ブログアフィリエイトやYouTuberなどはネットビジネスと呼ばれ、特に新型コロナウイルスの影響で外に出るのが困難だった状況で(一部の方に)注目されました。
実際、ネットビジネスは「一人でも完結できる」「場所に囚われない」「時間に囚われない」というメリットがあるのは事実です。
ですが、有名な人たちでも多くの場合そこまで輝けているわけではありません。
私自身、ネットで完結する仕事で外こもり生活をしていますし、ビジネスを否定する側ではなくむしろオススメする側です。
ですが参入してくる方の「夢と現実」があまりにもかけ離れているので「思っていたのと違う!」となる前に気付いてほしくてこの記事を書きました。
目次
ネットビジネスとネットワークビジネスは全く違う
まず最初に、いまだに「ネットビジネス」と「ネットワークビジネス」を混同している方がいるので改めて定義させてください。
ネットワークビジネスは、「マルチビジネス」などの「子会員」「孫会員」へと連鎖していく連鎖販売取引です。
当記事で言う「ネットビジネス」はマルチビジネスのことではなく、インターネットを活用したビジネスを指します。
ちなみにマルチ商法自体は日本国内でも違法ではありませんが、そもそもこのビジネスは胴元やそれに近い会員しか稼げないビジネスです。
オススメできません。
一方のネットビジネスはまだ見込みがあります。
インターネットを使うことで日本だけでなく世界を相手に戦えますし、日々新しいトレンドが生まれる今の時代、ネタが枯渇することはまずあり得ません。
ですのでネットビジネスは「提供するネタがなくなる」という心配はないのです。
ただし、心配なのは...
「一人で完結する」の嘘と真実
ネットで完結する小規模なビジネスはたしかに一人で完結します。
ただし、それは当然のことながら雑用をすべて自分でこなすことになります。
ブログであれば環境構築やプラグインのエラーを自分で解決する必要がありますし、google先生が突然ルールを変えたらそれにいち早く気付いて修正を加えなければなりません。
google先生はルール変更を一人ひとりに伝えないどころか変更したことを言わないことすらあります。
つまりブログで稼ぎたいなら独りよがりにならず、常にアンテナを張り巡らせなくてはなりません。
誰ともつるまずネットの情報を集めるだけでは真偽を判別するのに時間がかかるため、横のつながりが必要になってきます。
YouTuberも言わずもがなですよね。
好きなことをして楽しんでいるだけに見えますが、その何十倍もの時間を視聴者が楽しめる企画を考えたり視聴者が見やすいように編集する時間に費やさなければなりません。
初期の「お試し」で仕事や学校の後にちょこっとやるだけならまだしも、それを生業にするのであれば結局一人でやるよりも誰かを雇ってしまったほうがラクです。
「時間に囚われない」の真実
多くの初心者が勘違いしていますが、ネットビジネスは「最初からいきなり巨額の富を産む夢のような仕事」ではありません。
そもそもネットビジネスに限らずどのジャンルであっても初心者は稼げないんです。
知識がないので稼ぐための定石を守らず的外れな行動をすることが多いですし、知識を得てもそれを使いこなせるようになるまでに時間がかかります。
習熟度は人によるので一概には言えませんが、多くの場合最初の数か月は法で定められた最低時給を遥かに下回る額しか稼げないでしょう。
なので、「いつ働いてもいい」という意味で時間に縛られないのは事実ですが、単価が低く総労働時間は多くなる傾向があるため「労働時間が減る」という意味で時間に縛られなくなるのは相当先の話になります。
結局、時間単位で見ると稼げる額が少ないため「バイトしたほうがマシ」と辞めていく人が多いです。
ただ、ネットビジネスの多くは成果物がストックされるタイプが多く、数をこなすことで精度も上がるためどんどん収入・時間単価は増える傾向にあります。
収入と時間の関係はいわゆる「J曲線」と呼ばれるグラフになることが多く、最初の数か月はほぼゼロか、初期投資などでマイナスになることが多いです。
中期的・長期的な視野がないと耐えられないでしょう。
「場所に囚われない」の真実
私はネットビジネスの最大のメリットはこれだと思っています。
ネットで完結する仕事は、満員電車に揺られて就業開始時点で満身創痍になる必要がありません。
スーツに着替えずともパジャマのままでもOKです。
家に引きこもったまま仕事ができます。
その一方、パソコンさえあれば旅行先のホテルでも仕事ができるため、物価の安い海外で外こもりをしながら働くという「海外ノマド」という生き方も生まれています。
ただし、「他人に急かされないと仕事ができない」というタイプの人は厳しいです。
それこそパジャマのままベッドの上で仕事をしようとして結局丸一日YouTubeを見て過ごしてしまったり、旅行を楽しむあまりホテルに戻ったらそのまま寝てしまったり。
そもそもネットビジネスに限らず、就職しないという選択肢を取るのであれば「誰かに言われないと動けない」というのは致命的です。
じゃあ結局ダメなの?
当記事を読んで「なんだ、ダメじゃん」と思った方にはネットビジネスの才能がないので辞めましょう。
当記事を読んで「え?じゃあソコをアレしたらいいんじゃない?」と思った方は稼げる可能性が高いです。
どんな情報からでも自分なりに考え、改善することができる人ならばネットビジネスに限らずどの世界でも一定以上の成果が出ます。
「分析の結果、厳しいことがわかった」ならば今すぐ辞めよう
「あれはダメこれはダメ」と否定的な意見ばかり探すのは分析とは言いません。
辞める理由を探しているのであればやらないほうがマシです。
ネットビジネスを含め、新しく何かに挑戦する場合には周囲から否定的な声がたくさん聞こえてきます。
恐ろしいことに「誰かがお金を稼いでいる」という事実自体を憎んでいる人が一定数おり、インターネットのように(表面上)匿名で物申すことができる場ではこのタイプの人の声がとても大きくなります。
また、ネットビジネスは今でもまだ主流の働き方ではなく、今後も主流になることはありません。
そのためあなたを心配する本当の友達ですら、(善意で)辞めるべきだと進言してくることもあります。
親のような世代間ギャップがある人は特に否定的な傾向が強いです。
そういった否定的な意見を浴びても「いや、俺はこれで行く」と貫けないと、うまく行かない日々が続いたときの「辞める言い訳」になってしまいます。
最後に
ネットビジネスは時間や場所に囚われず、好きなように働くことができます。
ですがこれを「好き勝手なことをして稼げる」とするのはやや間違っています。
ネットと電源さえあればどこでもできるので「場所に囚われない」というのは文字通りの意味ですが、「時間に囚われない」は労働時間が少なくて済むのではなく「いつやってもいい」というだけの話で「労働する時間そのもの」は(特に初心者のうちは)アルバイトより長くなる可能性が高いです。
さらに、誰にも強制されない状況の中一人黙々と仕事をする必要がありますし、特に軌道に乗るまでは労力に対する収益が見合わず苦しいです。
その上、ネットビジネスは未だに「胡散臭い」と考える人がとても多く否定的な意見を浴びることになります。
それでも分析・改善を黙々と続けられた人だけがネットビジネスで食べていくことができます。
そして「分析・改善のために黙々と行動できる人」であれば、「最初からちゃんとした企業で働ける」という矛盾をはらんでいます。