慮できるので
しょうか。
夏休みが減る!
削られるのは夏休みです。
もともと1ヶ月以上あるので、1週間
削られることに痛手を感じないので
しょうか。
私は、飛び石連休より大型連休が
好きです。
同じ気持ちの人も多いのではないで
しょうか。
地域のイベントは?
夏休みやGWなどの大型連休であれば、
その期間には全国各地でたくさんの
イベントが催されます。
しかし、地域ごとのキッズウィークと
なれば、遠出してもイベントが行われて
いなことがあり得るのではないでしょうか。
遊園地などはいつ行っても開園して
いるでしょうが、それでも夏休みなどは
特別なイベントが企画されています。
キッズウィークが浸透したとしても、
各地域によってその連休はまちまちに
なるため、大きなイベントを開催しても
費用と収入のバランスが成り立たない
はずです。
そのあたりはきちんと計算されている
のでしょうか。
そもそも夏休みとは
夏の暑さで学校や会社に通うのが大変
だから休みになっているはずです。
それにも関わらず、最も暑い8月の
最終週を削るというのは暴挙と言え
ないでしょうか。
公立の小中学校の中には、冷房がない
学校もあると聞きます。
8月にそんな教室に閉じ込めて、熱中症
などにならなければいいのですが・・・
プレミアムフライデーの二の舞に?
導入されているプレミアムフライデー。
効果はどうでしょうか。
月末の金曜日は午後3時退社だそうですが
実際に帰れていますか?
消費行動は増えていますか?
「日本人は働きすぎ」と言われており、
政府はあの手この手で労働から解放
しようとしています。
その思想自体はとてもうれしいのですが
現実にあった政策とは言えませんよね。
忙しい会社や部署では、結局午後3時に
一瞬だけ照明を落とし、形だけ「終業」
を取ってまたすぐ照明をつけて仕事を
始めるところもあると聞きました。
月1回のわずか数時間の早上がりすら
満足に取れない状態で、平日5日間
まるまる有給を取得するなんてことが
できるのでしょうか。
プレミアムフライデー同様、絵に描いた
餅になりそうです。
とはいえ定着するかはやってみなくちゃわからない
正直、プレミアムフライデーは定着
したとは言い難い失策でした。
しかし、シルバーウィークなどの
成功例もたしかに存在します。
やってみなくては定着するかはわかり
ません。
はじめから「失敗するからやめよう」
では、なにも始まらないのです。
そういう意味で、プレミアムフライデー
もキッズウィークも賞賛すべき挑戦と
いえるでしょう。
うまくいかなかったとしても、その
ときは次の手を考えればいいのです。
試行錯誤している今は我々も混乱し
余計な気苦労を負うかもしれませんが、
長い社会人生活、そしてこれからの
世代のことを考えたら、一見無謀にも
思える挑戦に寛容になってみても
いいのかもしれませんね。
最後に
キッズウィークという新たな大型連休は
来年4月から導入予定です。
「4月から」ということは、早い地域は
4月に大型連休が来るということなの
でしょう。
正直、新入生にとって大切な顔合わせの
時期にいきなり大型連休は微妙な気が
しますね。
夏休みが短くなりますが、その分別で
大型連休ができるということがどんな
効果をもたらすのか。
実際にキッズウィークを大人が休む
ことができるようになるのか。
課題は山積みですが、来年以降の実施が
楽しみですね。