海外ノマドというのは、物価の安い国を渡り歩きながらノートパソコン一台で生活費を稼ぐ生き方です。
なにやら楽しそうな響きですよね。
実際、東南アジアや東欧など、快適に生活できるのに生活費が10万円以下という国はとても多いです。
ちなみに私は2020年のアレの前から東欧(正確にはコーカサス地方)のジョージアという国にいます。
この国は月10万円以下で過ごせる上、ビザなしでも1年滞在でき、2020年からは「ノマドビザ」が新設されたことでさらに長期滞在も可能になりました。
ところで、ネットを眺めると「海外ノマドになるために何の仕事をすべきか」という情報が溢れていますね。
何を仕事にするかを考える前に、知って欲しいことがあります。
今回紹介する2つの才能がないのなら、海外ノマドは地獄です。
というか無理です。
日本で稼いで海外でゴロゴロする「外こもり」という生き方にシフトしたほうがいいかもしれませんよ。
そのほうが海外にいる間一切働かなくていいので気楽で楽しいと感じる人も多いです。
才能1
海外ノマドに限った話ではないですが「継続すること」はとても大切です。
「継続は力なり」という言葉を知らない人はいないでしょう。
ですがその言葉の意味を本当に理解し、実践できている人は少ないです。
大半の人が「わかってはいるんだけどねぇ」とヘラヘラします。
海外ノマドというジャンルにおいて、一発でドカンと稼げる仕事を得られるのは残念ながら極めて少数の人だけです。
普通の海外ノマドはブログやYouTube、その他ネットで完結できるプログラミングや同人販売(一次創作に限ります)などで日々の生活費を稼いでいます。
物価の安い国では月10万円で過ごせるケースが多いので、生活費を稼ぐための労働時間は日本の社会人よりはかなり少ないですが、ゼロにはなりません。
毎月何かしらの結果を出していかないと貯金を食いつぶす惨めな生活になります。
なお、「継続すること」はただ思考停止して同じことを繰り返すことではありません。
結果が出ない・思うような結果が得られないというケースでは当然改善が必要です。
継続できない人には海外ノマドは無理なので・・・
海外ノマドになりたい人は、継続することが苦手というケースが多いです。
というのも、海外ノマドを志す人の大半は「会社勤めに疲れて晴耕雨読な生き方に憧れている」タイプだったり「努力をほとんどせずにスタイリッシュに海外でキラキラした生活をしたい」という意識高い系だったりするからです。
社会人生活に疲れた人はだらだらとした頑張らない生き方を望んでおり、意識高い系は泥臭い行動を嫌います。
海外ノマドはSNSでキラキラした側面だけを見せているインフルエンサーの影響で、「ラクして楽しんでいるだけで面倒なことが一切ない生き方」と誤解されています。
キラキラしたインフルエンサーの大半は、キラキラしていない部分を隠しています。
「白鳥は水面下で必死に足をバタつかせている」という表現がぴったりです。
※バカにしているわけではありません。そういう手法だというだけです
月わずか10万円であっても、それを継続して稼ぐのはそれなりの行動が必要です。
知名度が高いインフルエンサーであっても定期的に何かしら発信していますよね。
2020年からのアレで発信する内容がなくなったインフルエンサーの末路を見れば、継続の必要性が痛感できるでしょう。
※多くの(自称)海外ノマドインフルエンサーは日本でアルバイトをしていたりします
才能2
そのために必要は2つ目の才能が「考えること」です。
前回の行動の結果を踏まえ、よかったと考えられる点を残しダメだったと思う点を改善するというのは海外ノマドに必須の行動です。
状況は絶えず変化していきます。
だから海外ノマドも常に変化しなくてはなりません。
これは別に「意識高い系」のお話ではありません。
「会社」は常に変化していますよね。
下っ端の社員は決定権も会議への参加権も持っていないのでそのことに気付いていないことが多いですが、全く同じことを何年も続けている会社はありません。
海外ノマドは一人で稼がなくてはならないため、社長や役員などが考えるべき「今後の方針」も自分で考えなくてはなりません。
「自分の好きな方向に進める」と表現すれば楽しそうな響きになりますが、実際には独りよがりな行動をしても収入に反映されず、「大衆の反応」「同業種の流行」などにも敏感でなければなりません。
ちなみに、海外ノマドの全ての稼ぎ方において「100発100中」はありえません。
ですので、1回やってダメだったからやめるというのは間違っています。
それは「考えた」ではなく「改善を考えることを放棄して逃げた」ということになります。
せめて10回程度試してみて兆しが見えないなら大きく行動を変化させるべきです。
もちろんこの10回もただ同じことをするのではなく、いいところを残しダメなところを改善するという作業は必要です。
考えられない人に海外ノマドは無理なので・・・
悲しいことに、海外ノマドになりたがる人の多くは考えることが苦手です。
前述の通り、海外ノマドになりたい人の大半は「社会人生活に疲れた人」と「意識高い系」が大半です。
この2つのタイプに共通するのは「努力をしたくない」です。
ですが海外ノマドは基本的に一人で生活費を稼ぐ必要があるため、自分で行動し改善し成長する必要があります。
一切の努力をせずにただ空を眺めるかYouTubeを眺めるだけの生活を望むのなら、それは海外ノマドではなく外こもりの世界になります。
日本でお金を貯め、その貯金を切り崩しながら物価の安い国で過ごしましょう。
※私は外こもりと海外ノマドの間に優劣はないと考えています。この2つはただ単純に生活スタイルが違うだけです
最後に
海外ノマドになるのなら「継続」と「改善」はやらなくてはなりません。
今できなくても問題はありません。
継続も改善も、続けていればある程度は慣れます。
ただ「今できないから今後もやらないしやりたくない」という断固とした強い決意を持っているのなら、海外ノマドは向いていないので避けるべきでしょう。
海外ノマドという生き方が要求している「継続」「改善」は、日本の正社員に求められるレベルよりはかなり緩いものです。
だから才能があるかどうかは気にしなくて大丈夫です。
やるつもりがあるかどうかだけは自問自答してください。
なお、この話をすると「じゃあ結局1日何時間働くの?」となぜかキレ気味で聞いてくる人が多いですが、その答えは「その人によるしジャンルにもよる」です。
「何時間必要か」という質問は時給制の考え方に支配されています。
海外ノマドは完全な成果主義なので何時間かけても成果物がなければゼロ円です。
「雪山デビューは滑れるようになってから」「プールに行くのは泳げるようになってから」と言って延々と練習を続ける人は海外ノマドに向いていません。
また、ブログやYouTube、そして同人誌などのDL販売などは「相手の反応によって収益も大きく変わる」という側面があります。
自分が何時間かけても相手に響かなければ時給換算で1円にも満たないこともありますし、力を抜いた1時間で作ったものが予想外にヒットすることもあります。
だから「1日何時間働けば海外ノマドができるか」という質問には答えられません。
あなたの能力によりますし、ジャンルによりますし、需要によりますし、供給(ライバルの数と実力)にも左右されます。